高輝度・高精細でリアルな映像を空中に表示するディスプレイ「CielVision」を開発 - PR TIMES|RBB TODAY
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高輝度・高精細でリアルな映像を空中に表示するディスプレイ「CielVision」を開発

多様なXRソリューションの創出を通じて、安心・安全で豊かな社会の実現に貢献


空中ディスプレイ「CielVision」(2D)の適用例(イメージ)

 三菱電機株式会社は、独自の空中プロジェクション光学技術にデジタル映像処理技術を融合した新たなデジタル光学技術により、高輝度・高精細でリアルな映像を空中に表示する空中ディスプレイ「CielVision(TM)(シエルビジョン)」を開発しました。空中映像の大幅な視認性向上と、表示装置のスリム化を実現し、さまざまなシーンに適用可能な新たなXR(※1)ソリューションを創出します。
 近年、デジタル技術の進展などを背景に、利用者に高い臨場感と没入感を提供できる空中ディスプレイが注目を集めています。空中ディスプレイの多くは、コストの低い再帰反射方式(※2)を採用していますが、光損失の大きい再帰反射材やハーフミラーを使用するため映像が暗く、解像度が低下するため視認性が低いという課題があります。また、等倍光学系(※3)であるため、大きな映像を表示するにはその分大きな表示装置が必要となることから、適用範囲が限られていました。
 当社は今回、自由曲面ミラー(※4)1枚のみで、クリアな映像を空中に表示することを可能にした独自の空中プロジェクション光学技術に、空中映像の歪曲を補正するデジタル映像処理技術を組み合わせることで、高輝度・高精細で歪みのない空中映像表示を実現するディスプレイ「CielVision」を開発しました。本ディスプレイは、2D表示に加え、空中映像重畳機能により両目に視差画像(※5)を同時に表示することで、裸眼で視認可能な3Dでの空中映像表示を実現しました。また、従来方式を採用した空中ディスプレイに比べてスリム化を実現できたため、可搬性にも優れています。
 本技術により、従来は適用が難しかったシーンへの空中映像の適用が可能になります。例えば、高輝度であることが求められる屋外、また、壁や頭上だけでなく通路の中央など、利用者の視界により近い任意の空間への案内表示などが可能となるため、道路や公共機関の案内表示などに本技術を適用することで、利用者の直感的な意思決定をサポートするなどの活用を見込んでいます。さまざまなシーンに適用可能な新たなXRソリューションを創出し、安心・安全で豊かな社会の実現に貢献します。
 本開発成果の一部を、「CEATEC 2025」(10月14日~10月17日、於:幕張メッセ)に出展(※6)
します。「CEATEC 2025」では、ゴーグルやヘッドセットなどのウェアラブル機器を装着することなく、空中映像の立体感を楽しむことができる「CielVision(3D)」が体験できます。

■開発の特長
1.独自の空中プロジェクション光学技術とデジタル映像処理技術を融合したデジタル光学技術により、高輝度・高精細・高品位な空中映像表示と装置のスリム化を実現
・独自の空中プロジェクション光学技術により最適化設計した自由曲面ミラー1枚のみで、軸外し光学系(※7)の課題であった視野角内の映像表示位置のばらつきを低減し、視認性の高い空中映像表示を実現。ミラーのみの光学系であるため、再帰反射材やハーフミラーを用いる従来方式に比べて光利用効率を約400%向上し、映像の高輝度・高精細化も実現
・空中プロジェクション光学系特有の空中映像の歪曲を、デジタル映像処理技術によりソフトウエアで補正することで、歪みのない高品位な空中映像表示を実現
・大きな映像を表示したい場合でも、表示装置や装置間の配置距離を大きく確保する必要がないため、従来製品に比べて表示装置のスリム化を実現。表示装置の可搬性を改善し、適用範囲の拡大に貢献

空中ディスプレイの方式比較


デジタル映像処理技術による空中映像の歪曲補正(イメージ)


2.裸眼で視認可能な3D空中ディスプレイを実現
・2Dの空中ディスプレイ技術を応用した空中映像重畳機能により、2枚の空中映像を同一空間に生成
・高輝度・高精細でゆがみのない視差画像を対応する左右の目に表示させることで、ゴーグルなどを装着することなく、裸眼で視認できるリアルな3D空中映像表示を実現

空中ディスプレイ「CielVision」(3D)イメージ


■今後の予定・将来展望
 逆走防止など高速道路の安全性向上を目的としたソリューションや、次世代の自動車向けHMI(※8)や車内エンターテイメント、医療現場における手術支援用非接触HMI、イベントや展示会などにおけるリアルな没入感の演出など、新たなXRソリューションの創出と提供を目指します。

■商標関連


■三菱電機グループについて
 私たち三菱電機グループは、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献します。社会・環境を豊かにしながら事業を発展させる「トレード・オン」の活動を加速させ、サステナビリティを実現します。また、デジタル基盤「Serendie(R)」を活用し、お客様から得られたデータをデジタル空間に集約・分析するとともに、グループ内が強くつながり知恵を出し合うことで、新たな価値を生み出し社会課題の解決に貢献する「循環型 デジタル・エンジニアリング」を推進しています。1921年の創業以来、100年を超える歴史を有し、社会システム、エネルギーシステム、防衛・宇宙システム、FAシステム、自動車機器、ビルシステム、空調・家電、デジタルイノベーション、半導体・デバイスといった事業を展開しています。世界に200以上のグループ会社と約15万人の従業員を擁し、2024年度の連結売上高は5 兆5,217 億円でした。詳細は、www.MitsubishiElectric.co.jpをご覧ください。

※1 Extended Realityの略で拡張現実を指す
※2 入射した光が再び入射方向へ帰る反射方式
※3 被写体を同じ大きさで結像する光学系のこと。表示デバイス(光源)と空中映像の大きさが等倍で、光学素子から表示装置および空中映像までの距離も等しくなる
※4 自由曲面を反射面とする光学素子のこと。複雑な曲面をもち、光の反射を精密に制御することが可能
※5 異なる視点から見たときの画像で、主に立体視や3D映像の生成に用いられる
※6 2025年9月10日広報発表 https://www.MitsubishiElectric.co.jp/ja/pr/2025/pdf/0910-a.pdf
※7 光学素子を光軸からずらして配置する光学系で、高度な光学設計が求められる
※8 Human Machine Interfaceの略で、人と機械が情報をやり取りする手段やその装置、ソフトウエアなどの総称

<お客様からのお問い合わせ先>
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所
〒661-8661 兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号
FAX 06-6497-7285
https://www.MitsubishiElectric.co.jp/corporate/randd/inquiry/index_at.html

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