パリ・サンジェルマンのUEFAスーパーカップ優勝に貢献した韓国代表MFイ・ガンインが“英雄”パク・チソンに並ぶとともに、韓国サッカー界に新たな歴史を築いた。
イ・ガンインは8月14日(日本時間)、イタリア・ウディネのスタディオ・フリウーリで行われたトッテナムとのUEFAスーパーカップで、0-2とリードされた後半40分に反撃の狼煙となるゴールを決めた。
チームはそれまでセットプレーから2失点を許していたが、後半23分に投入されたイ・ガンインが流れを変えた。彼の反撃弾に続き、後半アディショナルタイムにはFWゴンサロ・ラモスが劇的なヘディング弾を叩き込み、試合を振り出しに戻した。
規定により延長戦は行われず、勝負はPK戦に突入。PSGは1人目のMFヴィティーニャこそ失敗したものの、以降のラモス、FWウスマン・デンベレ、イ・ガンイン、DFヌーノ・メンデスは全員成功。一方のトッテナムは3人目のDFミッキー・ファン・デ・フェンと4人目のFWマティス・テルが失敗し、PSGがPK戦を4-3で制しクラブ史上初のUEFAスーパーカップ制覇を果たした。

これまでUEFAスーパーカップの舞台に立った韓国人選手は、2008年にマンチェスター・ユナイテッド所属だったパク・チソンのみだ。当時はキム・ドンジンとイ・ホが所属したゼニト・サンクトペテルブルクと対戦し、結果はゼニトが2-1で勝利。ただ、ゼニトはイ・ホがベンチ外で、キム・ドンジンもベンチ入りするも出場はなかった。
イ・ガンインは韓国人選手として17年ぶりにUEFAスーパーカップのピッチに立った。それだけにとどまらず、韓国人選手として史上初めて同大会でゴールを決め、逆転勝利の立役者となった。
昨季後半からPSGでベンチ要員に回る苦しい時期を過ごし、この夏は多くの移籍報道に揺れた中で残留したイ・ガンイン。チーム内での立場には依然として疑問符がつくものの、この日の活躍はルイス・エンリケ監督の評価を高め、新シーズンへの希望を大きく広げるものとなった。
◇イ・ガンイン プロフィール
2001年2月19日生まれ。韓国・仁川広域市出身。身長174cm。大韓民国のサッカー選手で、サッカー大韓民国代表。幼少期に出演したKBSサッカーバラエティ番組『飛べ、シュットリ』で類まれなる才能を発揮し、“神童”として一躍注目を集めた。2011年にスペインに渡りバレンシア下部組織に入団し、2018年10月にトップチームで公式戦デビュー。2021年夏にフリーでマジョルカに加入、2023年夏にフランスのパリ・サンジェルマンに完全移籍。マジョルカ時代の同僚である日本代表MF久保建英(レアル・ソシエダ)とは同じ2001年生まれで、普段から仲が良いことで知られている。