“行きたい所に、行きたい時に行ける”を実現する観光MaaS…WILLER株式会社 Global Business Div. 菊池美緒氏[インタビュー] | RBB TODAY
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“行きたい所に、行きたい時に行ける”を実現する観光MaaS…WILLER株式会社 Global Business Div. 菊池美緒氏[インタビュー]

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【MaaS】“行きたい所に、行きたい時に行ける”を実現する観光MaaS…WILLER株式会社 Global Business Div. 菊池美緒氏[インタビュー]
  • 【MaaS】“行きたい所に、行きたい時に行ける”を実現する観光MaaS…WILLER株式会社 Global Business Div. 菊池美緒氏[インタビュー]
交通事業に新たなマーケティングを投じ続けているウィラー。次なる一手はMaaSだ。地域の公共交通事業者の動きが鈍いなか、ASEANでの交通事業も展開しながら一歩も二歩も先んじている。やわらかなチャレンジ思考を持てば地域の移動や観光はもっと可能性があるかもしれないといつも気づかせてくれる。

ウィラーのはじまりは代表取締役の村瀬茂高氏が名古屋で大学時代にツアーを企画したことにさかのぼる。そして2006年に運行を開始した高速ツアーバスWILLER EXPRESSは若者のニーズを汲みとり新たなバスのあり方を提案。2014年にはWILLER TRAINS株式会社を設立し上限分離した京都北部を中心とした京都丹後鉄道(丹鉄)の運行部分を引き受け、第二種鉄道事業者として地方鉄道に参入したことやウィラーらしいチャレンジングな手法などが注目を集めた。さらにグローバル展開も余念がない。ベトナムでは2016年にWILLER VIETNAM Co.,Ltd.を、2017年にMaiLinh-WILLER LLC(マイリンウィラー)を設立。2018年には、台湾で国光威楽暇期旅行社股■有限公司、シンガポールでWILLERS PTE. LTDを設立した。人々や社会のニーズを、マーケティングを用いて追求し、かたちにし続けるウィラーの進化は止まらない。

*■は人偏に「分」の文字です。

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MaaSの動きをまとめてみよう。国内での観光MaaSとASIA・ASEANのMaaSだ。国内の観光MaaSアプリ「WILLERS アプリ」は2019年8月末からサービスを開始予定。まずはJR北海道釧網本線を軸としたひがし北海道と丹鉄道沿線を中心とする京丹後エリアで展開をはじめる。

ひがし北海道の参画する沿線自治体は釧路市、弟子屈町、釧路町、標茶町、鶴居村、網走市、斜里町、小清水町、清里町。交通事業はJR北海道、阿寒バス、網走バス、斜里バス、くろしおバス、金里釧路ハイヤー、阿寒観光ハイヤー、網走ハイヤー、斜里ハイヤーだ。ひがし北海道の食、自然、スポーツ、乗り物など約200プランを通して旅行者に自分だけの感動体験を届ける。

京丹後エリアの参画する沿線自治体は、京都府、兵庫県、福知山市、京丹後市、宮津市、舞鶴市、伊根町、与謝野町、豊岡市。交通事業事業者は、丹後海陸交通、全但バス、WILLER TRAINS。京丹後の食、自然、歴史、乗り物など約100プラン(予定)を通して地元コミュニティとつなげる予定だ。

ASIAではベトナムで動き出している。ベトナムでタクシーを中心とした交通事業を提供するマイリングループとのジョイントベンチャー「マイリンウィラー」は、マイリンタクシーを使ったタクシー配車アプリのサービスを2019年6月に開始。続いて2019年9月から高速バスWILLER EXPRESSの実績を生かした都市間バス「MaiLinh-WILLER EXPRESS」の運行を始め、2019年10月にはタクシー配車アプリと都市間バスサービスをシームレスにつなぎ、出発地から目的地までの交通をひとつのアプリで検索・予約・決済を可能にする予定だ。

WILLERSアプリについてWILLER株式会社 Global Business Div.菊池美緒氏に聞いた。

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◆直感的に感じた「ここに行きたい」を「行ける」に変えたい

---:観光MaaSに取組む理由は?

菊池氏: 観光立国を掲げる日本において、インバウンドの地方観光を増やしていくことは重要な課題です。なぜなら、ゴールデンルートへ集中しているインバウンドを、地方観光に分散させ、リピーターにしていかないと2030年に6000万人は難しい状況だからです。

また都市部から離れた地方ではマイカーへの依存が高く、鉄道駅からの2次交通が衰退し、観光客やクルマ移動ができない人が、行きたくても行けない「交通空白地帯」が増えています。

一方で、SNSを中心に発信される写真を見て「ここに行きたい」というニーズは、世界的に高まっています。しかし、行くための方法を調べてみると、いくつものサイトを個別に調べたり、時刻表もない地方の交通事業者もあり、一生懸命調べたにもかかわらず、最後は徒歩かレンタカーになって諦めてしまう人もたくさんいます。これがインバウンドならなおさらなことです。この直感的に感じた「ここに行きたい」という思いを「行ける」に変えるプラットフォームとして観光アプリの開発に取組んでいます。

◆APIを事業者に開放

---:WILLERSアプリの特徴は?

菊池氏: WILLERSアプリは、旅行者が「行きたい」と思ったときに、行ける交通手段を一括して検索・予約・決済ができるだけではなく、観光情報はもちろんのこと、さまざまなアクティビティや飲食店などをリコメンドします。このリコメンド機能は、それだけにとどまりません。APIとして事業者に開放することで、旅行者をターゲットとした、さまざまなビジネスを行うことができるプラットフォームになります。WILLERSアプリに参加する事業者同士がサービスを競い合うことで、新たな価値を持ったサービスを生み出すことにつながると考えています。

◆シンガポールで自動運転の実証実験

---: 交通空白地体をなくす取組みは?

菊池氏:少子高齢化の進む地方では、マイカーでの移動が中心になっているため、観光のための2次交通や3次交通が不足しています。鉄道やバスの乗務員も高齢化し、慢性的な人手不足から減便や廃線になることも増えてきました。この交通空白地帯を解消する一つの手段として、自動運転に取組んでいます。現在シンガポールで実証実験を実施していますが、日本での実施も検討しています。その他にも公共交通をつなぐだけでは行けない観光地には、そのスポットに最適なモビリティの開発を行っていきます。

既存の交通機関では行けないところを行けるようにし、それらを統合してスマホ一つで今までではできなかった旅行体験を提供する。人の移動と体験を変えるテクノロジーサービスがウィラーの考えるMaaSなのです。

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《楠田悦子@レスポンス》
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