ウイルス検出数が急増、「サイバー攻撃対策」の点検を…6月のウイルス・不正アクセス状況[IPA] | RBB TODAY
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ウイルス検出数が急増、「サイバー攻撃対策」の点検を…6月のウイルス・不正アクセス状況[IPA]

ブロードバンド セキュリティ
近年のサイバー攻撃の特徴
  • 近年のサイバー攻撃の特徴
  • 「チェックリスト」のイメージ
  • 6月のウイルス検出数とウイルス届出件数
  • 不正プログラムの検知件数推移
  • 1観測点・1日あたりの期待しない(一方的な)平均アクセス数と発信元数
  • 80/tcp発信元地域別アクセス数の変化(10観測点の合計)
 情報処理推進機構(IPA)は5日、2011年6月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況、および「今月の呼びかけ」を取りまとめた文書を公開した。

 それによると、6月のウイルスの検出数は約3.8万個で、5月の約2.3万個から64.9%と大幅に増加。6月の届出件数も1209件で、5月の1049件から15.3%の増加となった。検出数の1位は引き続きW32/Netskyで約1.6万個 、2位はW32/Gammimaが急上昇し約9.4千個、3位はW32/MyDoomで約9.0千個だった。パソコン内に裏口を仕掛ける「BACKDOOR」など不正プログラムがも増加傾向を維持した。「W32/Gammima」は以前からある、オンラインゲームIDの窃盗を目的としたウイルスだが、ここにして流行を見せている。

 不正アクセス届出は9件であり、そのすべてで被害が発生した。6月のウイルス・不正アクセス関連相談総件数は1,692件。そのうち『ワンクリック不正請求』に関する相談が511件(5月:519件)となった。その他は、『偽セキュリティ対策ソフト』に関する相談が11件(5月:3件)、Winnyに関連する相談が7件(5月:5件)などとなった。

 インターネット定点観測(TALOT2)による、2011年6月の期待しない(一方的な)アクセスの総数は10観測点で157,476件、延べ総発信元は69,532か所。いずれも先月より減少した。ポート別では、5月に比べ、10394/udp、10394/tcp、その他へのアクセスで減少が観測されたが、80/tcpへのアクセスは増加した。80/tcpについては、6月後半に、アメリカと中国の複数のIPアドレスからのアクセスの増加が観測された。

 またIPAでは今月の呼びかけ「サイバー攻撃への対策状況を点検しましょう!」として、このところ連続発生している、「脆弱(ぜいじゃく)性を突いた攻撃・侵入」「標的型攻撃メール」などのサイバー攻撃に触れている。ソニー、任天堂、Googleなどの大企業、IMF(国際通貨基金)やCIA(米中央情報局)といった公的機関、各国の政府関連機関など、さまざまな組織が、ここ最近、サイバー攻撃の被害に遭っている。経済産業省が実施したアンケート調査によると、サイバー攻撃の一種である「標的型攻撃」を受けた経験のある企業は、2007年には5.4%でしたが、2011年には33%と急増したという。被害が表面化していないものも含めると、インターネットを利用している多数の組織がサイバー攻撃の標的になっていると考えられる。

 これを受けIPAでは、経営層、システム管理部門、システム管理者、組織を構成する全ての人向けに、チェックリストの活用や、脆弱性の解消、注意の周知徹底を呼びかけている。
《冨岡晶》
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