【韓国ドラマあるある】あの頻出アイテムは現実でも使う? 韓国の友人に聞いてみた | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【韓国ドラマあるある】あの頻出アイテムは現実でも使う? 韓国の友人に聞いてみた

エンタメ 映画・ドラマ
Netflixシリーズ「愛の不時着」独占配信中
  • Netflixシリーズ「愛の不時着」独占配信中
  • 鍋を蓋にして食べるのも「あるある」。/Netflixシリーズ「賢い医師生活」独占配信中
  • 『ヴィンツェンツォ』の撮影地、弘大の「オルニ大公園」で食べたロゼチキン(筆者撮影)
  • 最初ツンケンしていた数学講師は、主人公一家に心を許すと率先して「チキン・デー」を楽しむように。/Netflixシリーズ「イルタ・スキャンダル ~恋は特訓コースで~」独占配信中
  • 財閥令嬢の親友を装う主人公。/Netflixシリーズ「社内お見合い」独占配信中
  • ジェジュンが連れて行ってくれたチキン屋でも“青い瓶のお酒”を注文した(筆者撮影)
  • 主人公の親友が営む居酒屋にも「眞露イズバック」が度々登場。/Netflixシリーズ「その年、私たちは」独占配信中
  • 2人が再会する学科飲み会ではテーブルの上に「眞露イズバック」が散らかっていた。/Netflixシリーズ「その年、私たちは」独占配信中
 韓国ドラマをある程度の本数観ていくと、お決まりのシーンに登場する頻出アイテムたちが気になってくる。日本とは似て非なる“衣・食・住”を彩るそれらは、実生活にも登場するものなのか? そこで、どれだけ事実なのかをリサーチした上で、10年来の友人ジェジュン(35才男性・保険会社支店長)に実際のところどうなのかを聞いてみた。

インスタントラーメン



鍋を蓋にして食べるのも「あるある」。/Netflixシリーズ「賢い医師生活」独占配信中


 韓ドラの魅力の一つはグルメ描写だと思うのだが、なかでもインスタントラーメンをすする姿には食欲を大いに刺激される。大学同期の仲良し医師5人組の日常を描いたヒューマンドラマ『賢い医師生活』も、例に漏れず。シーズン2エピソード12では、5人の共通の趣味であるバンド活動前の腹ごしらえのため、インスタントラーメンが登場。大食いコンビがキムチを付け合わせに口いっぱいラーメンを頬張る姿を見て、「明日の昼ごはんはインスタントラーメンにしよう」と思ったのを覚えている。

 そして、インスタントラーメンと言えば、ラブストーリーにおける重要アイテム。気になる相手を家に誘う時の常套句「ラーメン食べる?」をそのままの言葉通りに受け止める天然キャラ、裏の裏の意味を勘繰る者など反応はそれぞれだが、物語に何かしらの進展を与えてくれる。



 兎にも角にも、韓国ドラマでは即席麺が活躍。それは現実世界でも同様で、友人のジェジュンも「インスタントラーメンはよく食べるよ。一食としても、夜食としてもよく食べる。飲んだ翌日の解毒のためにも食べるし、飲みながら食べることもある」と、インスタントラーメン愛を爆発させていた。

 世界ラーメン協会によると、韓国はインスタントラーメンの国民1人あたりの年間消費量が多い国トップ3。2021年度には経済成長中かつコロナ禍のおこもり需要の影響でベトナムに抜かれてしまったが、2020年までは常に世界トップに君臨していた。2021年度の集計結果によると、韓国では1人あたりの年間消費量は約73食。つまり、1週間に1回はインスタントラーメンを食べている計算となる。

フライドチキン



『ヴィンツェンツォ』の撮影地、弘大の「オルニ大公園」で食べたロゼチキン(筆者撮影)


 韓国の財閥令嬢と北朝鮮の軍人が織りなすラブファンタジー『愛の不時着』を観た後、無性にチキンが食べたくなったのは私だけではないだろう。それもそのはず、同ドラマは「bb.qオリーブチキンカフェ」の間接広告だらけで、やたらと美味しそうなチキンが映し出されていたから。

 フライドチキンはアメリカ発祥だが、韓国料理として大人気だ。そのきっかけは、1950年代、朝鮮戦争で駐留していたアメリカ兵が感謝祭で七面鳥代わりにフライドチキンを提供したことだと言われている。続く60年代、明洞に初めてロティサリーチキンの店ができ、チキンを持ち帰る文化が誕生。当時はまだチキンが高価だったため、「たまに食べる贅沢品」という位置付けになっていった。

