前所属事務所の50代女性理事A氏から強制わいせつの疑いをかけられていたボーイズグループOMEGA Xのメンバー、フィチャンが嫌疑を晴らした。
ソウル東部地検が12月11日付で、フィチャンに対し、強制わいせつの「嫌疑なし」として不起訴処分を下していたことが明らかになった。
検察は不起訴決定書を通じて、「告訴人(A氏)が提出したCCTV映像は、全体の原本ではなく、6秒、9秒、11秒分に編集されたファイルにすぎず、当該映像だけで被疑者(フィチャン)が告訴人を強制的にわいせつ行為に及んだと断定することは難しい」と明らかにした。
続けて、「捜査過程で告訴人側に対し、編集された映像ではなく全体の原本を提出するよう要請したが、告訴人はこれに応じず、編集を行ったとされる職員は主要参考人であるにもかかわらず、複数回の出席要請にも応じなかった」と説明した。
さらに「告訴人がOMEGA Xのメンバーに対し、相当に重い水準の暴言や罵倒を行っており、メンバーらが心理的に萎縮していた状況が認められる。CCTVを確認しても、告訴人の要求や圧力に従って行動した可能性を排除できず、これをもってわいせつ行為と見るのは難しい」と判断した。

メンバーと女性理事による葛藤
一連の騒動の発端は、2022年にさかのぼる。同年11月、OMEGA Xは記者会見を開き、所属事務所SPIREエンターテインメントのA氏からセクハラを受けていたことを涙ながらに明かした。
メンバーたちは「(A氏は)練習が終わった僕たちを呼んで酒を飲ませ、セクハラ発言、太ももや手を触り、顔を近づけるなど、常習的にセクハラをした」と証言した。2023年8月、OMEGA XメンバーはA氏を告訴した。

警察は、A氏がメンバー6人を強制わいせつした容疑が認められるとし、この事件を起訴意見で検察に送致した状態だ。
これに対し、2024年3月にはSPIREエンターテインメント側が「OMEGA X強制わいせつ事件」記者会見を行い、映像まで公開しながら、むしろA氏がメンバーのフィチャンから強制わいせつを受けたと主張。A氏はフィチャンを告訴した。

これを受けてフィチャンもA氏を強制わいせつで告訴したが、警察はこれを不送致とした。一方で今回、フィチャンがA氏に強制わいせつしたという嫌疑も晴れた。
12月16日に放送された『事件班長』に出演したフィチャンは、事件当日の状況について、「2人きりで残された場で、暴言や脅しが続き、拒否したにもかかわらず身体的接触を強要された。とても怖く、屈辱的で、逃げるようにその場を離れた」と主張した。
さらに「相手は自らを『母親』と呼び、愛情表現を強要し、『芸能界を辞めたいのか』という言葉を繰り返した」と述べ、「正直、嫌悪感を覚えた」と表現した。
なお、A氏は強制わいせつの容疑だけでなく、メンバーに対する暴行の容疑でも追及されている。
2022年10月ごろ、OMEGA Xのロサンゼルスツアー公演直後にメンバーのジェハンに暴行を加えたとして、今年7月の1審で罰金50万ウォン(約5万円)の判決を言い渡された。A氏は「訓戒しただけだ」として控訴している。
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