MVNOや競争原理のあり方とは? 携帯電話における既存事業者と新規事業者の「温度差」 | RBB TODAY

MVNOや競争原理のあり方とは? 携帯電話における既存事業者と新規事業者の「温度差」

 総務省が開催した「電気通信事業分野の競争評価についてのカンファレンス」では、プレゼンテーションに続いて、ソフトバンクBB、イー・アクセス、NTTドコモ、KDDI、ボーダフォンによるパネルディスカッションが行なわれた。

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 総務省が開催した「電気通信事業分野の競争評価についてのカンファレンス」では、プレゼンテーションに続いて、ソフトバンクBB、イー・アクセス、NTTドコモ、KDDI、ボーダフォンによるパネルディスカッションが行なわれた。
  •  総務省が開催した「電気通信事業分野の競争評価についてのカンファレンス」では、プレゼンテーションに続いて、ソフトバンクBB、イー・アクセス、NTTドコモ、KDDI、ボーダフォンによるパネルディスカッションが行なわれた。
 総務省が開催した「電気通信事業分野の競争評価についてのカンファレンス」では、プレゼンテーションに続いて、ソフトバンクBB、イー・アクセス、NTTドコモ、KDDI、ボーダフォンによるパネルディスカッションが行なわれた。

 ディスカッションの前半はプレゼンからの流れで携帯電話の料金に関する議論になり、後半ではMVNO(無線通信インフラを他社から借りてサービス提供する事業者)の是非や競争原理のあり方などが討議された。

 冒頭で、コーディネータの甲南大学経済学部教授の佐藤治正氏が「ソフトバンクBBのプレゼン資料を見ると『携帯電話料金は高い』となっているがどうなのか?」と話をソフトバンクBB 取締役の宮川潤一氏に向けると「高いと言っているのは新規事業候補者の2社、安いと主張するのは既存事業者3社だ」などと口火を切った。

 さらにイー・アクセス代表取締役COOの種野晴夫氏も、「日本の携帯料金は固定電話とくらべ、まだまだ気にしながら使わざるをえないほど高い」と援護射撃を続ける。

 これに対しNTTドコモ常務取締役の辻村清行氏は、ソフトバンクBBの宮川氏がプレゼンでARPUを使い携帯料金の国際比較をした点について反論。「ARPUによる(国際比較は)不適切だ」と宮川氏の比較計算が論理的ではないとした。

 またイー・アクセスの種野氏に対しても、「携帯電話はどこでも使える付加価値があるぶん料金が割高なのであり、単純に固定電話と数字だけくらべるのはおかしい。利用形態をミックスして比較するのが正当だ」と指摘した。

 さらに辻村氏はイー・アクセスの種野氏がプレゼンで引用したNTTドコモの利益率にも触れ「弊社の20%前後という利益率は世界的に見ると高くない。我々はiモードなど常に新しい事業にチャレンジしてきた。それにより利益率が上がるのは自然だ」と反論した。

 またKDDI取締役執行役員専務の長尾哲氏も、「利益率が高いのはいけないことだ、というのはどうか。独占状態にあるのなら別だが、競争がある中で利益率が高いのは悪いことではない。それだけのマネージメントがあったからだ」と続く。

 このほかイー・アクセスの種野氏が「インセンティブを含め、既存業者は旧来の体質が染み付いている。ここが変わらなければ」と指摘したのに対し、NTTドコモの辻村氏は「インセンティブをつけて最初にかかる費用を安くするのは決して悪いことではない」との見解を示した。

 一方、MVNOについても、既存事業者と新規参入事業者との間で評価が分かれた。

 イー・アクセスの種野氏は「MVNOがきちんと整備され、設備をもたない新規参入事業者がそれを利用できるならいいが、日本ではそうなっていない」と主張。MVNOが進展しないのは市場が寡占化してるためであり、既存事業者に再販を義務付けるべきだとの論旨を展開する。

 これに対しボーダフォン常務執行役の五十嵐善夫氏は、「海外ではMVNOの提供義務のある国は成功していない事例が多い」と分析。続いてNTTドコモの辻村氏も「ヨーロッパのMVNOはきわめて限定的だ。そもそも設備をもってサービスを提供する事業者は、自らリスクを負って命がけで設備投資している」とし、ソフトバンクBBの宮川氏に対して「参入するならリスクを取ってきちんと設備投資してやるべきだ」と問いかけるひと幕もあった。

 また競争原理についても意見が分かれた。KDDIの長尾氏は、「プレーヤーが多ければ寡占が起こらないとはいえない。たとえば巨大なガリバーが1社存在し、あとはドングリの背比べならばどうか? 競争は起きないだろう。プレーヤーの数と競争の有無は必ずしもイコールではない」と問題提起する。

 NTTドコモの辻村氏も「公正な競争なら歓迎だが、何か電波をもらえればすぐにできるというものではない。いま我々が成功しているのは技術開発などの成果だ。そこは認めてほしい」などと語った。

 これに対し、すでに総務省に800MHz帯割り当て方針案の実施差し止めなどを求める仮処分申請を行なっているソフトバンクBBの宮川氏は、「電波は『計画経済』ではいけない。現状ではプレーヤーを増やすも増やさないも、お役所次第だ。数が増えれば必ず競争の原理は働く」などと真っ向から対立した。
《松岡美樹》

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