ドラマが次々とリメイクされ、俳優たちも海を越えて互いの作品に出演する。そんな動きが活発なのが、今の日本と韓国のエンタメ業界だ。
今度は、韓国で2019年に放送された人気ドラマ『ストーブリーグ』の日本版リメイクが制作されるという。
『ストーブリーグ』は韓国放送当時、痛快なストーリーで視聴者の共感を呼び、最高視聴率20.8%を記録するだけでなく、第56回百想芸術大賞のテレビ部門ドラマ作品賞をはじめとする多数の賞を受賞した作品だ。
日本版リメイクの主演は、亀梨和也に決定。監督は、ドラマ『おっさんずラブ』で知られる瑠東東一郎が務める。
公開は2026年とまだ先だが、公開が待ち遠しい作品の情報がまた一つ届いたといえるだろう。

トラブルも増加中?
『ストーブリーグ』、そして現在アマゾンプライムビデオで配信中の『私の夫と結婚して』をはじめとする韓国ドラマの日本リメイクに限らず、日本ドラマの韓国リメイクも少なくない。
長澤まさみが詐欺師を演じた『コンフィデンスマンJP』は、パク・ミニョンの主演で『コンフィデンスマンKR』(原題)として生まれ変わる。こちらは9月に放送予定だ。また、『不適切にもほどがある!』の韓国リメイクも発表されている。
リメイク以外でも、ナ・イヌがTBSの『初恋DOGs』に出演するなど、まさに日韓エンタメ業界の距離が縮まっている状況だ。
しかし残念ながら、それに伴ってトラブルも増加している。
例えば、佐藤健には現在、韓国で「こんなに無礼な日本人俳優は初めて」との批判的な声が上がっている。

彼は韓国で放送中のドラマ『私の夫と結婚して』の日本版で主演を務めており、それと関連して歌手カンナムのYouTubeチャンネル「となりのカンナミ」にゲスト出演した。そこでの態度が問題視された。
佐藤健は登場直後、カンナムに対して「ありがとう」とタメ口で挨拶。年齢を聞かれると「1989年生まれ」と答え、カンナムが「自分は1987年生まれ」と返すと、「じゃあもうほとんど同級生だね」と言いながら笑った。
番組内ではカンナムの対応で、和やかな雰囲気だったものの、一部の韓国視聴者からは「初対面でタメ口は無礼だ」「韓国文化に対する尊重がないように見える」「自分に酔っているような態度だ」「(カンナムより)2歳年下なのにずっとタメ口で不快だ」といった指摘が殺到している。
韓国は日本に比べて、上下関係に厳しい文化が根強い。その文化の違いを意識していなかった佐藤健に、批判の声が上がっているわけだ。「他国の情緒を尊重し、礼儀ある態度を示すことは基本だ」と指摘する韓国メディアもあったほどだ。
文化の違いだけでなく、スキャンダルに巻き込まれる例もあった。
日曜劇場『キャスター』に出演したキム・ムジュンがわかりやすい例だろう。

今年4月の『キャスター』放送当時、『週刊文春』が主演の永野芽郁が、既婚者である田中圭と交際していると報じた。同時に、永野芽郁はキム・ムジュンと二股していたとも伝え、大きな騒動となった。
キム・ムジュン側は即日、「親しい同僚の関係」と伝え、永野芽郁との熱愛説や二股説を否定した。本来であれば、これで彼の議論は収まってもおかしくないだろう。
しかし、この騒動によって、『キャスター』において永野芽郁はこれまで通り出演し続け、キム・ムジュンは事実上の “退場”となった。ほとんど画面に映ることはなくなり、クレジットも消され、降板説が浮上したほどだった。
もともとメインどころの役ではなく、永野芽郁と天秤にかけた場合の判断としては納得しかないが、それでもキム・ムジュンには同情の声が集まった。
近づけば近づくほど、相手の良いところも悪いところも見えてくるのは、どんな関係でも同じだろう。それに伴う騒動やトラブルは、一種の“成長痛”といえるかもしれない。
日韓のエンタメ業界が、その“成長痛”さえも次なる飛躍の糧とする、成熟した関係性を築いていくことを期待したい。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
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