それぞれに負けられない理由がある。
3月1日、AFC女子アジア杯が開幕した。グループAに入った韓国女子代表(FIFAランキング21位)は2日のイラン戦を皮切りに、フィリピン、オーストラリアと対戦する。
客観的に戦力だけを見れば準々決勝進出は比較的堅いとみられるが、本当の勝負はその先だ。日本(8位)、北朝鮮(9位)などの強豪が待ち構えるトーナメントで、果たして生き残れるかが焦点となる。
実際、4年前のインド大会では史上初の決勝進出という成果に拍手が送られた。当時は組み合わせにも恵まれ、環境が厳しいという認識もあったため、成績に対するプレッシャーも比較的少なかった。しかし、今回は状況が180度異なる。
大会開幕前に浮上した「待遇論争」が、ファンの応援する気持ちを大きく揺さぶったためだ。
ビジネスクラス、ブランド品を要求の韓国女子
発端は一部選手による声明だった。男子代表との待遇差を是正してほしいとして「ビジネスクラスの提供」を求め、これが受け入れられなければアジアカップを「ボイコットする可能性」まで示唆した。
最終的に韓国サッカー協会は主要国際大会の本大会に限りビジネスクラスを提供することで合意したが、ファンの反応は冷ややかだ。「観客動員力や人気では比較にならないのに、待遇だけ同じに求めるのは過剰だ」といった指摘も出ている。
さらに、ベテランのチョ・ソヒョン(38)のSNS投稿が、こうした世論に油を注いだ。中国女子代表が高級ブランド「プラダ」の公式ユニフォームを着用するというニュースに対し、「韓国にはこういうのはないのか」と投稿したためだ。

ビジネスクラス論争で世論が敏感になっている状況のなか、「私たちにも高級ブランドを着せてほしい」と不満を述べたかのように受け止められた。論争拡大後もチョ・ソヒョンは特段の説明を行っていない。
その結果、今回の韓国女子代表に対する世間の認識は、「ビジネスクラス要求」や「高級ブランドユニフォーム発言」といったピッチ外の議論に大きく占められている。
代表としての誇りよりも“待遇”を前面に出したかのようなベテランの言動に、ファンの視線は厳しい。もしも今大会で結果を示せなければ、女子サッカーは同情票さえ得られない状況に陥る可能性もある。
すでに賽は投げられた。“ビジネスクラス”でオーストラリア入りし、最終調整を行っている代表チームに残されたのは、実力で証明することだけだ。
対照的なイラン
一方、ビジネスクラスやプラダのユニフォーム騒動で話題となった韓国とは対照的に、イラン女子代表は国家的な危機に直面している。最近、アメリカとイスラエルによる大規模な空爆がイラン本土を襲い、最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師が死去した。国家の危機的状況のなか、イラン女子代表はすでにオーストラリア入りしているが、混乱は避けられない状況だ。
それでも、イラン女子代表は強い闘志を燃やしており、AFCも全面的な支援を約束している。AFCは「大会に参加しているイラン女子代表および関係者と緊密かつ継続的に連絡を取り、全面的な支援とサポートを提供している」と明らかにした。
前日の記者会見に出席したイランのマルジエ・ジャファリ監督は「今回の大会はイラン女性の潜在能力を示す機会だ」と語り、「リーグ終了後に3度のトレーニングキャンプを行い、オーストラリアでも有意義な準備を進めてきた。良い試合を見せたい」と強調した。
戦う理由は違うが、それぞれが勝利を求めている。ピッチ外の問題が試合にどのような影響をもたらすのか。
(記事提供=OSEN)



