映画『ハイファイブ』(原題)のカン・ヒョンチョル監督が、薬物使用で物議を醸した俳優ユ・アインとの知られざるエピソードを明かした。
5月29日午前、カン監督はソウルのカフェでインタビューに応じ、来る30日に韓国で公開される映画『ハイファイブ』について語った。
『ハイファイブ』は、臓器移植によって偶然それぞれ異なる超能力を得た5人が、その力を狙う者たちと繰り広げる戦いを描いたコミカルなアクション映画。カン監督にとっては、2018年の映画『スウィング・キッズ』以来、約7年ぶりの新作となる。

撮影は2021年後半にすでに終了していたが、公開までに約4年の時間を要した。その背景には、コロナ禍による映画業界全体の低迷や、超能力というテーマゆえに求められた精緻なポストプロダクション作業、そして主演俳優ユ・アインの薬物使用疑惑による世間の非難があった。
公開延期の長い期間をどう乗り越えたのかという質問に、カン監督は「信仰の力で」と冗談を交えつつ、「一緒に作品を作った仲間たちがいて、互いに励まし合い、支え合いながら過ごした」と語った。
劇中でユ・アインが演じる「キドン」は、物語の転換点を担う重要なキャラクターであり、出演シーンをすべて削除することは不可能だった。これについてカン監督は、「“もったいない”かどうかではなく、映画は1人のためのものではない。特に『ハイファイブ』はアンサンブルが鍵の作品」と強調した。
さらに、「映画の外的な理由で無理な編集をしてしまうと、共演したイ・ジェインのキャラクターが傷つくし、アン・ジェホンのとても面白くて愛らしい演技も失われる。ラ・ミランもキム・ヒウォンも損なわれて、作品そのものが壊れてしまう。そうなれば、観客が感じる楽しさも失われていただろう。それは監督としても、映画を作る人間としてもやってはいけないことだった」と語り、「ごくわずかでも観客が不快に感じる可能性のある部分については細かく編集した」と説明した。

一方、ユ・アインのキャスティングについては、「基準はただ1つ、“その役に合っているかどうか”だった。小さな役柄だったにもかかわらず、当時ユ・アインが出演を決めたのは、脚本が面白かったからだそうだ。アンサンブルの映画をやってみたかったらしく、一緒に演じる俳優たちも気に入ったと言っていた」と明かした。
また、公開前にユ・アインから連絡があったかという質問には、「個人的に会ったことはある」とし、「(ユ・アインが)謝罪した。正確な言葉は控えるが、申し訳ないという気持ちを伝えてくれた」と付け加えた。
なお、映画『ハイファイブ』は、韓国で5月30日に公開される。
(記事提供=OSEN)
◇ユ・アイン プロフィール
1986年10月6日生まれ。本名オム・ホンシク、韓国・大邱(テグ)出身。2003年のドラマ『四捨五入』でAraの恋人役を演じ一躍有名に。デビューから1年でファンミーティングが開催されるほど異例の速さで人気を高めるが、芸能活動を一時休止。2006年から活動を再開し、様々なドラマや映画で助演を務める。2010年のドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』で強い存在感を発揮し、ドラマ『ファッション王』『チャン・オクチョン』『密会』、映画『ワンドゥギ』『ベテラン』『王の運命 -歴史を変えた八日間-』『バーニング 劇場版』『#生きている』などの話題作に出演した。