連帯貢献金未納の次は財政健全化規定の違反だ。ACLで日本勢も破った韓国Kリーグの光州(クァンジュ)FCが、1週間で2回目の謝罪文を発表した。
光州は5月29日、クラブ公式SNSを通じて「韓国プロサッカー連盟の財政健全化規定を遵守できなかったことについて深く責任を痛感している」と書き出した謝罪文を掲載した。
今月21日には、国際サッカー連盟(FIFA)から選手登録処分を受けたアルバニア代表FWヤシル・アサニ獲得時の連帯貢献金未納問題に関して謝罪文を発表していた光州。それからわずか8日後に、また新たな謝罪文を公開した。
光州は今回の謝罪文で、2024年の財政運営の結果、約23億ウォン(日本円=約2億4330万円)の当期純損失が発生し、Kリーグを主管する韓国プロサッカー連盟が施行する財政健全化制度において、損益分岐点の指標を満たすことができなかったことを明らかにした。
前年比6億円増収も指標満たせず
連盟は2020年のコロナ禍に伴う経済危機によるリーグ全般の財政状況を検討し、リーグ及び各クラブの持続可能性を確立するため、2023年より財政健全化制度を導入している。
同制度は親企業と自治体に依存するクラブの収益構造モデル、選手団費用の過剰支出、財務健全性悪化など、Kリーグ全般の代表的な財政問題を把握し、該当問題点を解決することを目的とし、△各クラブは毎年損益分岐を達成しなければならず、△選手費用は当期総収益の70%を超過して支出することはできず、△完全資本蚕食のクラブの場合、改善方案を提出して連盟が定めた期限内に解消しなければならないなどの項目を設けている。
光州によると、損失が発生した原因はAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)出場に伴う選手層拡大および人件費の上昇などで必然的な支出が増加した一方、それに見合う収入が不足したからだという。
光州広域市からの支援をはじめ、入場料収入やグッズ販売、移籍金などの収入は2023年が約150億ウォン(約15億8714万円)だったのが、2024年は約214億ウォン(約22億6432万円)と1年間で64億ウォン(約6億7736万円)増加した。それでも、光州は財政健全化制度を遵守することができなかった。
光州は「このような結果に対し重い責任を感じており、クラブを愛してくださる市民およびファンの皆さまに改めてお詫び申し上げる」と伝えているが、問題は財政健全化制度違反が今回が初めてではないという点だ。
光州は昨年にも、財政健全化制度の違反によって処分を受けている。当時、連盟は、実際の収入が予算案の水準に達するまで、夏の移籍期間(6月20日~7月31日)中の選手登録を禁止する制裁を下した。
そして今回、2年連続での財政健全化制度違反に、連盟の財務委員会では光州の財政状況が議論されており、賞罰委員会への付託を巡って多角的な検討が行われている。仮に付託が決定した場合、Kリーグのクラブとして初めて、財政健全化制度によって賞罰委員会にかけられる事例となる。
光州は謝罪文で「2025年から財政健全化を最優先課題とし、不急不要な予算の削減と自主的な収入拡大を通じて、これ以上の債務が発生しないよう財政健全化に全力を尽くす」とし、「債務についても年次ごとに返済していくということを申し上げる」と、今後の計画を明らかにしていた。
2024-2025シーズンのACLEでは初出場ながらリーグステージで横浜F・マリノスや川崎フロンターレに勝利。ラウンド16ではヴィッセル神戸を大逆転で破り、韓国勢で唯一ベスト8入りを果たした光州。今季Kリーグ1では16試合消化時点で6勝5分5敗の勝ち点23とし、12チーム中6位に位置している。

以下、光州FCの謝罪文全文。
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光州FCは、韓国プロサッカー連盟の財政健全化規定を遵守できなかったことについて深く責任を痛感し、サッカーを愛してくださるファンの皆さまおよび関係機関の皆さまに心よりお詫び申し上げます。
当クラブは、2024年の財政運営の結果、約23億ウォンの当期純損失が発生し、支出が収入を超過しないよう規定されている財政健全化制度(損益分岐点指標)を遵守することができませんでした。
これは、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)出場に伴う選手団規模の拡大および人件費の上昇など、必然的な支出が増加した一方、それに見合う収入が不足した結果です。
当クラブはこれまで、選手団の成績と併せて、光州広域市からの支援、入場料収入、グッズ販売、移籍金などの収入が2023年の約150億ウォンから2024年には約214億ウォンへと、1年間で64億ウォン増加しましたが、それにもかかわらず財政健全化制度を遵守することができませんでした。
このような結果に対し重い責任を感じており、クラブを愛してくださる市民およびファンの皆さまに改めてお詫び申し上げます。
当クラブは、2025年から財政健全化を最優先課題とし、不急不要な予算の削減と自主的な収入拡大を通じて、これ以上の債務が発生しないよう財政健全化に全力を尽くしております。また、債務についても年次ごとに返済していくということを申し上げます。
改めて、すべての関係者の皆さまに深くお詫び申し上げるとともに、ファンの皆さまにとって恥ずかしくない、責任あるクラブとして生まれ変わるべく、最善を尽くしてまいります。