
【CULUMU独自調査レポート公開】『超高齢社会におけるモビリティの意味とは - 移動ができないと、何ができなくなるのか -』を公開しました。(調査期間:2025年8月~2-2025年12月)
企業の新規事業創出を支援するインクルーシブデザインスタジオCULUMU(運営:株式会社STYZ、本社:東京都渋谷区、代表取締役:田中辰也、以下「CULUMU」)は、ホワイトペーパー『超高齢社会におけるモビリティの意味とは - 移動ができないと、何ができなくなるのか -』を公開しました。(調査期間:2025年8月~2-2025年12月)
本調査では、シニアの移動課題を単なる交通手段の欠如としてではなく、生活の質や尊厳に関わる「生活成立構造」の揺らぎとして捉え直しました。インタビュー調査から明らかになったのは、物理的な移動手段が存在していても、「選べる自由」「出かけたい意欲」「社会との関わり」「自分らしさ」という4つの要素が損なわれることで、外出頻度を自ら減らしてしまう「見えにくい移動格差」の実態です。
本レポートでは、モビリティを単なる移動手段(A地点からB地点への移動)から、人間らしい生活を支える基盤として再定義しています。その上で、誰もが生活を縮小させることなく豊かに暮らすために、行政・企業・地域が取り組むべきデザインのあり方として「5つの視点」を提言します。
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■調査の概要
本調査は、「シニアの移動に関する実態調査」と題し、移動が生活にどのような影響を及ぼしているのかを探索的に捉えることを目的に実施しました。 調査期間中、免許返納済み、もしくは返納を検討している、移動環境や自立度の異なる国内在住シニア5名に対し、移動手段・頻度といった事実情報に加え、その選択に至った理由や背景となる考え方を丁寧に聞き取りました。 年齢や属性の代表性を追うのではなく、移動の前提条件や判断の違いがどのように生活に影響していくのかというプロセスに焦点を当てています。
■調査背景:いま起きている社会変化
現在、日本社会では以下のような変化が同時に進行しています。
- 高齢化の進展により、免許返納や移動手段の見直しが多くの人にとって現実的なテーマになっている
- 移動は、シニアの生活を支える前提条件になりつつある
- 都市部・地方部での公共交通環境の差が、生活の選択肢に直接的な影響を与えている
- 家族構成や近隣関係の変化により、「誰かに頼る」前提が揺らいでいる
- 自立と依存を二項対立で捉えきれない、多様な生活の成り立ちが顕在化している
こうした中で、移動は単なるインフラではなく、生活の質や継続性を左右する重要な要素となっています。

高齢化が進む社会で、移動可能性は確実に下がっている
■このホワイトペーパーは、インクルーシブデザインに興味のある以下の方々におすすめです
1. 社会課題の解像度を高めたい方
- 物流の2024年問題や公共交通の維持困難など、社会全体の「動く力」が弱まる中で、デザインに何ができるかを探っている方。
- 身体的な障害だけでなく、デジタルリテラシーや居住地域、経済状況によって生じている「隠れた不平等」を可視化したい方。
2. 実態に基づいた具体策を求めている方
- 一律のソリューションではなく、インフラ密度や文化の違いに即した「適地適正」なデザインを模索している方。
- 単なる統計データではなく、高齢者の心理的ハードルや行動変容のきっかけなど、生の声に基づいたUX設計を行いたい方。
3. 次世代のモビリティを定義したい企画・開発者
- 「AからBへの移動」という機能価値を超え、移動がもたらす「社会参画」や「ウェルビーイング」の価値を再構築したい方。
- CULUMU独自のフレームワークを通じて、具体的かつ持続可能なサービス・プロダクトの着想を得たい方。
■目次
- 移動可能性が下がる社会
- 都市と地方で異なる、移動の前提条件
- シニアの移動に関する実態調査
- モビリティの再定義
- 見えにくい移動格差
- CULUMUの考える移動の未来 ー 生活が縮まないための、5つの視点

