NPB通算66勝のベテラン投手・武田翔太が韓国SSGランダースに入団した。10月にソフトバンクから戦力外通告を受けた後、アジア枠を通じて隣国に新天地を求めた。まさに危機がチャンスに転じた形だ。
SSGは11月16日、武田の獲得を正式発表した。球団は今年8月に行われたソフトバンク二軍の練習試合で武田の投球をチェックしたとし、「当時はバランスが完璧ではなかったが投球感覚が生きており、経験が感じられた」と振り返る。この試合で先発登板した武田は4回無失点、最速147kmを計測したと関係者は語る。
武田は韓国の野球ファンにも比較的なじみ深い存在だ。
侍ジャパンにも2015年WBSCプレミア12と2017年WBCの2度選ばれ、ソフトバンクに14年在籍してNPB通算217試合66勝48敗、防御率3.33を記録。先発とリリーフの双方で実績を残してきた。ただ近年はケガの影響で存在感が薄れ、直近2シーズンは一軍登板がなく、最終的に戦力外通告を受けていた。

そこで、韓国で来季から導入されるアジアクォーター制度が、武田にとって大きな追い風となった。SSGを含む複数球団が獲得レースに乗り出し、最終的に武田はSSGを選択。海外スカウトは「当時の彼は高額年俸クラスの選手で、放出の可能性も少ないと判断していた」とし、「他の候補と交渉していたところ、武田のニュースを聞いてすぐ連絡を取った」と明かす。
コンディションも問題ないようだ。武田は2024年4月にトミー・ジョン手術を受けたが、現在は完全に回復したと球団は説明する。「負傷当時、同じ年頃と負傷部位を経験したムン・スンウォンに回復過程を尋ねてみた。2年経てば痛みはほとんど消え、以前の状態に戻ると聞き、獲得に踏み切った」とスカウト側は語った。

武田本人も韓国行きは意外だったという。「チームに必要だと言われて心が動いた。特にキム・ジェヒョンGMが直接会いに来て、獲得を提案してくれたことが印象的だった」と語った。
自身の武器にはカーブを挙げ、「手術後のリハビリも順調に終えた」と強調。「来季に向けて体を作っている。投球メカニクスやピッチングデザインに重点を置いている。緩急の調節と試合運びが自分の強みだ」と自信を見せた。
すでに2026年シーズンに向けた準備も進めている。鹿児島で若手中心にキャンプのチームを訪れ、イ・スンヨン監督やコーチ陣と対面。来年1月末にはフロリダで行われる春季キャンプに合流する予定だ。

武田は「最大の目標はチームの優勝。個人の成績より、チーム全体が一つになって勝つことが大事だと思っている。優勝に貢献できるよう最善を尽くしたい」と意気込みを語った。
韓国で迎えるプロ15年目のシーズン。武田の活躍が隣国から聞こえてくることを願うばかりだ。
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