電子書籍ビジネスコンソーシアムは、7月8日から、14の出版社による共同の電子書籍企画として「戦後60年『今、戦争を考える』フェア」を開催する。8月15日まで。 このフェアは、各社が戦争をテーマにした書籍を全46タイトル電子化し、共同でオンラインショップのイーブック・ジャパンおよびΣbook.JPのサイトで販売するとともに、書店の協力も得て、店頭での同タイトル書籍やオンデマンド出版本の販売を行うもの。 電子書籍ビジネスコンソーシアムの下中直人会長(平凡社社長)によれば「複数の出版社が共同で電子書籍を対象としたフェアを開催するのは日本で初めて」だという。このフェアでは、電子書籍への取り組みが初となる出版社が参加したり、現物が1冊しか残っていない戦時中の書籍を電子書籍として復刻販売したりといった試みも行われる。 電子書籍ビジネスコンソーシアムは2003年秋に結成され、現在は70社が参加している。参加企業は電子機器メーカー、印刷会社、システムソフトウェア会社、配信会社、書店など多岐にわたり、出版社は約30社。 電子書籍ビジネスコンソーシアムの出版部会長、斎藤文雄氏によると「電子書籍の販売は年々伸張しているものの、まんが・コミックや一部のベストセラーを除いては成果が上がっていない」という。とりわけ人文書や社会科学書では、個別の出版社が個々のタイトルを発行するのでは読者の注目を集めにくい。そこで、フェアという形をとって、複数の出版社がテーマの範囲内で多様なコンテンツを揃え、どのような成果が得られるかを見たいとしている。 参加出版社は以下のとおり。・イーブック イニシアティブ ジャパン・岩波書店・インタープレイ・NHK出版・NTT出版・勁草書房・弘文堂・主婦の友社・春陽堂書店・創元社・中央公論新社・原書房・文芸春秋・平凡社