「Maker Faire Tokyo 2015」で、既存のキーボードでリコーダーを鳴らしていたのはR-MONO Labの展示だ。それぞれド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドの音階に対応するようにリコーダーの穴をふさいで、キーボードの鍵盤に対応させる。鍵盤を押すと、各リコーダーにつながったソレノイドバルブが開き、空気が流れて、そのリコーダーを鳴らす仕組みだ。 錘をのせたビーチボールを足踏みポンプで膨らませて空気を排出する。キーボード側のMIDI信号経由で、バルブをON/OFFさせるため、MIDI対応の電子楽器なら何でも使える。 ヨーロッパの大道芸で知られる手回しオルガンも空気圧で音を鳴らす自動演奏楽器で、このオルガンを展示していたのが今西科学だ。今回は、手回しオルガンを操作するためのミュージックロール用自動パンチ機を出展。ミュージックロールは、手回しオルガンを演奏するために用いられる穴の空いた紙で、左右方向が時間、上下方向が音階を示す。 1分間の音楽を演奏するにも約5000個の穴を空ける必要があり、手作業では大変だ。そこでSDカードにMIDIデータを保存し、それをArdinoで解釈してモータで制御することで、穴を自動的に空けるように工夫したという。 このほか、万力を活用したユニークな弦楽器「Vice Guitar」(デジタル・ファブリケーション研究室)や、「FUSHI」(キンミライ・ガッキ)という不思議な弦楽器も出展していた。 Vice Guitarは、ブリッジ部に万力が付いた楽器で、ネックになるモノに取り付けることですぐに使えるようになる。ある程度の強度を有し、細長い棒のようなモノであれば、何でも楽器になるという。たとえば、山にある木の棒に取り付ければ、すぐに演奏が可能だ。 どちらかというと楽器というよりも、アートに近いかもしれない。開発者の田宮氏は、Vice Guitarを「素材の音=環境が奏でる旋律」と捉えており、いろいろな旋律を求めて音を奏でる探求活動を「Vice Guitar Project」と呼んでいる。 一方、FUSHIは、2本の弓を合わせたようなボディ全体を横からしならせることで、弦のテンションを変化させ、連続的な無限の音階を操れる弦楽器だ。弦が引っ張られると高音になり、弦が緩むと低音になる。その振動をピックアップで捉え、アンプで増幅する。今回は、新たに自動発振回路を搭載した金属製モデルを発表した。
【Maker Faire Tokyo】超ミニバイク、i4004ボードの復活などマニアックな自作品の数々 2015年8月4日 「Maker Faire Tokyo 2015」では、多岐にわたって、ユニーク…