【インタビュー】「マルチキャリアMVNO」でmineoの20万契約突破狙う……ケイ・オプティコム藤野社長 2ページ目 | RBB TODAY
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【インタビュー】「マルチキャリアMVNO」でmineoの20万契約突破狙う……ケイ・オプティコム藤野社長

エンタープライズ 企業
ケイ・オプティコム 代表取締役社長 藤野隆雄氏
  • ケイ・オプティコム 代表取締役社長 藤野隆雄氏
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  • ケイ・オプティコム 代表取締役社長 藤野隆雄氏
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■9月からKDDIとNTTドコモの「マルチキャリアMVNO」もスタート

――「mineo(マイネオ)」の方はいかがでしょうか?

藤野氏:サービスを始めてから、しばらくの間KDDIの回線単体でサービスを展開してきましたが、今年の9月からはNTTドコモのネットワークも使う「マルチキャリアMVNO」を、日本で初めてコンシューマー向け提供開始します。また、家族間で余ったパケットをシェアできる「パケットシェア」や、家族内で異なるキャリアを利用している場合でもパケットがシェアできる「パケットギフト」についても合わせて実施しながら、キャリアの壁を越えた新しい便利なMVNOサービスの使い方を提案したいと思います。

サービスの導入に合わせて、JR大阪駅の商業施設「グランフロント大阪」にアンテナショップを7月16日にオープンします。MVNOのショップ展開は初の試みです。将来的にはそこで購入いただいた端末の即日手渡しや、回線開通サービスも実施します。

――mineo(マイネオ)の利用者数は現在どのくらいいるのでしょうか?

藤野氏:年度末で6万1,000人、サービスインから1年が経った6月で72,000人に到達しました。これまでのKDDI回線単体から、9月にNTTドコモのネットワークによるサービスを拡充した後は、順調に伸ばせれば1年で20万契約は上積みできると予測しています。これは法人契約も含めた目標数字ですが、その手応えはあります。

――MVNO市場全体の現状をどうみていますか?

藤野氏:通信サービスを本業としない企業も多く参入してきましたので、今後も健全なかたちで競争ができればよいと思っています。

――最近の携帯電話端末の傾向をどうみていますか?

藤野氏:当社もエントリーからミドル、ハイスペックまで各種端末を提供していますが、これからMVNOは大手キャリアからのMNP乗り換えが増えていくことも想定しながら、従来通りの機能やサービスを安心して使える国産モデルを含めて、端末のラインナップをより充実させていきたいと思っています。

――最近のコンシューマーは月々にどれくらいのお金を携帯電話のために使っているのでしょうか?

藤野氏:一般的には1人当たり8,000円ぐらいの試算になると見ています。大手キャリアでスマホを使う場合は月額利用料金を5,000円以下に抑えることは難しいのではないでしょうか。ところが、mineo(マイネオ)に変えれば端末代込みで月額2710、データ通信のみなら1000以下にまで抑えることもできます。

――そのメリットを知らない方もまだ多いのではないでしょうか?

藤野氏:MVNO自体のメリットをよくご存知の方はいらっしゃいますが、確かに一般層への浸透はまだこれからです。海外ではMVNOのシェアが全体の1~2割に増えているという地域もあるので、日本でもまだ伸びる余地はあるものと期待しています。

――MVNOは全国がマーケットになりますが、勝算をどうみていますか。

藤野氏:本来であればリアルの店舗を出店して足場を固めていくのが正攻法ですが、当社の場合は店舗展開はこれからですので、現状ではWebをメインに展開しています。Webのメリットは販促コストが抑えられるので、その分をお客様にも還元できます。さらに、今できることの中で最大限の強化策も打ちます。その一つはオンラインチャットによるサポートサービスです。Web経由でmineo(マイネオ)をお申込みいただく際、これまで問い合わせはコールセンターに電話、またはメールでご連絡いただく方法しか設けていませんでしたが、新設したオンラインチャットであればよりレスポンスよく、お客様の問題解決にスムーズなお手伝いができます。チャットのサービスを始めてから評判は上々です。

もともと当社の「eo光」のユーザー層は40代が中心でしたが、mineo(マイネオ)は30~40代がボリュームゾーンです。いまはMVNOの特徴ついてもよくご存知のリテラシーの高い方が中心ですが、これからはその皆様にインフルエンサーになっていただいて、口コミでmineo(マイネオ)の魅力を広げてもらえたら有り難いと思います。口コミを広げるための土台として、Webコミュニティサイトの「マイネ王」も充実させてきました。

――法人契約はMVNOが食い込んでいくのが難しい領域なのではないでしょうか?

藤野氏:確かにそうです。大手キャリアは法人向けサービスを割安で提供していますので、コストメリットが出せる強みがあります。そのぶんMVNOの場合は中小企業向けのサービスが中心になりますが、そうなると潜在顧客の数は大きいものの、契約獲得にものすごく手間がかかるので、すぐには成果を出しにくいと考えています。eo光を使っているご契約者様には携帯電話もセットでという形で売り込む手段も考えていますが、いずれにせよ1社ずつ回らなければならないのでやはり簡単にはいかないと思います。

――他業界のリーダー企業と組んでMVNOの展開を広げる考えはありますか?

藤野氏:そういったこともできれば良いと思いますが、実際にどんなパートナーと組むかは難しいところですので、慎重に検討を続けたいと思います。まずは9月のマルチキャリア展開がどこまでご評価いただけるかにもよると思います。評価が高まれば、他業種のパートナーに声をかけていただける可能性も広がりますので。
《山本 敦》
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