なお、本内容は2025年9月25日に当社が公表した「次世代型コンタクトセンターへの革新に向けた生成AI活用支援ソリューション」における「ProCX2つの生成AI活用BPOソリューション」を実践し、「生成AI活用9つのユースケース」を順次具現化している具体的事例となります。

1. 本プロジェクト発足の背景
ブラザー販売は “At your side.”の精神のもと、きめ細かいマーケティング活動とカスタマーサポートで、お客さまの声を製品やサービスに反映し、ブラザーグループの国内マーケティングを担っています。一方で、将来的な労働人口減少に伴う人件費の高騰や人材確保の難度上昇、更には顧客のデジタルシフトやテクノロジーの進化を見据え、ブラザーグループの中期戦略に貢献する持続可能なコンタクトセンター像(中期コンタクトセンター戦略)を策定・実行する必要がありました。
そこで従来からのビジネスパートナーであり、生成AIを活用した「次世代型コンタクトセンター構想」を掲げ、実践している当社は、2024年5月より、その戦略策定と実行支援を伴走しました。
2. 本プロジェクト概要
本プロジェクトは、ブラザー販売と当社が協働し、「Phase1:戦略・計画策定」、「Phase2:実行支援(PoC検証)」、「Phase3:導入定着支援」とフェーズごとに段階的に進めており、現在も「Phase4:更なる拡張」を進行中です。
なおPhase1の実施にあたっては、当社パートナーの1社であり、”最先端のテクノロジーとデザインでクライアントの未来を描く”ビジョナリーエンジンと協働し、ブラザー販売の中期コンタクトセンター戦略の策定を行いました。
各フェーズの実施内容は以下のとおりです。

Phase1:中期コンタクトセンター戦略の策定とその実行計画設計
1. 生成AIを中心とした技術動向理解(ビジョナリーエンジン主導)
2. 市場環境の変化を踏まえた「あるべきコンタクセンター像」の策定
3. コンタクトセンターアセスメントに基づく課題抽出
4. 1.2.に基づく変革テーマの選定
5. 変革テーマに対する生成AI活用領域(ユースケース)の特定
6. 生成AI導入活用時の投資対効果の検証
7. 生成AI導入に向けたロードマップの策定
8. 1.~7.をまとめた中期計画の策定および経営判断支援

Phase2:実行支援(生成AI導入に向けたPoC検証)
1. ユースケースに基づく生成AIベンダーと協働したプロトタイプの作成・試験
・ 高度ナレッジ検索AI(ユースケース2)による応対時間短縮とCX・EX向上
・ 応対結果の自動要約AI(ユースケース4)による後処理時間短縮
2. 生成AI応答精度の向上支援
3. 実データを用いた各生成AIユースケースの効果検証
4. 生成AI利用現場の声の収集に基づく更なるPDCAサイクルマネジメントの実践
5. 上記、定量・定性評価を踏まえた生成AI本格導入に向けた経営判断支援
Phase3:実行支援(生成AI導入支援、および、その展開・定着支援)
1. 生成AIの構築・導入・定着化に向けたプロジェクト管理
2. コンタクトセンター導入に向けた新たな業務ルール策定と研修育成
3. 先行拠点における本番環境導入支援と利用体制の構築
4. 導入後の定着化支援と継続的な精度向上
5. 利用シーンや活用拠点拡大に向けた方針策定
Phase4:更なる拡張支援(現在進行中)
1. AI導入効果の最大化に向けた全拠点導入・展開支援
2. ナレッジ検索機能の更なる拡張(対象領域の更なる拡大)
3. 他業務領域(自動応対、VOC分析、FAQ自動生成、応対品質評価、など)への更なる生成AI活用方針の策定
3. 本プロジェクトの成果進捗状況について
ブラザー販売は、本プロジェクトで策定した中期計画に基づいたアクションを確実に実行し、生成AIに対する正しい理解と活用を深めるとともに、次世代型コンタクトセンター構想の実現に向けて着実に変革を実行しています。
特に、早期実装した「応対結果の自動要約AI」の導入により、応対完了後の後処理時間は、生成AI導入前の約270秒から180秒に大幅に短縮するなどコンタクトセンターのオペレーターの生産性を向上させるとともに、オペレーターの業務負担を軽減することで、よりお客さまとの応対に注力できる環境の構築を進めています。

4. 今後の展望
ブラザー販売は、これまでのPhase1~3を通じて、生成AIを活用したコンタクトセンターの高度化に対して「構想策定→検証→導入・展開」という工程を確実に実践されてきました。[HT1] [YI2] ブラザー販売と当社は今後も、Phase4以降の活動を通して、コンタクトセンターの更なる効率化と高度化を両立する「次世代型コンタクトセンター構想」の実現に向けて協働してまいります。
また、当社は、本プロジェクトで得られた技術や知見を活用し、単なる業務効率化やコスト削減に寄与するAI活用だけではなく、AIが顧客接点を量的質的に維持・拡充・サポートしながらも、重要な顧客接点においてはオペレーターが「人ならではの価値」を提供する「テクノロジー×人」の“ハイブリッドCX”を推進することで、良質な顧客体験(CX)を提供することはもちろんのこと、「お客さまの声」という重要な経営資源を企業全体に還元し、商品・サービス改善、顧客エンゲージメントと従業員エンゲージメントの向上の実現に資する、生成AIを基盤としたコンタクトセンター改革の推進に貢献してまいります。
*1次世代型コンタクトセンター構想:プロジェクト始動に関するリリースはこちら
*AI(Artificial Intelligence):人工知能
*BPO(Business Process Outsourcing):企業の業務プロセスの一部を外部の専門業者に委託すること
*CX(Customer Experience):顧客体験
*EX(Employee Experience):従業員体験
*VOC(Voice of Customer):顧客の意見・感想・要望・不満などの顧客の声
*FAQ(Frequently Asked Questions):よくある質問とその回答をまとめ
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