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中古端末購入時や処分時にも参考になりそう?!……リユースモバイルガイドラインを公表

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中古端末購入時や処分時にも参考になりそう?!……リユースモバイルガイドラインを公表
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 中古端末流通事業者の業界団体であるリユースモバイル・ジャパン(RMJ:Reuse Mobile Japan)と、携帯端末の登録修理制度を支える業界団体である一般社団法人携帯端末登録修理協議会(MRR:Mobile Terminal Registered Repair Council)が立ち上げた「リユースモバイル関連ガイドライン検討会」。同検討会はこのほど、安心で安全な中古端末取引市場の形成と発展に向け、端末の格付基準、端末内の利用者情報の処理および関連法令の遵守等に関し、基本的な考え方及び事業者等が中古端末の流通・検査・販売等を行う際に留意すべき事項を整理した「リユースモバイルガイドライン」を発表した。今後RMJ加盟の中古スマホ取扱業者はガイドラインに準拠するための準備作業を進め、10月のガイドライン発効を目指す。

リユースモバイル関連ガイドライン検討会で座長を務めた株式会社携帯市場 代表取締役 粟津浜一氏


 年末、年度末になると各地で目にしてきた過剰なスマホの廉売、これがいよいよ見納めになると言われている。総務省はこれまでに携帯電話料金の引き下げを議論する有識者会議を開いてきたが、本年1月には端末購入代金と毎月の通信料金を完全に分離する「分離プラン」を事業者に義務付けるなどの緊急提言をとりまとめている。この「分離プラン」は夏までに導入される予定で、これにより通信料金は引き下げられることが期待される一方で、スマホは正価で売られることになるため高額になる。このためより安価に端末を購入したいというニーズに対して、中古スマホ端末の需要が増えていくのではないかと期待されている。

 3月8日に開催された記者会見では、リユースモバイル関連ガイドライン検討会で座長を務めた粟津浜一氏(株式会社携帯市場 代表取締役)が、総務省が2017年度に実施した調査を引用し中古スマホ端末が敬遠される要因について説明を行った。

 この調査によると、中古スマホ端末の利用意向があるユーザーは21.9%にのぼるが、裏を返せば8割近いユーザーは中古スマホを敬遠しているともとれる。中古端末を利用しない理由としてバッテリーの持ちが悪そう、きちんと動作するか分からない、衛生的ではないイメージがある、故障時などの保証がなさそう、傷やへこみがありそう、といった意見が上位を占めた。

総務省が行った中古端末利用意向の調査


総務省が行った中古端末利用意向の調査


 こうした背景から、消費者や関連事業者にとって安心で安全な中古端末取引市場の形成と発展に向けて、端末の格付基準、端末内の利用者情報の処理および関連法令の遵守等に関し、基本的な考え方及び事業者等が中古端末の流通・検査・販売等を行う際に留意すべき事項を整理したガイドラインを策定し、業界に定着させていく。

 公表されたガイドラインは、まずはB2C市場において中古スマホ端末事業者が買取時や、検査・格付時、販売時に留意しなくてはならない「必須事項」「要求事項」「推奨事項」がまとめられている。たとえば買取時においては個人情報保護という観点から利用者情報の消去の徹底を求めている。端末のオールリセット(初期化)を行うほか、遠隔操作ロック、アクティベーションロック等が解除されているかなど買取依頼者でしかできない措置は買取時に説明を行い対応を促進させる。また、検査・格付時にももう一度オールリセットを行い、さらに専用ソフトウェアを用いた上書き消去を義務付ける。

 ユーザーも知っておくと役立ちそうなことが、このガイドラインに示された端末の格付けである。まず外装評価によってS、A、B、C、Jの5段階にグレーディングを行う。端末は液晶面、正面、背面、天面、底面、左右側面の各面区分ごとに傷の有無等を確認。液晶面や正面のガラス割れ・欠け、その他の面のケースの割れおよび目立つヒビ、欠け、凹みがある場合は、その他の面の状態に関わらずC以下の評価となる。汚れについては拭き取り除去を前提とし、ウエスやクリーナー等で拭き取り除去できればOKとし、拭き取っても除去できない汚れは、傷・塗装剥がれとして判定を行う。

 ガイドラインにおいて標準として定める外装の評価基準は次の通りとなる。Sランクは未使用品(新品同様の状態)、Aランクは目立つ傷がなく非常にきれいな状態(液晶への傷がなく外装の傷・汚れが微細)、Bランクは細かな傷・薄いかすり傷があり、使用感がある状態(液晶に薄い傷や、外装に微細な傷・汚れ等が多少見受けられる)、Cランクは目立つ傷や擦り傷等があり、明らかに使用感がある状態(液晶に目立つ傷、複数の傷がある。全体的に傷・汚れ・塗装剥がれが目立つ)、Jランクは目に見えてダメージがあり、激しい損傷または破損している状態(液晶を含め全般に傷や打痕、割れ等がある)、となっている。

外装評価基準(リユースモバイルガイドラインより抜粋)


機能評価項目(リユースモバイルガイドラインより抜粋)


 外装評価に続いて機能評価を行う。これは端末の各機能(基本機能および接続機能)について、OK、NGで評価を行い、販売時にもこれを表示するものとする。

 外装や機能の状態によって買取金額、販売金額が左右されてくる。いうなればユーザーが今使っている端末をより高額で売却したいと考えるならば、これら評価基準でより上位にランクされるよう、日ごろから端末を丁寧に取り扱ったり、外装に傷がつかないようケースやカバーなどで保護することを心掛けるのがよさそうだ。

会見で参考として示された同一機種でのランク分け事例(左からA~J)。写真では分かりづらいがCランク品では端末の角などに塗装剥げなどが見られる



 ガイドラインでは、販売時において評価基準の評価内容明示例や、ランク別の推奨保証期間なども示している。商品情報としては、販売元通信事業者名、メーカー名、機種名、型番、IMEI番号、ネットワーク利用制限の判定結果および判定△の場合に講ずる措置、格付評価結果、付属品の有無、その他不具合情報、SIMロック解除を行った場合はその旨、保証期間、商品の価格などとなっている。

ガイドラインで参考として提示されているオンライン販売時の表示例


 今回公表されたガイドラインはとくに国内における一般消費者向けに中古スマホ市場の拡大を目指すことに重点を置いたものとしており、このためガイドライン(初版)の適用範囲はまずはBtoC事業者へ適用することを優先して策定されている。今後RMJ加盟の中古スマホ取扱業者はガイドラインに準拠するための準備作業を進めつつ、本格運用に向けた詳細を詰めていき、さらにBtoCとBtoB領域における格付けの統一基準策定を目指していく。また、中古スマホ取扱事業者がこれを導入し、かつ厳格に運用しなくては意味がない。そこでガイドラインに沿ったグレーディング基準を導入し適正に運用できている事業者に対して事業者認定する「認定事業者制度」を創設し、10月初旬にはガイドラインの発効と認定事業者制度の運用を開始していく予定としている。

筆者:木暮祐一(こぐれゆういち)氏。青森公立大学 准教授/博士(工学)、モバイル研究家として活躍し、モバイル学会の副会長も務める。1000台を超える携帯コレクションを保有
《木暮祐一》
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