『超高齢社会におけるモビリティの意味とは - 移動ができないと、何ができなくなるのか -』を公開
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■わたしたちの課題意識:現場や市場で起きている社会課題の"詰まり"
多くの施策やサービスは、「移動できなくなった後」を起点に設計されがちです。 しかし本調査からは、モビリティは単に場所を移動する手段ではなく、生活がどのように成り立つかに深く関わっていることが見えてきました。 移動環境が整っていることで、人は「行ける」だけでなく、
高齢化の進展により、免許返納や移動手段の見直しが多くの人にとって現実的なテーマになっている
移動は、シニアの生活を支える前提条件になりつつある
都市部・地方部での公共交通環境の差が、生活の選択肢に直接的な影響を与えている
家族構成や近隣関係の変化により、「誰かに頼る」前提が揺らいでいる
自立と依存を二項対立で捉えきれない、多様な生活の成り立ちが顕在化している
「自分でいられる状態」を保って生活を組み立てています。 平均的なユーザー像を前提にした設計では、こうした微細な変化や判断の積み重ねを捉えきれないという限界があります。
■なぜ多様性に目を向ける必要があるか
移動の問題は、「行けなくなった瞬間」に突然生じるわけではありません。 調査では、バスやタクシー、家族の送迎など移動手段が残っている段階から、
- 外出の回数を減らす
- 必要な用事だけを優先する
といった判断が徐々に積み重なっている様子が語られました。 この「行けるのに行かない」状態こそが、後に移動できなくなることで失われていく生活の最初の入口であると考えられます。 どのような生活環境で、この入口がどのように開き、影響がどこまで広がっていくのかを理解するには、多様な前提条件に目を向ける必要があります。

都市と地方で異なる、生活成立構造の失われ方
■N=1探索的調査の意義
移動に関する課題は、「移動手段があるかどうか」だけでは捉えきれません。 都市/地方、自立/依存といった条件の違いによって、生活が制限されていくプロセスには明確な差が生まれています。 N=1(当事者)を起点とした探索的調査では、
- どの段階で判断が変わるのか
- 何が失われ、何が維持されているのか
- どの選択肢が「残っている」と感じられているのか
といった意思決定の構造が可視化されます。 これは定量調査を否定するものではなく、仮説を立て、次の設計や検証につなげるための補完的な役割を担うものです。

各象限から見えた象徴的な声
本調査の結果から、モビリティは単に「場所を移動するための手段」ではなく、人々の暮らしの基盤そのものを形づくる重要な要素であることが明らかになりました。
移動環境が整備されることは、行動範囲が広がるという物理的な利便性にとどまりません。人は移動の自由が確保されることで、行き先を「選ぶ」ことができ、行きたい場所を「思い描く」ことができ、社会や人との関わりを「続ける」ことができます。そしてその積み重ねによって、自分らしさを失わずに日々の生活を組み立てている実態が見えてきました。
今後、少子高齢化や地域の交通空白、障害や健康状態による移動困難など、移動に関する課題が一層複雑化する中で、モビリティを移動手段としてだけで捉えるのではなく、生活をどれだけ自分で組み立てられるか?の条件として再定義し、誰もが安心して暮らしを設計できる移動環境の整備が求められます。

モビリティが支える「生活成立構造モデル」
続きはホワイトペーパーをご確認ください。
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インクルーシブデザインスタジオ CULUMU について

CULUMUの支援は「共創プロセスを取り入れた新たな事業創造支援」「尖ったインサイトを発見するリサーチ支援」「アイデアを形にするプロトタイピング支援」「全ての人にやさしい空間・建築デザイン支援」「価値を最大化するブランディング・アクセシビリティ支援」などがあります。
インクルーシブデザインスタジオCULUMUは、高齢者や障がい者、外国人やマタニティ、Z世代・α世代など多様なユーザー、当事者と共創するインクルーシブデザインスタジオです。ビジネスコンサルタント、UXデザイナー、UIデザイナー 、プロダクトマネージャー、エンジニアなど多数スペシャリストが在籍しているので、さまざまな事業開発の支援が可能です。
また5,000団体以上の非営利団体との繋がりを通じた希少なN=1が多く集まる調査パネルを基に、これまでリーチが困難であった人々を含む多様な人々とマッチングと定性的な調査が提供可能です。当サービスは公益財団法人日本デザイン振興会より「NPOやNGOと連携し、当事者との距離が近く洗練されたプロダクト開発の手助けになる」と評価いただき、「2024年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
これまでデザイン&開発案件で大手企業からスタートアップまで過去100件以上の幅広い取引実績があります。また、NPO・研究機関など多様なユーザーを支援するD&Iパートナーや開発パートナーも豊富で、従来の事業開発のみならず、社会課題への専門性やDE&Iに取り組むプロジェクトも豊富な経験があります。
株式会社 STYZ 概要
「民間から多種多様な社会保障を行き渡らせる」をミッションに掲げ、STYZは3つの事業があります。非営利セクターを中心に新しく資金流入を促す『ドネーションプラットフォーム事業』、企業課題と社会課題の解決を共に目指す『インクルーシブデザイン事業』。そして、次世代的なテクノロジーで人間ならではの体験を創造する『システム開発&エンジニアリング事業』になります。3つの事業を通じて、企業(ビジネスセクター)・行政(パブリックセクター)、NPO(ソーシャルセクター)、個人との媒介となり、社会の課題解決の促進を行います。

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