大阪・泉大津で毛布づくりを続けてきた日の出毛織株式会社（創業1968年）は、
このたび公式ホームページをリニューアルしました。
今回の取り組みは、単なるデザイン刷新を目的としたものではありません。
量産・OEMを主軸としたものづくりを続ける中で、
「価格や効率だけでは測れない価値を、どう残していくのか」
という問いに、企業として向き合った結果です。
製造業の現場では今、
技術があっても利益が残らず、
考え方や感覚が言語化されないまま失われていくケースも少なくありません。
日の出毛織は今回、
自分たちが長年大切にしてきた
「ちょうどよさ」を判断軸として整理し、
社会に示すことを選びました。
毛織の町・泉大津に根ざしたものづくり
日の出毛織は、毛織の町として知られる大阪・泉大津に拠点を置き、
地域とともに歩みながら、職人の手仕事に支えられたものづくりを続けてきました。
大量につくることそのものを目的とするのではなく、
誰かの暮らしの中で、無理なく使われ続けること。
同社は長年、そうした視点を大切にしてきました。
快適さを「数値」で測らないという選択
日の出毛織では、快適さを数値やスペックだけで判断してきませんでした。
新しい製品や取り組みを検討する際には、
・主張しすぎていないか
・日常の中で自然に使われるか
・長く使われる前提に立っているか
といった視点で、必ず立ち止まって判断しています。
同社が一つの目安としているのが、
人が無意識に心地よいと感じる状態、
いわば「25度前後の環境」です。
これは単なる温度の話ではなく、
人や暮らしとの距離感が近すぎず、遠すぎない、
自然に存在できる状態を示す感覚でもあります。
暖かさの強さではなく、
過不足のない「ちょうどよさ」を基準にする。
その考え方が、ものづくりの判断軸になっています。
数値では測れない価値を、どう残すか
同社の理念である「人と地球にぬくもりを」という言葉には、
かつて当たり前だった人と人との距離感へのまなざしも込められています。
親戚や近所との、少しおせっかいなくらいの関係
干渉しすぎず、放っておきすぎない
そのような関係性が、暮らしの中では心地よさとして存在していました。
日の出毛織が考える「ちょうどよさ」は、
製品の快適さだけでなく、
人や社会との関わり方にも通じる感覚です。
量産を続けながら、価値を再定義する
日の出毛織は、量産・OEMを主軸とした
ものづくりを今後も続けていきます。
一方で、量産という形だけでは伝えきれない
技術や考え方があることも、現場の中で実感してきました。
今回のホームページリニューアルは、
量産を否定するものではなく、
そうした価値を可視化し、社会と共有していくための再整理でもあります。
今後は、数やスピードだけでなく、
意味や文脈を大切にした取り組みも、段階的に進めていく予定です。
代表コメント
「毛布は、生活の主役になるものではありません。
でも、誰かの一日を、最高の脇役として支える存在にはなれる。
私たちは、そのちょうどいいぬくもりを、
これからも泉大津から届けていきたいと思っています」
会社概要
日の出毛織株式会社
創業：1968年
所在地：大阪府泉大津市
事業内容：毛布・繊維製品の製造
URL：https://hinodekeori.co.jp
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