かつて韓国社会に衝撃を与えた「端役女優の姉妹が命を落とした事件」を、ドキュメンタリー番組が改めて掘り下げる。
過去の犯罪に焦点を当てる韓国のドキュメンタリー番組『KCSI: Smoking Gun』。7月23日放送の最新回では、エキストラとしても活動していた女性が不可解な経緯でこの世を去った事件を取り上げる。
『KCSI: Smoking Gun』で紹介、知的障害の女性に性売買させた事件
事件が発生したのは2003年8月28日午後8時過ぎ。母親のもとに「長女がマンションの18階から転落した」との衝撃的な連絡が入った。幼い頃から真面目で落ち着いた性格だった長女は、当時大学院に通っていた。
しかし、ある時期から家族に対して暴力的な言動を見せるなど、目に見える変化が現れていた。彼女の身に、いったい何があったのか。
精神科で治療を受けるようになった長女は、少しずつ胸の内を語り始めた。「班長(現場責任者)にやられた」と語る彼女は、テレビドラマのエキストラとして活動するなかで、関係者から繰り返し性的被害を受けていたという。加害者は少なくとも12人にのぼるとされている。
ただし母親は、「娘を追い詰めたのはそれだけではない」と訴える。やがて明らかになる長女の証言に、番組出演者たちは言葉を失ったという。

出演者の一人であるアナウンサーのアン・ヒョンモは、「なぜこんなことが起きたのか。実際にこうした事実が明らかになったなんて、信じがたい」と声を震わせた。さらにタレントのイ・ジヘも、「お母さまがこの21年間、どれほどの苦しみを背負ってきたのかと思うと胸が締めつけられる。今も遺族が闘い続けていると知り、涙が止まらなかった」と語った。
今回の放送には、長女を失った母親本人も出演し、当時の苦しみや現在まで続く葛藤を語る。また、精神科専門医のチョン・ヨンギョン氏が、長女が“終わりなき苦痛”からなぜ逃れられなかったのかについても分析を加える。
遺族にとっては、決して終わることのない事件。「死のアルバイト~端役女優姉妹事件」編は、7月23日(火)21時45分より放送の『KCSI: Smoking Gun』で明らかになる。