デビューしてそれほど時が経っていないのにグループを脱退するK-POPアイドルが目立つ。
8月19日には、オーディション番組『I-LAND2』を通じて結成されたガールズグループizna(イズナ)のメンバー、ユン・ジユンの脱退が伝えられた。
所属事務所WAKEONEは「ユン・ジユンは健康上の理由で、長らく慎重に悩んだ末に、グループ活動を締めくくることになった。iznaは今後、6人体制で活動していく予定」と発表した。
iznaは昨年11月に正式デビューしたのだが、ユン・ジユンは今年2月から健康上の理由で活動を休止していた。実質、デビュー後にユン・ジユンが活動したのは3カ月ほどといえる。

俳優・豊川悦司の“めい”が所属していることでも知られるMADEIN(メイディン)も、デビューからわずか2カ月後の昨年11月29日、メンバーのガウンが脱退。今年5月にはスヘが活動中断を発表し、難しい状況が続いている。

メンバーが早期脱退したガールズグループは他にもある。NMIXXはデビュー10カ月でジニが、H1-KEY(ハイキー)はデビュー4カ月でシタラが、LE SSERAFIMはデビュー2カ月でキム・ガラムが脱退した過去を持つ。
こうした早期の脱退には、ユン・ジユンのように健康問題が理由とされるケースもあるが、むしろ目立つのは「個人的な事情」ではないだろうか。
例えば、MADEINを2カ月で脱退したガウンは、所属事務所の代表から強制わいせつを受けたと主張しており、事務所トラブルがあったことを示唆している。
また、LE SSERAFIMを脱退したキム・ガラムは、デビュー直後に過去のいじめ問題が表面化したことが大きな理由だった。NMIXXを脱退したジニは、「個人的な事情」とだけ説明されたため具体的な理由は不明だが、さまざまな憶測が飛び交った。

H1-KEYを脱退したタイ出身のシタラも「個人的な事情」と説明されたが、タイメディアなどから彼女の父親(故人)が過去にタイ軍部政権を積極的に支持し、民主主義を破壊したと指摘されたことがあった。
長い練習生期間を経て、ようやくデビューにたどり着いたメンバーたちの早期脱退だけに、「グループ活動の負荷に耐えられなかった」というより、いずれも「個人が抱えていた事情や資質」が決定打になっている。
もちろん、デビュー後に予期せぬ問題が表面化することを完全に防ぐのは難しい。しかし、早期脱退が相次ぐ現状は、事務所の人材選抜やリスク管理に疑問を投げかける。

練習生時代のトレーニングや実力評価に加え、人格的な資質や過去の背景をどこまで確認すべきなのか。アイドルを商品として送り出す以上、事務所側に課せられる責任も小さくはないだろう。
結果として、早期脱退は本人にとってもグループにとっても痛手となる。ファンは落胆し、グループの成長戦略も狂わされる。業界全体の信頼にも影響を及ぼしかねないだけに、「個人の資質」と「事務所の見極め力」は、これからのK-POPにおいてますます重要なテーマになりそうだ。
今後もこうした早期脱退は繰り返されるのか、それとも業界が改善策を打ち出し、リスクを最小化できるのか。K-POPの未来を占ううえで注視すべき課題だ。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
■【写真】存在自体が消されたLE SSERAFIMの元メンバー、復帰へ?約3年ぶりの近況