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モバイル×テレビによるブランド戦略とは……動画配信サービス「dTV」がスタート

ブロードバンド 回線・サービス
エイベックス通信放送株式会社 取締役 村本理恵子氏
  • エイベックス通信放送株式会社 取締役 村本理恵子氏
  • 22日から発売されるdTVターミナル
  • 付属のリモコンで本体が操作できる
  • dTVターミナルのホーム画面
  • コンテンツの詳細情報も確認ができる
  • 予告動画を再生しながら、十字キーの上下で同一ジャンル内の他の予告動画、左右で他のカテゴリーの動画が検索できる
■dTV独占配信やオリジナル制作コンテンツも拡充

 しかし、いくらdTVの操作性が良くなったところで、肝心のコンテンツに魅力がなければ事は始まらない。村本氏はdTVのコンテンツを拡充していくために、2つの戦略があると語る。

「一つは独自にライセンス契約をしたコンテンツを充実させていきます。アニメ『七つの大罪』や音楽ライブ映像の独占・先行配信など、他にはない旬な作品を多数取り揃えられることが強みです。もう一つはオリジナルコンテンツの制作にも力を入れます。既に発表した8月公開予定の『進撃の巨人』オリジナルドラマや、『仮面ライダー4号』などがその一例です。オリジナルコンテンツのラインナップについては、BeeTVを6年間展開してきた当社のノウハウを活かしながら、今後も幅広い年齢層のお客様に楽しんでいただける番組を拡充していきたいと思います」

 国内でBeeTVを6年間運営してきた実績は、dTVを成功に導くための大事な資産になるだろう。今年は秋に「Netflix」のVODサービスが日本に上陸することが決まっているが、欧米ではモンスター級の大手VODサービスも、日本国内でのブランディングやユーザーニーズの把握を相当丁寧に押し進めて行かないことには、参入当初は苦戦を強いられるだろう。その点で、スマホからのマルチデバイス化を経ながら、エイベックスとドコモが獲得してきたノウハウは、今後の競争を勝ち抜くための強力な武器になる。その資産がdTVのプラットフォームに活かされている一例もある。

 ザッピングUIにはユーザーの過去の視聴履歴からおすすめ作品をレコメンドする「あなたにオススメ」チャンネルの機能が搭載されている。このレコメンド精度を高めるバックグラウンドの技術に「フィルムメタ」と呼ばれるタグ情報の付与システムがあるのだが、この1,000を超えるフィルムメタは、フィルムアナリストと呼ぶ映像のプロフェッショナルが全ての映像作品を分析しながら付与するのだという。その上に、ユーザーの視聴履歴や視聴時間、性別、年代などの視聴データを掛け合わせることで、ユーザーの志向に合ったコンテンツを自動で構成するという。このようなシステムは一朝一夕で構築できるものではなく、まさしくdTVならではの強みになる。「当社ではいくつもの失敗を経験しながら、日本国内については10代から60代まで幅広いユーザーの好みや、VODサービスの楽しみ方を把握してきました。dTVは独自の強みを活かすことで、他社のサービスに負けないクオリティをお客様に提供できると自負しています」と村本氏はアピールする。

 「dTVのローンチ後には、個人的な目標として1,000万ユーザーの獲得を目指したい」としながら、村本氏は今後の抱負を次のように語ってくれた。「でもそれは実現不可能な数字ではないと考えています。なぜなら、BeeTVがスタートした頃は数十万が限界と言われていた会員数を、最大で180万人まで伸ばしてきました。dビデオも200~300万で頭打ちと言われながら、400~500万規模にまで到達しています。その実績を考えれば1,000万は無謀な目標ではありません。新しい驚きやサービスが生まれれば、お客様は必ず動いてくれます。これから新規にユーザーを獲得していくためにコンテンツを充実させながら、一方でユーザーの皆様に“これが見たかったんだ”というドキドキ感をできる限り多くご提供することが大きなポイントになってきます。今年はおそらく『VOD元年』の年になると見ていますが、その記念すべき年に新しいブランドとサービスを着実に成功させたいと考えています」
《山本 敦》
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