MBSテレビ『住人十色』の#773「親子の気疲れを解消! 気を遣わずに済む二世帯住宅」が、6月14日午後5時から放送される。

今回番組が紹介するのは、同居生活のストレスを家が解消してくれる二世帯住宅。住人(アルジ)は子どもが2人いる夫妻で、東京から地元熊本へUターンし、4年前に建築家の妻による設計で新居を建てた。

中庭を介した玄関は、6帖もあり広々としているのが特徴。実はここは同居する妻の母のリビングも兼ねたスペースで、母は中庭を眺めながら読書をするのがお気に入りなのだとか。

そんな玄関リビングから中庭を挟んだ場所にあるのが妻の仕事部屋で、あえて中庭を挟んだ配置にして視線が合わないように工夫。二世帯ならではの気づまりを減らして、心地よく過ごせるようにしているという。

10年前、子どもの誕生を機に東京から地元熊本へUターンした住人(アルジ)夫妻。間もなく起こったのが2016年の熊本地震だった。当時、妻の母は一人暮らし。心配と夫の後押しもあり、同居を決意した。そして、空き家になっていた祖母の家で二世帯暮らしを始めるも、母子の仲が良いからこそ、妻は「母の肩身が狭いのでは」と気を遣う毎日に。家事を手伝ってくれる母への後ろめたさもあり、2人目の子どもも生まれて多忙な中、心労は募るばかりだった。

そこでモヤモヤを解消すべく、家を建て替えることに。お互いの気疲れを解消できるよう、家事の利便性を考え抜いた家が完成した。個室以外の生活スペースはすべて二世帯で共有し、平日は母、休日は娘夫妻と家事を完全に分担している。
玄関の隣は、中庭から光が差し込むオープンな洗面。二世帯共用なので、複数でも同時に使えるよう幅を広くしている。さらに、母が使っているときは迂回して玄関へ回ることができ、娘夫妻が使っているときに母が帰宅した場合は、夫妻の後ろを通らずに自分の部屋へ戻れる動線に。身支度しているときに背後を通られる気まずさを解消した。
2階は、天井高3.7メートルもある二世帯共用のリビングダイニング。中庭からの光を採り込む大開口の下は、大工作り付けのベンチになっている。このベンチのほか、読書好きの母が好きな場所で本を読めるよう、さまざまな場所に座れるスペースを作った。
ベンチの隣は子どものデスク。奥は子ども部屋になっているが、こもりきりにならないよう、あえてデスクだけメインスペースに出したという。
全長4.4メートルもあるキッチンは、家族5人が並んで作業ができる広さを確保したもの。さらにドイツ製の大容量の食洗機を設置し、それぞれの家事の負担を軽減させた。そんな家事は母と娘夫妻で完全分担しているが、料理のときだけは二世帯ならではの困ったことがあるようで……。
1階の階段下のデッドスペースは、ランドリースペースとして活用。以前の家では母が1階で洗った洗濯物を2階のバルコニーで干していたが、負担を軽減しようと洗濯乾燥機を導入したという。乾いた洗濯物はランドリースペースで畳み、すぐそばのウォークインクローゼットにしまえるという便利な動線になっている。
気を遣わずに済む二世帯住宅。妻は母に対して「家事をしてもらって申し訳ないという気持ちがだいぶ減ったかなと思います」と変化を語り、母は「これまでは、洗濯もまだまだできると思ってたんです。でも実際に乾燥機を使うと、体が楽なんだなあと思って。そういう面でも、前より体が元気になったような気がしますし、とっても心地良いおうちです」と喜び、家族に感謝する。