【インタビュー】「おたすけ隊」で地域に合わせたサポート手厚く!……STNet 溝渕社長 | RBB TODAY

【インタビュー】「おたすけ隊」で地域に合わせたサポート手厚く!……STNet 溝渕社長

香川県高松市を拠点に、四国4県で光インターネット回線「ピカラ」を提供するSTNet。高齢化が進む地域に合わせた戦略で、着実にビジネスの規模を広げているという。

IT・デジタル 回線・ブロードバンド
取締役社長の溝渕俊寛氏
  • 取締役社長の溝渕俊寛氏
  • 取締役社長の溝渕俊寛氏
  • 取締役社長の溝渕俊寛氏
 香川県高松市を拠点に、四国4県で光インターネット回線「ピカラ」を提供するSTNet。高齢化が進む地域に合わせた戦略で、着実にビジネスの規模を広げている。昨年のトピックと今後の戦略について取締役社長の溝渕俊寛氏を直撃した。

■高齢者が安心して使えるサービスに

【編集長】現状、「ピカラ」について会員数は伸びてますか?

【溝渕氏】おかげさまで順調に会員数が伸びており、経営の屋台骨を支える存在になっています。今年度も引き続き、この好調を維持できるような努力を続けていきます。

【編集長】固定回線はすでに頭打ちだと話す通信会社も多いですが、まだまだ増える余地はあるとお考えなのでしょうか?

【溝渕氏】全国的に見れば飽和状態に近づきつつあり、特に都市部ではその状況が顕著です。ただ、四国においては、こうした動きは時間差で現れるので、まだ伸びしろがあると考えています。もちろん勢力図はだいぶ固まってきていますが、まだ手を付けるべきエリアもあるので、我々の領域として確保する努力を行うことになります。

【編集長】会員数を増やすうえで、どのような戦略を考えていますか?

【溝渕氏】四国は全国でも高齢化が進んでいるエリアで、コールセンターにも高齢者の方からのご相談が寄せられてきます。そこで、我々が心掛けているのが、あまり横文字の言葉を使わずに、時間がかかっても丁寧な対応を行うことです。そうして、「ピカラなら安心して使える」と、お客様に満足していただくことが大切だと考えています。

【編集長】それは、こと高齢化対策については、全国に先駆けて対応しているということでしょうか。

【溝渕氏】先駆けるというより、その必要性があったということでしょうか。例えば、電話がつながらなかったり、専門用語を早口で話されると、お年寄りの方は「もういいです」と諦めてしまいます。そこで、「ピカラ」では、なるべく日常的な言葉を使い、時間がかかってもお客様に納得していただくよう、スタッフ教育を行っています。もちろん、労働生産性は落ちますが、四国という土地柄を考えたうえでの、我々の流儀だと考えています。

■WiFiのトラブルを無料で訪問サポート

【編集長】「ピカラ」の顧客満足度を高めるために、他にも何か具体的に行っている施策があれば教えてください。

【溝渕氏】最近では家でもスマホで動画を観る人が増えており、より快適なWiFi環境が求められています。「ピカラ」では終端装置に無線アクセスポイント機能が搭載されていますが、そのトラブルについてのお問い合わせが、コールセンターにも寄せられるようになりました。そこで、今年の4月からスタートしたのが「Wi-Fi専門 ピカラおたすけ隊」です。

【編集長】それは、有料の訪問サポートのようなサービスでしょうか?

【溝渕氏】例えば、1階に終端装置を設置した場合に、2階の部屋に電波が届かないケースがあったとして、その原因は場所によってさまざまです。なので、電話対応だけで解決しない場合は、スタッフがご自宅まで訪問して、その解決法をお客様と一緒に検討しています。弊社ではこれを無料で提供していますが、お客様からご好評をいただくともに、「ピカラ」の認知を広めることにもつながっています。これからも強化していきたいですね。

■IoTで地域の課題を解決する

【編集長】WiFiのインフラでは、地域的な取り組みを行っているエリアもあるようです。御社でも何か行っていることがあれば教えてください。

【溝渕氏】これは、どちらかというとIoTの領域になりますが、地域や行政と連携した取り組みを進めています。例えば、高松市では夏の風物詩として、「サンポート高松トライアスロン」が毎年行われていますが、2017年にはこの大会でIoTの実証実験を行いました。ネットワークカメラでコースを監視し、LPWAネットワークを使って現場の気温や湿度をモニタリング。さらに、スタッフに「体調見守りウェア」を身に着けてもらい、心拍数や心電図のリアルタイム分析も行いました。

【編集長】それは実証実験ということでしょうか?

【溝渕氏】はい。ほかにも地域の課題解決に向けて、IoTの実証実験がいくつか動いています。例えば、高知県南国市では有害鳥獣を捕獲する罠について、その見回りの負荷を軽減するための監視装置を設置しました。罠に獲物がかかると、機器が撮影を行い、捕獲状況を確認できます。また、LPWAネットワークを使ったものでは、LPガスの検針データをクラウドで管理し、配送を最適化するという取り組みもあります。

■データセンター事業を新たな経営の柱に

【編集長】ここ最近における御社の主なトピックについて教えてください。

【溝渕氏】戦略的な投資として、データセンター事業があります。弊社では2013年の開設以来、データセンターサービス「Powerico」を運営しており、おかげさまで順調に利用者数が増えてきました。先日にはこれを拡張すべく、2棟目となる「Powerico-S」を着工しており、来年10月の稼働を予定しています。

【編集長】今後、御社の事業として力をいれていくということでしょうか?

【溝渕氏】通信の高度化が世の中の成長を引っ張っていく未来を考えると、データセンターが今後一層の脚光を浴びることは、間違いないと思います。わが社の将来を支えるような、屋台骨になってもらうためにも、力を入れているところです。

【編集長】データセンターサービスへの、法人需要が伸びているのですか?

【溝渕氏】そうですね。それに伴いデータセンターサービスも競争が激化していますが、香川県は地震や津波の危険性が少ない土地柄なので、地の利を生かしていきたいと思います。セキュリティにも万全の備えをしていきたいですね。ただ、最終的にお客様の信頼を勝ち得るには、長年に渡る安定した運用が必要です。サービスの開始から約4年が経ちましたが、これから先10年、20年と実績を積み上げ、「香川のデータセンターに任せれば安心だ」とのご好評を、いつの日かいただけるように、地道に努力していきたいと思います。

【編集長】それは地元だけでなく、関西や関東、日本全国にも利用者を増やしていくということですか?

【溝渕氏】オールジャパンですね。データセンターに距離は関係ありませんから、例えば首都圏にある企業の方にもご利用いただけますし、バックアップとしてのご要望もあるようです。さらにいえば、海外の方にもご興味を示していただいています。

【編集長】データセンターの利用者を増やすうえで、何か行っている取り組みはありますか?

【溝渕氏】高松市は「データ利活用型スマートシティ推進事業」に採択されており、データ利活用による地域課題の解決に向けて、官民学が連携して当たっています。そこに我々も参画し、IoTの活用などについてアイディアを持ち込み、わが社のデータセンターを活用するような絵姿を提案しています。
《とびた》

特集

page top