国内最大規模のネイチャーベースのカーボンクレジット創出・販売事業を展開するGreen Carbon株式会社(代表取締役:大北潤、以下「Green Carbon」)は、2026年6月25日から28日にタイ・バンコクのBITEC Bangnaで開催された「Saha Group Fair & Fest 2026」に出展し、タイ・Phitsanulok県のAWD(Alternate Wetting and Drying:間断灌漑)(※1)プロジェクト参加農家が生産した米を活用した販売実証を実施しました。(以下「本実証」)
本実証では、Green Carbon Thailandアンバサダーに就任したタレント・クリエイターのRyota Moisture氏の協力のもと、来場者への商品紹介や試食、SNSでの情報発信、販売を実施し、用意した約1トンの商品を会期中に完売しました。
今回の取り組みは、単なる米の販売ではなく、AWDによる環境配慮型農業の普及、農家所得の向上、消費者ニーズ、販売チャネル、クリエイターを活用した情報発信の有効性を検証する販売実証として実施したものです。Green Carbonは、本実証で得られた知見をもとに、タイ米の高付加価値化と農家所得向上を両立する新たなバリューチェーンの構築を目指します。

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◆タイの米産業を取り巻く課題
タイは世界有数の米輸出国ですが、近年はインドやベトナムとの価格競争が激化しており、タイ米には価格だけではない新たな価値創出が求められています。品質や香りに加え、健康価値、トレーサビリティ、環境価値を組み合わせた高付加価値化が重要なテーマとなっています。また、気候変動による水不足や干ばつリスク、肥料・燃料価格の高騰は、タイ農家の経営を圧迫する大きな要因となっています。こうした課題への対応策として期待されているのがAWDです。
AWDは、水田を常時湛水させるのではなく、一定期間乾燥させながら栽培する水管理手法であり、メタン排出量の削減に加え、水使用量の削減や持続可能な農業への貢献が期待されています。
◆Phitsanulok県で見えた農家の課題と可能性
本実証に先立ち、Green CarbonはPhitsanulok県のAWDプロジェクト参加農家を訪問し、栽培状況や販売先、農業経営の課題についてヒアリングを実施しました。現地では、肥料や燃料などの資材価格高騰が農家経営を圧迫している一方、プロジェクト参加前と比較して収穫量が約1.5倍に増加したという農家の声も聞かれました。現地大学によると、病害の減少などが要因の一つとして考えられており、AWDによる直接的な効果と断定するものではありませんが、プロジェクトに対する高い評価が寄せられています。
今回訪問した農家では、収穫量が約4.9t/ha(約0.78t/rai)から約7.1t/ha(約1.14t/rai)へ増加しており、農家販売価格を基に試算すると、増加分は1haあたり1作で約2万THB(タイバーツ)(約9.7万円)の追加売上に相当します。
こうした現場の声を踏まえ、Green Carbonは、水使用量や温室効果ガス排出量の削減だけでなく、収量向上や高付加価値米の販売を通じて農家所得向上につなげることが重要であると考えています。

○農家訪問の様子(1)

○農家訪問の様子(2)

○農家訪問の様子(3)
◆販売実証の目的と成果
本実証では、AWD農家が生産した米に対する消費者ニーズや市場性を検証するとともに、環境配慮型農産物の新たな販売モデルの可能性を確認することを目的としました。主な検証項目は以下のとおりです。
- AWD農家由来米に対する消費者の関心
- 商品コンセプトやパッケージへの評価
- 価格受容性および購買行動
- 試食やSNS、クリエイターを活用した販売手法の有効性
- タイ市場における品種・機能性へのニーズ
- BtoBを含む販売チャネルへの展開可能性
会場では、Green Carbonスタッフによる商品説明や試食に加え、Ryota Moisture氏による商品紹介やSNSでの発信を実施しました。
タイの消費者からは、ジャスミン米、ライスベリー(Riceberry)、玄米、低GI米などへの関心が高く、日本人来場者からはジャポニカ米を求める声も多く寄せられました。さらに、飲食店関係者からは継続購入や業務用利用への関心も示され、家庭用販売だけでなくBtoB市場への展開可能性も確認されました。その結果、用意した約1トンの商品は会期中に完売しました。今回の実証を通じて、環境価値だけではなく、品種や品質、健康価値などを組み合わせた商品設計が、タイ米の高付加価値化において重要であることが明らかになりました。

