ScalarDB MCP Server 提供の背景
多くの企業では、部門やシステムごとに別々のデータベースが使われており、データが分散・サイロ化しています。これまで、そうしたデータを活用するには、各データベースの構造や仕様を理解したうえで個別にクエリを作成する必要がありました。つまり、高度な専門知識を持つ担当者に依存せざるを得ない状況でした。Universal HTAPエンジン「ScalarDB」は、複数・異種のデータベースを統合的に扱う基盤として、こうした課題を解決してきました。今回リリースする「ScalarDB MCP Server」は、大規模言語モデル(LLM)およびModel Context Protocol(MCP)との連携によって、ScalarDBに対して自然言語による対話的なデータ操作を実現します。これにより、データ活用の効率化と意思決定の迅速化が期待できます。
ScalarDB MCP Server の概要
「ScalarDB MCP Server」は、Model Context Protocol(MCP)を実装したJavaのアプリケーションサーバーであり、Dockerコンテナもしくは実行可能Jarの形式で配布されています。利用者がLLMに自然言語で問い合わせると、ScalarDB MCP ServerがScalarDBを介して複数のデータベースに対する適切な命令(SQLやCRUD処理)を自動的に実行します。
利用例
- 管理部門担当者が「先月の経費支出を部門別に教えて」と聞くと、複数のデータベースから該当データを自動的に集約し、部門ごとの集計結果を表示する
- カスタマーサポートが顧客IDを入力すると、各データベースに分散している購入履歴、問い合わせ履歴、契約情報などを1つの画面に統合して表示する
主な特長
ScalarDB MCP Serverを利用することで、従来のようにデータベースごとに個別のMCPサーバを立ち上げる必要はなく、異種・複数のデータベースへの横断的な問い合わせを容易に実現できます。これにより、システム運用の複雑さを軽減し、データ活用にかかるコストと時間を削減可能です。

ScalarDB MCP Serverの利用イメージ
提供について
「ScalarDB MCP Server」はScalarDB Community EditionおよびEnterprise Editionの両方でご利用いただけます。
今後の展望
今後は、分析コンポーネントである「ScalarDB Analytics」に対する自然言語問い合わせへの対応や、リモート環境でのMCPサーバ利用時に必要となる認証・認可機能を提供する予定です。これにより、企業はセキュアかつ柔軟にAIとデータを統合できる環境を構築でき、より高度なデータ活用と迅速な意思決定を実現できます。Scalarは、引き続き「AIネイティブな次世代データ基盤」の実現に向けて取り組んでまいります。
【株式会社Scalarについて】
株式会社Scalarは、「データマネジメントの未来を創る」をミッションとし、東京とサンフランシスコに拠点を持つ、2017年設立の日本発グローバルスタートアップです。複数・異種のデータベースを仮想的に統合し、トランザクションや分析問合せを実現するUniversal HTAP エンジン「ScalarDB」と、データの真正性の課題を解決するデータ改ざん検知ソフトウエア「ScalarDL」の開発・販売をしています。詳細はウェブサイトをご覧ください。
※ 記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
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