TBS日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』が韓国でも注目を集めている。
2019年にJRA(日本中央競馬会)馬事文化賞を受賞した作家・早見和真氏の同名小説を原作とする作品。
【独自写真】『ザ・ロイヤルファミリー』出演の目黒蓮が韓国に!
2025年秋クールに日本で放送された本作は、韓国ではNetflixで配信された。
主人公・栗栖栄治役を演じた妻夫木聡をはじめ、馬主役の佐藤浩市、黒木瞳など日本を代表する実力派俳優が多数出演し、平均視聴率10.6%を記録した。
「馬そのものではなく、その馬の背後にいる人を信じて投資する」という信念を持つ馬主・山王剛三は、単なる富裕層の馬主ではなく、人と馬の関係に対する深い哲学を持つ人物として描かれる。主人公の栗栖栄治は、企業の依頼を受け、競馬事業部の財務構造を調査するため競馬の世界に足を踏み入れる税理士だ。
当初は競走馬をコストのかかるリスク資産程度にしか見ていなかったが、調査のために訪れた北海道・日高の牧場で、競馬産業が単なる勝敗の世界ではなく、人と馬、地域、そして時間が複雑に絡み合う生態系であることを理解していく。

作品の中心にはスター競走馬ではなく、成功と挫折を繰り返す多くの馬と、それを支える人々の姿が並行して描かれる。期待を集めながら結果を残せなかった馬、負傷によって早期引退を余儀なくされた馬、長い年月を経てようやく注目される馬など、人間と同じように多様な“馬生”が、静かな視線で描かれている。
物語は日本競馬最高峰のレース「有馬記念」への挑戦とともに盛り上がるが、クライマックスは優勝シーンではない。
劇中の競走馬名であり、同時に競馬産業に献身する人々を象徴する言葉でもある「ザ・ロイヤルファミリー」。彼らは華やかな勝利だけを称賛しない。継続性と責任を重んじ、馬産業における「ロイヤルファミリー」とは血統や巨大資本ではなく、馬の一生を支える人々の集まりであることを静かに提示している。
このドラマは、動物と人の絆や逆境を乗り越える感動物語にとどまらない。韓国の馬産業が進むべき方向についても、重要な示唆も与えている。
韓国競馬界が推進する“福祉”
韓国競馬産業と馬産業の中心的存在である韓国馬事会は、2014年に馬保健福祉委員会を発足させて以来、馬の福祉意識向上と福祉の空白地帯の最小化に向け、多角的な取り組みを進めてきた。現在はソウル、釜山慶南の馬主協会と共同で、100億ウォン(約10億円)規模の「サラブレッド福祉基金」を造成中だ。
国家行政機関の農林畜産食品部と連携し、馬保護モニタリングセンターの運営、負傷馬の手術やリハビリ支援など、実情に即した福祉政策を推進している。
共に生活するペットの福祉基準と比べれば十分でないと感じられる面もあるが、産業動物の生涯全体を見据えた体系的管理と人道的処遇を両立させる、現実的な基盤作りが進められている。
劇中、負傷によって早期引退した競走馬が新人騎手の教材であり、パートナーとなるように、引退した競走馬を乗馬用へと転換し、人とともに活発な第二の人生を送れるようにする転用訓練にも力が注がれている。
それぞれの理想論ではなく、現実に根差した実効性のある馬福祉が段階的に整備されていくことで、韓国の馬産業の基盤がより強固になっていくことが期待されている。
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