 惣菜屋社長と塾講師のロマンスを軸に、熾烈な大学受験を描いた『イルタ・スキャンダル ~恋は特訓コースで~』の主人公一家が毎週、皆でテイクアウトしたチキンを食べながら映画を観るという「チキン・デー」を設けていることからも分かるように、現在もチキン=ちょっと特別という名残が残っているようだ。

最初ツンケンしていた数学講師は、主人公一家に心を許すと率先して「チキン・デー」を楽しむように。/Netflixシリーズ「イルタ・スキャンダル ~恋は特訓コースで~」独占配信中


話を戻すと、70年代には韓国初のフライドチキン店「イムズチキン」が、80年代にはKFCが韓国に進出。フライドチキンはロティサリーチキンの市場を飲み込み、人気を博していった。そして金融危機によるリストラが多発した90年代、フライドチキン屋の起業が流行。偽装縁談をきっかけに始まる格差恋愛ラブコメ『社内お見合い』の主人公ハリ(キム・セジョン)は1996年生まれのチキン屋の娘だったが、両親はまさにそのブームに乗って起業したという設定なのだろう。

財閥令嬢の親友を装う主人公。/Netflixシリーズ「社内お見合い」独占配信中


 そんな90年代以降のチキン屋の林立により、各店舗がオリジナリティを追求した結果、ヤンニョムチキンなどが誕生。2002年には、フライドチキン屋が店内でワールドカップの試合観戦ができるよう誘致し、フライドチキンとビールを組み合わせる“チメク(チキン+メクチュ)”が不動の人気を確立した。

 ジェジュンに、韓国人にとってのチキンの存在について聞くと「幸せなもの」と熱いお返事が。例えば試験が終わった時、サッカーや野球の試合を観戦する時など、家族などで集まって楽しい会話をする際に食べる食事だという。また、会社の飲み会の2次会や3次会などで、手軽なチメクは重宝しているとのこと。そして、ワールドカップ時のチキン人気は凄まじく、試合開始前にデリバリーの注文をしたのに、試合終了後になって届くほどだと話していた。

青い瓶のお酒



ジェジュンが連れて行ってくれたチキン屋でも“青い瓶のお酒”を注文した(筆者撮影)


 韓国でお酒と言えば、緑色の瓶に入っている韓国焼酎が定番だが、近年は、元恋人が過去を乗り越え再び歩み寄ることになる『その年、私たちは』や曖昧な関係の男女の駆け引きが描かれる『わかっていても』など、特に若者が主役のドラマにて、青い瓶のお酒が目立つ。

 これは、ハイト眞露が2019年より発売している「眞露イズバック」というもの。どんなお酒なのかを窺い知れるのが、『その年、私たちは』で男性主人公の親友が思い悩み、屋台で飲んでいるシーンだ。後からやってきた主人公が、「眞露イズバック」を手に取り、「飲めない酒に挑む意気込みは認める。コスパがいいな。これで酔ったのか?」と軽口を叩いている。

 その台詞が表すように、このお酒はアルコール度数が低くマイルドで飲みやすい味。そして、70年代当時に起用していたデザインを現代に取り入れた“ニュートロ(ニュー+レトロ)”スタイルな見た目が特徴的で、発売以来すぐさま人気に。最初の7ヶ月で1億本を売り上げたそう。

主人公の親友が営む居酒屋にも「眞露イズバック」が度々登場。/Netflixシリーズ「その年、私たちは」独占配信中


 その人気は明白なようで、「柔らかくまろやかな味に変わったアルコール度数の低い焼酎(=眞露イズバック)は、女性たちが飲み始め、ヒキガエルのキャラクターを活用したマーケティングも上手く、人気を集めていると思う。個人的にも、他の焼酎ボトルよりも可愛らしくて、色も独特で目を引くと思う」とジェジュン。

