コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は2月25日から、漫画家の松本零士が絵を通して「創作とは何か」をアピールするポスターの無償配布を始めた。ACCSのホームページからダウンロードし、PCの壁紙にもできる。 ポスターは松本零士の超人気SFファンタジー作品「銀河鉄道999(スリーナイン)」をモチーフにしたものだ。星空を駆け抜ける銀河鉄道をバックに、主人公の少年・星野鉄郎とミステリアスな美女・メーテルが描かれている。 「銀河鉄道999」は、少年が大人になるためのイニシエーション(通過儀礼)を描いた作品だ。TVアニメ版は全国の子供たちを虜にし、和製アニメの歴史を創った。1979年、81年と立て続けに公開された劇場用長編アニメも大ヒット。キャプテン・ハーロックやエメラルダスなど、LEIJI MATSUMOTOが生涯をかけて造ったキャラクターが総出演し、ある意味彼の備忘録だった作品だ。 今回用意されているポスターは紙製のものだけでなく、ACCSのホームページからデジタルデータ版も提供されている。日本語・中国語・韓国語・英語の4カ国語が選べ、ダウンロードしてあなたのデスクトップを松本ワールドにすることも可能だ。 紙製ポスターの初回制作部数は3,000部。各都道府県の教育委員会などに配られるが、希望者はだれでもACCS事務局に連絡すれば無料でもらえる(送料は自己負担)。 ポスター配布を発表する記者会見で、松本零士は以下のように述べている。「マンガは創作である以上、『世界にたったひとつ』でなければならないんです。私はクリエイターひとりひとりの権利が守られることを願っています。 真実を見て大ボラを吹くのが私の仕事です。でもすべての作者たちの作品は、そんな自分というフィルターを通して生まれてくるんです。コピーには『それ』がないでしょう?」 デジタルデータで配信されているポスター自体は、ホームページや掲示板にアップロードしたり、ファイル交換ソフトで公開することが禁じられている。ただしそれを防ぐための特別な技術は何も施されていない。 またファイルの「ダウンロードページ」には今後、コピープロテクトなどの本格的なデジタル情報保護技術(DIPT)を実装する予定だが、時期は4月末になる予定だ。「男おいどん」を少年マガジンで読み、ラーメンライスばかり食べて母にしかられていたあのころ。私は小学生だった。母は私からあの本を取り上げ、こう言ったものだ。「悪書は追放する」 そしていま、私はファントム・F・ハーロックIIよりちょっとだけ若い40代になっている。 このフリーなファイルは、あなたの心を映す「REVI C12D」だ。ポスターは「銀河鉄道999」といっしょに生きたすべての少年たちに、きっとこう呼びかけているのだろう。「あなたはメーテルに何を教えられたのか?」「ハーロックIIは雨のアルカディアで、あのとき何を選んだか覚えているか?」「少年よ。心あるならば、私を変えないでほしい」「あなたの中の『REVI C12D』で、私をそっと見続けてほしい」