現在のグローバル音楽シーンにおいて、K-POPはもはや一過性のブームではない。
その象徴とも言えるのが、世界を席巻するBTSやSEVENTEENといったボーイズグループだろう。
特に、メンバー全員が兵役を終えて活動を再開したBTSは、再び世界的な話題をさらっている。彼らがビルボードを席巻し、世界の音楽チャートの常連となるたび、K-POPの影響力の大きさが改めて示される。
しかし、この巨大な成功の源流をたどると、必ず行き着く存在がある。1998年にデビューした6人組男性グループ「SHINHWA(神話)」だ。
大手芸能事務所SMエンターテインメントから、H.O.T.やS.E.S.に続く次世代の旗手として送り出された彼らは、野性味あふれる肉体美と一糸乱れぬダンスパフォーマンスを武器に独自の地位を築いた。代表曲『T.O.P』『Perfect Man』などのパフォーマンスは、後世のアイドル文化にも多大な影響を与えたと言われている。

何より彼らを特別な存在にしているのが、その“持続性”だ。韓国アイドル界には、契約更新のタイミングで解散や脱退が相次ぐ“7年のジンクス”という言葉がある。しかしSHINHWAは、事務所移籍や商標権問題を乗り越え、自ら「SHINHWAカンパニー」を設立。メンバーの交代なく25年以上にわたりグループを維持してきた。
積み重なったスキャンダル
しかし、四半世紀を超える活動の歴史は、同時に数々のスキャンダルや法的トラブルの積み重ねでもあった。かつて“理想の長寿グループ”と称えられた彼らだが、今やそのイメージは大きく変質している。メンバー6人中5人が何らかの法的、あるいは道徳的問題を抱えた過去を持つという、極めて特異な状況に直面しているからだ。
特に社会的な指弾を浴び続けているのが、繰り返される飲酒運転の問題である。
メインボーカルのシン・ヘソンは、グループの存続すら危うくする深刻な不祥事を繰り返している。2022年、彼は酒気を帯びた状態で他人の車を運転し、道路上で停車したまま眠り込んでいるところを現行犯逮捕された。警察による飲酒測定を拒否した末、最終的には執行猶予付きの有罪判決を受けている。

さらに彼には、過去にも常習賭博や飲酒運転での摘発歴がある。現在は主要テレビ局の出演規制リストに含まれるなど、表舞台に立つアイドルとしては致命的な状況だ。また、交通面での不祥事は彼一人に留まらない。イ・ミヌは過去に無免許運転、チョンジンも飲酒運転で摘発されており、メンバーの複数が重大な交通違反を犯している。
グループの顔であるメンバーたちが、社会の基本規範である交通法規を軽視し続けてきた歴史は、もはや「個人の不注意」という言葉では片付けられない。これはグループ全体のコンプライアンス意識、ひいては規範意識の欠如として指弾されても仕方のない惨状と言えるだろう。
また最近、道徳的な観点から激しい論争を呼んだのがキム・ドンワンの発言だ。彼はSNSを通じて、過去に未成年者への性犯罪で実刑判決を受けた人物を擁護するかのような姿勢を見せ、猛烈な批判を浴びた。さらに「性売買を認めて管理すべきだ」といった趣旨の持論も展開。女性ファンに支えられるアイドルという立場を鑑みれば、あまりに思慮を欠いた振る舞いとして受け止められた。

加えて、末っ子のアンディは2013年に巨額の違法スポーツ賭博事件に関与し、略式起訴されて長期の自粛を余儀なくされた。前出のイ・ミヌについても、2019年には強制わいせつの疑いで立件される騒動(後に無嫌疑)を起こしている。
メンバー6人中5人が何らかの問題に関わっているという事実は、このグループが抱える残酷な現実を物語っている。
苦悩するリーダー
こうした度重なるメンバーの問題行動に、最も頭を悩ませてきたのはリーダーのエリックだろう。彼はグループを守るため商標権問題の最前線に立ち、かつての所属事務所との権利争いを先頭に立って戦い抜いてきた。グループの維持こそが、彼にとっての誇りでもあったはずだ。
しかし、2023年以降、彼の姿はどこか疲弊しているようにも見えた。かつての洗練されたトップスターの面影は薄れ、そこには重い責任感に押しつぶされそうな一人の男の姿があった。メンバーたちの不祥事が続くたび、リーダーとしての責任を一身に背負い、精神的な負担を抱えてきたことは想像に難くない。

弱肉強食のK-POP業界において、30年近く同じメンバーで存続しているグループは極めて稀だ。SHINHWAが築いたキャリアは、確かに韓国アイドル史における重要な一章であり、彼らの楽曲が色褪せることはない。
しかし、2026年現在の状況は極めて厳しい。グループ活動は事実上の停止状態にあり、メンバーそれぞれの個人活動が中心となっている。度重なる犯罪歴や不適切な発言により、地上波テレビへの出演すらままならないメンバーを複数抱えた現状では、節目での“完全体復活”はもはや叶わぬ夢に近い。
SHINHWAはその名の通り、誰も触れることのできない、本当の“神話”になってしまったのかもしれない。