 2023年1月には、糖質ゼロの「眞露イズバック」も新発売。最近のトレンドであるゼロカロリー焼酎で、ますます人気が加速しそうだ。

2人が再会する飲み会ではテーブルの上に「眞露イズバック」が散らかっている。/Netflixシリーズ「その年、私たちは」独占配信中


布団



高齢者の多い地方が舞台の作品だと布団登場率が高い。/Netflixシリーズ「ラケット少年団」独占配信中


 韓国でも、床に布団を敷いて寝る文化がある。例えば、中学生バドミントン部のスポ根青春ドラマ『ラケット少年団』で部員たちが下宿することになるユン家は布団オンリーだ。日本と異なる点と言えば、とにかく布団が薄いこと。冬の寒さが厳しい韓国では、古代より、暖炉の煙の熱を利用して床下から暖める「オンドル式床暖房」が導入されており、むしろ布団が薄い方が床暖房の恩恵を受けられるからである。

 しかし、ジェジュン曰く「布団は古臭い習慣」。「80代以上のお年寄りの人や田舎に住んでいる人たち、ベッドを購入できない貧しい人たちは使っているかもしれないけど、今は基本的に皆ベッドを使っているよ」とのこと。確かに、韓国のシリコンバレーを舞台に若者たちの夢と成長を描いた『スタートアップ: 夢の扉』の主人公はベッドだが、祖母は布団を使用。また、済州島の住民たちの人生悲喜こもごもを綴ったオムニバス『私たちのブルース』では、子どもができてしまった高校生カップルは各自ベッドを使っている一方で、その父親たちはリビングに布団を敷いて寝るスタイルだった。近年は日本同様、圧倒的にベッド派が多数のようである。

紆余曲折あり、主人公の祖母の布団で寝ることになる一番手と二番手。/Netflixシリーズ「スタートアップ:夢の扉」独占配信中


登場するお婆さんたちも布団で寝ていた。/Netflixシリーズ「私たちのブルース」独占配信中


高級車



 韓国ドラマでは、服、靴、時計、鞄、車などの持ち物で、登場人物の社会的ポジションを表現することが多い。特に“財閥”など富裕層の登場人物が外車を乗り回す姿はまさに「あるある」の一つ。とある銀行を舞台に、階級差によりこじれていく4人の男女の恋愛劇『愛と、利と』では、4人の中で最も“持つ者”が高級外車(ボルボ)を乗り回し、上司と同じ車であることを教えられると「買い換えなきゃ」と本気とも取れる冗談を飛ばしている。その反面、持たざる者たちはオンボロ車、電車、徒歩を利用している。

主人公の車が故障し、レッカー車に運ばれるシーンもあった。/Netflixシリーズ「愛と、利と」独占配信中


 また、ソウル郊外に暮らす3兄弟の“解放”を題材とした『私の解放日誌』では、長男が車の所有に固執していることが度々示唆されている。“通勤時の交通費を浮かせるため”中古の電気自動車を買いたいと父に相談するが、本心ではおそらく見栄のために高級外車ロールス・ロイスを切望している。

車への執着心もありイライラしていることの多い長男。/Netflixシリーズ「私の解放日誌」独占配信中


 どうやら韓国では見た目を重視し、ステータスを周りに誇示する人が多いのは本当のようだ。車に関しては言えば、「良い住処よりも良い車が欲しい」と考え、高級車にお金をつぎ込み経済状況が悪化する“カープア”もいるらしい。ソウル市内ではディーゼルやBMWが多く走っており、裕福な地域にはマセラティやベントレーなども駐車している。

 ジェジュンも、「韓国人は車を通じて自分の地位を表すことが多い」と断言。「ヨーロッパに留学したことのある僕の肌感覚で言うと、ヨーロッパ人は実用的な車を追求するけれど、韓国人は燃費が悪くても大きくて素敵な車を欲しがっていると思う。大きければ大きいほど良い、という風潮だね。高い地位の人ほどたいてい良い車に乗っていて、人々も“良い車=成功の尺度”として見ていると思う。一番人気はベンツ、次にBMW」とのこと。

 もちろん、全員が同じような感覚ではない、ということは付け加えておきたい。以前ジェジュンと会った際にBMWに乗っていたことに触れたら、「僕は実用性を重視するタイプだから、以前は国産ハイブリッド車に乗っていたんだけれど、仕事でCEOなどに会うようになったからBMWに変えざるをえなかったんだ」とこぼしていた。

■筆者プロフィール
山根由佳
執筆・編集・校正・写真家のマネージャーなど何足もの草鞋を履くフリーライター。洋画・海外ドラマ・韓国ドラマの熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。
《山根由佳》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top