トッテナムがキャプテンの韓国代表FWソン・フンミン(32)の売却を本格的に検討しているという報道が相次いでいる。サウジアラビアから天文学的なオファーが届き、トッテナムも代役獲得に向けた動きが本格化してしているとされ、今夏の移籍が現実味を帯びている。
6月24日(日本時間)、イギリスメディア『トッテナム・ニュース』は「ソン・フンミンが今夏、トッテナムを離れる可能性がある」と報じた。
同メディアは「ソン・フンミンは来る8月3日、ソウルワールドカップ競技場で行われるニューカッスル・ユナイテッドとのプレシーズンマッチに出場する契約上の義務がある。ただ、その前にソン・フンミンが移籍する場合、トッテナムが違約金を支払わなければならない可能性がある」としている。

アメリカのスポーツ専門局『ESPN』で解説を務めるイアン・ダーク氏は「サウジ・プロフェッショナルリーグだけがソン・フンミンに1億ポンド(日本円=約195億円)以上の移籍金を支払えるだろう」としたうえで、「彼はトッテナムで素晴らしい選手だったが、クラブにとってこの金額は無視できない」と語っている。
ソン・フンミン移籍なら韓国人ファンの反発必至?
ソン・フンミンは2025年夏の契約満了を控えており、トッテナムは再契約の代わりに1年の延長オプションを行使したのみとなっている。
サウジアラビアの複数クラブがソン・フンミンに関心を示しているとされる中、トッテナムはすでに代役候補までリストアップしているという。FWエベレチ・エゼ(26、クリスタル・パレス)、FWブライアン・ムベウモ(25、ブレントフォード)、FWアントワーヌ・セメーニョ(25、ボーンマス)などが有力視されており、バイアウト条項6800万ポンド(約134億円)のエゼが最有力とされている。
ただ、ソン・フンミンの移籍報道に韓国国内では複雑な空気が流れている。『トッテナム・ニュース』が報じた通り、韓国では来る8月3日に「2025 Coupang Playシリーズ」として、トッテナムとニューカッスルの親善試合が開催予定だからだ。
今夏の“母国凱旋”を前にソン・フンミンの移籍が成立した場合、すでにチケットを購入した韓国サッカーファンの反発は避けられないだろう。一部の現地メディアは「トッテナムが違約金を甘受してでも、ソン・フンミンの移籍時期を前倒ししようとしている」とも報じている。
トッテナムは2022年と2024年の来韓時にソン・フンミンを前面に出し、チケット収入や広告収入、放映権収入などを得た。ソン・フンミンの去就問題はビジネス面でもクラブに大きな影響を及ぼしそうだ。
◇ソン・フンミン プロフィール
1992年7月8日生まれ。韓国・江原道出身。身長183cm。大韓民国のサッカー選手で、サッカー大韓民国代表キャプテン。小学校と中学校ではサッカー部に所属せず、韓国代表経験のある父ソン・ウンジョン氏から直接指導を受けた。2010年にドイツ・ブンデスリーガのハンブルガーSVでプロデビュー。その後、2013年に移籍したバイエル・レバークーゼンで2年連続二桁ゴールを披露し、2015年にプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーへと移籍。2021-2022シーズンにアジア人初のプレミア得点王に輝き、2023-2024シーズンよりキャプテンを務める。愛称は「Sonny(ソニー)」。