BTS・RMの寄付をきっかけに集まった10億ウォン(約1億円)の使途が確認できないことが分かり、韓国で波紋を呼んでいる。
RMは2023年9月、兵役中に迎えた自身の誕生日に「制服勤務者感謝キャンペーン」に賛同し、報勲基金に1億ウォン(約1000万円)を寄付。「現場で多くの方々の献身を感じている。今も国のために尽くすすべての英雄の方々に、少しでも力になれれば」とコメントしていた。
これを受け、当時のカン・ジョンエ国家報勲部長官は「RM氏が軍服を着て国防の義務を果たす姿は多くの若者の手本」と述べ、寄付金は国家有功者や遺族の支援に充てられると説明していた。
その後、報勲部はRMの寄付を“模範事例”として大々的に広報。寄付者は約2000人に増え、総額は10億ウォン(約1億円)に達した。
しかし、韓国放送局『JTBC』の報道によると、国家報勲部は寄付者が指定した用途に資金が使われたかを把握できていないという。国家報勲部は、国への貢献者や退役軍人に関する政策の立案と実施を担う政府機関だ。
現行制度では、すべての寄付金が「国家有功者支援口座」に一括で入金される仕組みとなっており、寄付者が希望した分野に資金が充てられたかどうかを確認することはできない。報勲部は昨年、「国民参加を促す」として政令を改正し、「老後福祉」「医療支援」「自立支援」など分野別に寄付を選べる制度を導入したものの、実際には資金の区分管理は行われていない。

同部の関係者は「細かな執行までは難しい」と認め、「寄付範囲が限られていることを理解しながらも、広報目的で制度を改正した」と釈明した。
◇RM プロフィール
1994年9月12日生まれ。本名キム・ナムジュン。2013年6月にBTSとしてデビュー。グループ内ではリーダーとメインラッパーを担当しており、英語が堪能な頭脳派でもある。BTSメンバーの中で最初にBig Hitエンターテインメントに加入したのがRMで、事務所代表のパン・シヒョクはBTSのデビューの経緯について「RMのような子はデビューさせなければいけないと思った。BTSを作ったきっかけは彼だ」とコメントしている。最年少メンバーのJUNG KOOKも「事務所見学の際にRMのラップに惹かれて事務所に入った」と明かしており、実力とカリスマ性を兼ねそなえた人物といえる。兵役のため2023年12月に入隊。2025年6月10日に除隊した。