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2016年の「格安SIM」利用動向、音声通話付きSIMが6割に

IT・デジタル スマートフォン
MMD研究所所長の吉本浩司氏
  • MMD研究所所長の吉本浩司氏
  • 携帯電話の利用比率は、スマートフォンが64.9%、フィーチャーフォンが35.1%
  • 50~59歳でスマートフォンを利用している人は53.3%で、フィーチャーフォンの46.7%を上回った
  • Y!mobileと格安SIMを合わせた割合は、全体の8.9%。大手キャリアの利用が減り、格安SIMの存在感が増している
  • 格安SIMのサービス認知が拡大。しかし、中身まで正しく理解している層は微増にとどまる
  • 格安SIMで利用している端末はiPhoneが最多で、Xperia、ZenFoneが続く
  • 契約プランは音声通話付きSIMが6割で、MNPによる乗り換え利用者も増えている。大手キャリアの契約形態に近い形になってきた
  • 格安SIMサービスのシェア状況。1位はOCNモバイルONE、2位は楽天モバイル、3位はIIJmio
 MMD研究所は27日、MVNO事業者4社の担当者を招いて勉強会を開催。勉強会の冒頭には、MMD研究所所長の吉本浩司氏が2016年の格安SIMサービスの利用動向について報告を行った。

 吉本氏によれば、携帯電話の利用比率は2016年の時点でスマートフォンが64.9%、フィーチャーフォンが35.1%だった。スマートフォンの利用比率は前年比で2.4ポイント上昇しているものの、その成長は鈍化しつつあるという。利用率を年代別に見てみると、50~59歳でスマートフォンを利用している人は53.3%で、フィーチャーフォンの46.7%を上回った。年代が下がるとスマートフォンの利用率は上がり、15~19歳では90.5%となっている。

 メインで利用している携帯通信会社を調べた結果、前年比でドコモとソフトバンクが減り、auは横ばいだった。一方でY!mobileは0.8ポイントの上昇、格安SIMは前年比で260%の大幅増となっている。Y!mobileと格安SIMを合わせると、その割合は全体の8.9%を占める。大手キャリアの利用が減り、格安SIMの存在感が増していると言えそうだ。格安SIMの認知度調査では、“○○という会社があり、そういうサービスを提供している”程度の認知が拡大。しかし、サービスの中身まで正しく理解している層は微増にとどまった。格安SIMの利用層を調べると、男性の20代、女性の20~30代の割合が大きく増加していた。

 格安SIMカード利用者の8割はスマートフォンで利用。以下タブレット、モバイルルータと続いた。格安SIMで利用している端末のモデルはiPhone(22%)が最も多く、以下Xperia(16.5%)、ZenFone(13.4%)、ARROWS(7.6%)、AQUOS(5.5%)、HUAWEI(4.4%)となっている。

 スマートフォン利用者の契約プランは音声通話付きSIMが6割、データ通信専用SIMが4割弱。音声通話付きSIM契約者のうち、MNPによる乗り換え利用者は65%にも達している。吉本氏は「音声通話付きSIMにMNPで乗り換えるという、大手キャリアの契約形態に近い形になってきた」と解説した。

 2014年7月以降、音声通話付きSIMの契約数がデータ通信専用SIMの契約数を上回る傾向が続いており、今年に入るとその差は2倍にまで広がった。しかし、電話以外にもさまざまなコミュニケーションツールが利用できる昨今。音声通話付きSIMの契約数が伸びたからといって、必ずしも音声通話の利用者が増えたわけではないようだ。吉本氏は「メイン端末で電話が使えないのは困るから」といった、消極的な理由で契約している人も多いと指摘している。

 2016年5月の格安SIMサービスのシェア状況(コンシューマ向け。ビジネス利用を含まず)を見てみると、1位はOCNモバイルONEで15.3%、2位は楽天モバイルで14.3%、3位はIIJmioで12.1%、4位はmineoで9.8%という結果だった。吉本氏は「前回比では、楽天モバイル、mineo、BIGLOBE、FREETELの数字が伸びている印象。ただ、MVNO間でパイを奪い合うのではなく、大手キャリアからの流入、あるいはフィーチャーフォンからの乗り換えを促進していくことが格安SIM市場の拡大につながる」との認識を示した
《近藤謙太郎》
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