わが国は、構造的な人手不足や老朽化するインフラの維持管理といった社会課題に直面しています。こうした中、本提言では、AIを搭載した「ロボット(AI+)」を、社会課題の解決と産業競争力の強化に資する中核的な基盤技術として位置づけ、フェーズ別の勝ち筋に沿った戦略を着実に展開するよう、政府に求めています。
■ 提言概要
AI分野で米中が先行する中、わが国は世界シェア6割超を有する産業用ロボットで実装や改善を重ねてきた強みがあります。グローバル競争の軸が「実社会での信頼性や実装力」に移る中、日本として総合戦略を早急に策定することが求められます。
とりわけ、日本のロボット(AI+)分野の競争力の源泉として、センサーや精密制御部品、アクチュエーターといった基盤技術が挙げられます。現場での実装と運用を通じて蓄積される産業データや運用・改善の知見、いわゆる「現場知」といった無形資産を活用することで、競争力を一層高めることが期待されます。
本提言では、企業による主体的な投資を大前提としつつ、民間だけでは克服が困難な課題について、産官学連携のもと、投資促進策や規制・制度改革、国際標準化、人材育成等を一体的に推進するよう求めています。
政府への具体的な要望の第一は、国内外のルール形成です。ネガティブリスト方式を基本とする「ガードレール型」でのルールの整備を求めつつ、国際標準化を主導し、競争力の強化とグローバル市場の獲得につなげることが重要です。
第二は、人材育成です。ここでは、ロボット開発人材のほか、統合型人材や現場人材が不足する中、ロボット(AI+)のエコシステムを構築すべく、人的投資の拡充など政府の戦略的対応を求めています。
その上で、第三に、フェーズ別にみた勝ち筋を戦略的に追求すべき旨を訴えています。
- 短期「Build & Run」フェーズ:社会実装を加速し、データと現場知を蓄積して競争力の基盤を強化していくことが重要。産業用ロボット等を核として、「信頼の基盤」の蓄積を踏まえた社会実装を加速すべき
- 中期「Expand & Scale」フェーズ:産業データスペース(注1)を本格運用しつつ、生活・サービスロボットへの展開を本格化すべき
- 長期「Global Presence」フェーズ:「現場力×安全×品質」を武器に、第三極としての国際的地位を確立すべき

今夏に予定される「日本成長戦略」の策定に向けて、AI・半導体を含む17の戦略分野において、大胆な投資促進や国際展開支援、人材育成、産学連携、国際標準化等の総合的支援が検討されていることをとらえ、勝ち筋にそった戦略を着実に進めることが必要です。経団連としても、投資牽引型経済への転換に向けて、産官学の結節点として先導的役割を果たしてまいります。

提言の詳細は、下記URLよりご覧いただけます。
「わが国ロボット(AI+)戦略のあり方に関する提言」
経団連:https://www.keidanren.or.jp/policy/2026/011.html
(注1)「デジタルエコシステム官民協議会」(2025年6月設置)において、デジタル庁や経団連等、官民関係者連携の下、国際相互運用性を有する「産業データスペース」の構築に向けて取り組み
産業データスペースの構築に向けて (2024-10-15)
経団連:https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/073.html
産業データスペースの構築に向けた第2次提言 (2025-05-13)
経団連:https://www.keidanren.or.jp/policy/2025/026.html
■ 経団連について
名称:一般社団法人 日本経済団体連合会(略称:経団連)
代表理事:会長 筒井 義信 副会長・事務総長 久保田 政一
会員数:企業会員1,574 団体会員152 特別会員32 計1,758(2025年4月1日現在)
所在地:東京都千代田区大手町1丁目3番2号 経団連会館
URL:http://www.keidanren.or.jp/
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