娘を奪われた母「私はすでに死んだも同然」…韓国気象キャスターの悲劇とTV業界の闇に断食で抗議 | RBB TODAY
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娘を奪われた母「私はすでに死んだも同然」…韓国気象キャスターの悲劇とTV業界の闇に断食で抗議

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娘を奪われた母「私はすでに死んだも同然」…韓国気象キャスターの悲劇とTV業界の闇に断食で抗議
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職場でのいじめを苦に亡くなった気象キャスター、故オ・ヨアンナさんの母親がMBC本社前で断食に入った。

9月8日午前11時、ソウル・麻浦区上岩洞(マポグ・サンアムドン)のMBC新社屋前では、オ・ヨアンナさんの遺族や関連労組など計44団体が「追悼週間闘争宣言記者会見」を開いた。

非正規職労働者の人権団体「エンディングクレジット」のチン・ジェヨン執行委員長は、「7月30日に遺族がMBCのアン・ヨンジュン社長と面会し、8月22日には遺族や『職場パワハラ119』と共に再び協議の場を持った。その際、公開謝罪や再発防止策の策定、気象キャスターの正社員化、MBC内フリーランスの実態調査などを要求した。しかしMBCは誠意ある対応を見せていない」と批判した。

「煮えたぎるような時間の中で」

「追悼週間闘争宣言記者会見」
(写真提供=OSEN)「追悼週間闘争宣言記者会見」の様子

さらに「MBCはロビーに献花台を設置したが、遺族や我々には一切知らせなかった。今日を機にオ・ヨアンナさんの一周忌追悼週間闘争を宣言し、母親が断食を始める。ヨアンナを覚えている人々、テレビ業界のフリーランス問題の解決を求める人々に連帯を呼びかける。二度と同じ悲劇が起きないよう、非正規職を量産し差別するシステムを変える闘いに加わってほしい」と訴えた。

参加者らは「MBCは再発防止策を用意せよ」「故オ・ヨアンナ問題を放置するMBCを糾弾する」と声を上げた。

最後にマイクを握った母チャン・ヨンミ氏は、涙ながらにこう語った。「ヨアンナが逝ってから1年が経とうとしている。煮えたぎるような時間の中で、どうにか生き延びてきた。娘が残した思いがあるから、再会したとき恥ずかしくない母でいようと必死に耐えてきた」

オ・ヨアンナさん
(写真提供=OSEN)オ・ヨアンナさん

続けて「ヨアンナはいつも自分で道を切り開く子だった。MBCを受験していたことすら知らなかったが、合格通知を受け取った時は抱き合って泣いて喜んだ。入社後すぐに先輩から辛く当たられていると聞いた時も“我慢しなさい”と諭した。だが状況は改善せず、先輩に直接お願いに行こうかと思った。それでも娘が“自分でやる”と言ったので信じた。まさかこんな悲惨な結末を迎えるとは夢にも思わなかった」と嗚咽した。

さらに「娘を死に追いやった先輩やMBCの態度はあまりにも非道だった。若い女性の血を絞り、骨を削って番組を作っていた。うちの子は本当に生きたかった。働きたくて必死にもがき、夢があるからと続けた娘が、この世を去った。それでも責任を取る者は誰もいない。MBCは訃報すら出さず、社内調査の結果も公開しなかった」と憤った。

「MBCと二度面会して要求を伝えたが、誠意も解決の意志も感じられなかった。あまりに屈辱的な視線を向けられた。ヨアンナの一周忌を前に、私は断食に踏み切る。娘を失い、毎日が苦痛だ。ヨアンナのいない世界で私はすでに死んだも同然。無念に逝った子の思いを胸に断食を続ける」と続けた。

加害者の一人とは訴訟中

「追悼週間闘争宣言記者会見」
(写真提供=OSEN)チャン・ヨンミ氏

そして「MBCを許せない。人の命は宇宙にも等しい。だがMBCは何年も働いたフリーランスや非正規職を虫けらのように扱った。闘って分かったのは、苦しんでいたのはヨアンナだけでなく、業界の多くの若者たちも同じだったということ。娘に会いたくて毎日が辛い。どう生きればいいのか分からない。助けてほしい。一周忌を迎える前に問題が解決され、MBCで二度と同じ悲劇が繰り返されないよう願う。私はヨアンナの無念を晴らし、胸を張れる母親になる」と訴えた。

記者会見後、現場にはオ・ヨアンナさんの献花台が設置され、母親らが涙ながらに弔問客を迎えた。

オ・ヨアンナさんは2021年からMBCで気象キャスターとして活動していたが、2023年9月15日にこの世を去ったことが判明。遺族によれば、職場でのいじめを訴える17通の手紙を残していた。その後、加害者とされる人物の実名が拡散し、大きな波紋を呼んだ。

雇用労働部はMBCに特別労働監督を実施し、「労働基準法上の労働者には該当しないが、いじめとみなせる行為があった」と結論。MBCは「関係者への処分と組織文化の改善を進める」と表明し、通報窓口「共生協力担当官」を新設した。また加害者と名指しされた女性キャスターAとの契約を解除したが、他の3名については再契約を行ったため再び批判を浴びた。

遺族はAに対して5億1000万ウォン(約5000万円)の損害賠償を求める訴訟を起こし、現在も裁判が続いている。

(記事提供=OSEN)

◇オ・ヨアンナさん プロフィール

1996年4月30日生まれ。韓国・光州出身。ソウル芸術大学の文芸創作科を卒業。一時はアイドル練習生を目指し、2017年に行われたJYPエンターテインメントの練習生13期公開オーディションに参加。「Hermoso Beauty賞」を受賞し、副賞として3カ月の受講券を受け取った。同オーディションの同期にNiziUのマコ、Stray Kidsのスンミン、元FANATICSのユンヘなど。以降、2019年5月に行われた韓国の伝統美人を選抜する「全国春香(チュニャン)選抜大会」で「スク」に選出。2021年、地上波テレビ局MBCの気象キャスター公開採用に合格し、同局で活動を続けた。しかし2024年9月15日、28歳でこの世を去った。

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《スポーツソウル日本版》
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