太田出版、批判集中の『絶歌』出版の意義説明……回収はせず | RBB TODAY
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太田出版、批判集中の『絶歌』出版の意義説明……回収はせず

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 賛否を呼んでいる神戸市で1997年に起きた連続児童殺傷事件の加害男性による手記『絶歌』の出版元である太田出版は17日、同書を出版した意義を公式サイトで説明した。

 同書をめぐっては被害者となった土師淳くん(当時11歳)の遺族が出版の中止および回収を訴えるなど、批判が集中している。遺族の心情に配慮し、同書の販売を見合わせる書店もある。

 太田出版は「なぜ遺族の了解を取らずに出版したのか、遺族の気持ちをどう考えているのか、なぜあのような猟奇的殺人者の本を出すのかなど、出版後、多くの批判をいただいています」と同書の出版をめぐる反響について明かした。

 しかし「本書は、決して本人の弁解の書ではありません。いわんや猟奇殺人を再現したり、忌まわしい事件への興味をかき立てることを目的にしたものではありません」とし、加害者の心の闇や問題を知ることで「深刻な少年犯罪を考える上で大きな社会的意味があると考え、最終的に出版に踏み切りました」と説明した。

 遺族に対しては「本書の出版がご遺族の方々にとって突然のことであったため、あの事件をようやく忘れようとしているご遺族の心を乱すものであるとしてご批判を受けています。そのことは重く受け止めています」とのこと。また、「本書がその内容よりも、出版それ自体の反響として大きくマスコミに取り上げられるであろうことや、それによって平穏へと向かいつつあるご遺族のお気持ちを再び乱す結果となる可能性を意識しました」としたが、「出版は出版する者自身がその責任において決定すべきものだと考えます。出版の可否を自らの判断以外に委ねるということはむしろ出版者としての責任回避、責任転嫁につながります」と出版に踏み切った考えを説明した。

 さらに、「私たちは、出版を継続し、本書の内容が多くの方に読まれることにより、少年犯罪発生の背景を理解することに役立つと確信しております」と回収の意思は無いことを明言し、「ご遺族にも出版の意義をご理解いただけるよう努力していくつもりです」と結んだ。
《花》
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