○本実証の様子
◆関係者コメント
<Green Carbon Thailandアンバサダー:Ryota Moisture氏>Green Carbon ThailandアンバサダーとしてPhitsanulok県の農家を訪問し、その後Saha Group Fair & Festで農家の皆さんが育てたお米を紹介しました。
現場では、肥料や燃料価格の高騰など農家が抱える課題を知る一方で、プロジェクト参加による収穫量の増加など前向きな変化も見ることができました。
会場では多くの方にお米をご購入いただき、農家の皆さんが丹精込めて育てたお米を消費者へ届ける機会に携われたことを大変うれしく思います。
今後もこの取り組みをより多くの方へ届け、タイ農家や地域社会に貢献していきたいと思います。
<The CEO of Shop Global (Thailand) Co.,Ltd. (a subsidiary of Saha group):Sorchote Ambhanwong氏>
Phitsanulok県でGreen CarbonのAWDプロジェクトを視察し、農家が抱える課題と、この取り組みが生み出す価値を実感しました。
販売実証では、消費者の生の声を聞くことができ、今後の商品開発や販売チャネルにつながる多くの知見を得ることができました。
今後もGreen Carbonと連携し、タイ農家の所得向上や高付加価値商品の可能性について検討を進めていきたいと考えています。




◆今後の展開
Green Carbonは、本実証で得られた消費者の声や販売データをもとに、AWDなどの環境配慮型農法と消費者ニーズの高い品種・機能性を組み合わせた、新たな米バリューチェーンの構築を進めてまいります。今後は、家庭用販売に加え、飲食店向け、企業向け、BtoB、オンライン販売などへの展開を検討するとともに、栽培管理やトレーサビリティ、環境価値を組み合わせることで、タイ米の高付加価値化と農家所得向上の両立を目指します。
また、AWDプロジェクトを段階的に拡大し、将来的には100万ha規模での普及を目指しています。100万haへの導入が実現した場合、年間約1,000万tCO2eの温室効果ガス削減ポテンシャルに加え、今回訪問した農家と同程度の収量改善が得られれば、年2作換算で約400億THB規模の売上増加も期待されます。
Green Carbonは、AWDを温室効果ガス削減だけでなく、水不足への対応、農家所得向上、タイ米の国際競争力強化につながる持続可能な農業モデルとして普及を進めてまいります。
※1: AWD (Alternate Wetting and Drying)
間断灌漑(AWD)は水田の水位を目安に、数日おきに入水と自然乾燥を繰り返すという手法になります。間断灌漑(AWD)の場合、連続的な入水に比べ、水使用量を削減することができ、水資源の保全にも寄与します。
◆Green Carbon 株式会社
代表者 :代表取締役 大北 潤所在地 :東京都千代田区麹町2-3-2 半蔵門PREX North 9F
設立 :2019年12月 12日
事業内容 :カーボンクレジット創出販売事業、農業関連事業、環境関連事業、その他、関連する事業及びESGコンサルティング事業
URL : https://green-carbon.co.jp/
◆Green Carbon事業紹介
Green Carbonは、「生命の力で、地球を救う」をビジョンに掲げ、国内外において自然由来のカーボンクレジットの創出・登録・販売までを一気通貫で支援するクライメートテック企業です。加えて、植物・微生物の研究開発事業、ESG/排出枠コンサルティング事業、各種環境関連事業も展開しています。事業は日本および東南アジアを中心に10カ国以上で展開しており、水田(中干し・AWD)、バイオ炭、森林保全、カーボンファーミング、マングローブ植林、家畜排せつ物処理、畜産由来メタン削減など、多様な自然由来プロジェクトを推進しています。国内の水田(中干し)においては、2023年度に日本初・最大規模となる約6,220tのクレジットを創出。2024年度は約40,000ha(約65,000t)、2025年度は約65,000ha(約65,000t)、2026年度には約90,000ha(約95,000t)まで拡大を予定しています。また、酪農分野では日本初となるJ-クレジットのプログラム型登録を実施し、2026年度に6,749tを創出。
海外においては、東南アジアを中心に大規模なプロジェクト組成とクレジット創出を推進しており、フィリピンではJCM(二国間クレジット制度)を活用した投資プロジェクトが完売。さらに、ベトナムやカンボジアにおいても、JCM方法論の承認に向けて州・自治体・政府と連携を進めています。また、クレジットの申請・登録・販売までをワンストップで完結するプラットフォーム「Agreen(アグリーン)」を提供し、煩雑な手続きや書類作成を効率化。創出者の負担軽減とスケーラブルな事業推進を実現しています。加えて、環境価値付き農産物(環境配慮米)の流通、研究開発、ESG・排出枠コンサルティングも手がけ、自然資本を軸とした脱炭素の実現に貢献しています。
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