女優・米倉涼子の名前が、韓国でたびたび取り上げられている。
その理由の一つが、彼女の代名詞ともいえるドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』だ。この秋、韓国で生まれ変わる。
しかも主演を務めるのは、『涙の女王』で日本でも高い知名度を誇るキム・ジウォンだ。
ただ、韓国メディアが注目しているのは、期待作の原作主演女優だからという理由がすべてではない。
では、なぜなのか。
『ドクターX』が韓国で本格始動
韓国SBSで10月放送予定の『ドクターX:白いマフィアの時代』(原題)は、日本版『ドクターX』を原作とするリメイク作品。キム・ジウォンは、米倉が演じた大門未知子にあたる天才外科医ケ・スジョン役を務める。

8月31日には、韓国版『ドクターX』の台本リーディング現場が公開された。
韓国版は、“メディカル・ノワール”として再構成されるという。主人公ケ・スジョンは、医師派遣紹介所から大学病院へ送り込まれる天才外科医。不正や腐敗、病院内の上下関係を圧倒的な実力で打ち破っていく人物で、“手術室の狂犬”という強烈な異名まで持つ。
大門未知子の「群れない」「権威に屈しない」「腕一本で巨大組織と渡り合う」というキャラクターを、よりダークヒーロー色の強い人物像へ再構成した形と見られる。
主演のキム・ジウォンは『涙の女王』で世界的な人気を獲得した女優だ。その彼女が、米倉涼子の代表作を韓国でどう受け継ぐのか。日本の視聴者にとっても気になるリメイクになりそうだ。

さらにもう一本ある。
イ・ジェフン、ハヨンらが出演する『勝算あります』は、米倉涼子主演『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』を原作とする作品だ。
元弁護士を中心に、寄せ集めの法律事務所が勝ち目の薄い争いに挑んでいく物語で、2027年2月の編成が予定されていると報じられている。
『ドクターX』に続いて『リーガルV』。米倉主演作が相次いで韓国で生まれ変わろうとしているわけだ。
だが、最近の韓国メディアで米倉の名前が浮上した理由は、それだけではなかった。
ハヨン騒動から「原作女優にも問題があった」
きっかけとなったのは、『勝算あります』に出演する女優ハヨンをめぐる騒動だった。

ハヨンをめぐっては、曽祖父アン・サンホの“親日”論争が起きた。当初、事務所側は「事実無根」としていたが、その後、関連する記録が確認され、ハヨン本人も謝罪した。
その影響で、ハヨンに批判が殺到。撮影中だった『勝算あります』にも関心が集まり、出演継続をめぐる報道まで相次いだ。
すると韓国メディアの視線は、作品の原作へと向かった。
例えば『ニュースエン』は、『勝算あります』をめぐる記事で、「原作俳優にも騒動があった…薬物疑惑が再注目」という趣旨の見出しを掲げた。『MHN』も、「日本原作の女優、ハヨンに劣らぬ騒動」と、かなり刺激的な表現で米倉涼子の過去を取り上げていた。
米倉は2025年、違法薬物をめぐる疑惑で捜査を受けていたことが報じられた。その後、2026年1月に不起訴処分となっている。
つまり、ハヨンの騒動をきっかけに『勝算あります』が注目され、その原作である『リーガルV』に視線が移り、さらに原作主演の米倉涼子にまで関心が広がった形だ。
韓国では「日本のトップ女優」として紹介
もっとも、米倉涼子が韓国でまったく知られていなかったわけではない。
今年1月、違法薬物疑惑をめぐる捜査が報じられた際には、JTBCが「日本のトップ女優」と紹介。別の韓国メディアも『ドクターX』主演女優として米倉の名前を大きく扱った。

少なくとも韓国メディアでは、「日本のトップ女優」「『ドクターX』主演女優」として紹介される存在だ。そこへ今度は、『ドクターX』と『リーガルV』という代表作2本の韓国リメイクが重なった。
興味深いのは、米倉涼子自身が韓国進出をしているわけではないことだ。
韓国ドラマに出演するわけでもなければ、韓国で大々的な活動を始めたわけでもない。それでも、『ドクターX』と『リーガルV』という彼女の代表作が相次いで韓国へ渡り、それぞれ別の俳優、別の演出、別の社会背景をまとって生まれ変わろうとしている。
そして作品が注目されるたびに、原作主演として米倉涼子の名前も呼び起こされる。ときには「日本のトップ女優」として紹介され、ときには過去の騒動まで再び記事になる。
本人より先に、“米倉涼子が主演してきた作品たち”が韓国へ渡った。そして今、その作品を入り口に、原作主演女優である米倉本人まで改めて注目されている。
10月に始まる韓国版『ドクターX』がどのような反応を呼ぶのか。その評価次第では、韓国で「米倉涼子」という名前を目にする機会は、これからさらに増えていくのかもしれない。
■【写真】『涙の女王』キム・ジウォン、“激やせ”ぶりに心配の声



