2020年東京オリンピックで屋外看板や建築物が変わる? | RBB TODAY

2020年東京オリンピックで屋外看板や建築物が変わる?

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ミマキエンジニアリングの屋外広告用プリンター
  • ミマキエンジニアリングの屋外広告用プリンター
  • ラミネーター
  • ミマキエンジニアリングの主要事業:SG
  • 製品への印刷も対応
  • 布、グッズへの印刷
  • MMCS Warranty Program発表会シンポジウム
  • 東京造形大学副学長 地主廣明氏
  • 19世紀までの建築はファサードにコミュニケーション機能があった
 11日、ミマキエンジニアリングが主催する街の看板に関するシンポジウムが行われた。これは同社が発表した、屋外看板の新しい保証制度の発表に合わせて実施されたものだ。

 ミマキエンジニアリングは、屋外看板などのサイングラフィックス(SG)、産業印刷(IP)、服やグッズへの印刷であるテキスタイルアパレル(TA)の3つの分野で事業展開をする企業だ。売上の74%が海外という屋外の巨大看板用プリンターではトップシェアを誇るという。

 その、ミマキエンジニアリングが発表した保証サービスは、屋外看板など施工後の退色、ひび割れ、剥がれのようなトラブルに対して、3年間までメディア(用紙)とインクを保証するというものだ。施工業者やメディアメーカーが用紙やシートなどに対する、独自の保証プログラムを展開することはあったが、プリンターメーカーが直接保証するというのは、おそらく世界初ではないかという(ミマキエンジニアリング 営業本部 JP事業部 事業部長 羽場康博氏)。

 3年保証プログラムを受けるには登録申請や指定のプリンタや施工方法などの条件がある。詳細はミマキエンジニアリングに確認してほしいが、同社がこのような保証サービスを始めた理由は、粗悪なメディアやインク、施工方法による無駄な印刷を減らすことで環境問題に多少なりとも貢献することだ。屋外広告・看板用の大型プリンターやインク、メディアについては廉価な海外製品や業者も増えているが、耐候性能や環境性能に劣り無駄なゴミや環境破壊につながることもあるという。

 発表会と同時に開催されたシンポジウムでは、まさにこの問題が話し合われた。パネリストは、東京造形大学の地主廣明副学長、リーダーシップアカデミー TACLのピーター D. ピーダーセン代表、ヒットの業務推進チーム広報担当里田恵梨子氏の3名だ。地主氏は、日本オフィス学会理事や日本建築学会委員なども務めるデザインや建築の造詣が深い。ピーダーセン氏は日本にロハスという概念を紹介した人物で、新しい企業リーダーの育成に取り組んでいる。里田氏の所属するヒット社は、屋外看板やサイネージなどを手掛ける会社で、首都高から見える看板や渋谷のセンター街の看板などを手掛ける。

 地主氏は、建築デザインの変遷からこれからの建築物の外観を予想した。19世紀まで建築物の正面(ファサード)は、看板の役目を持っており、外観から教会、学校、ホールなどがわかるようになっていたという。建築物自体が機能を伝えるメディアでありコミュニケーションツールでもあった。これが20世紀に入ると「装飾は罪悪」との考え方が台頭し、建築物は平面的になった。しかし1960年代に入ると「ポストモダニズム」として再び建物のコミュニケーション機能が見直されたという。現在の建築物、これからの建築物は平面の上に多様な空間を作ってそれを重ねていくようなデザインが増えるのではないかと地主氏はいう。1964年の東京オリンピックではピクトグラムが生まれ看板(標識)に変化をもたらした。2020年のオリンピックでは、新しい看板やファサードのデザインが生まれるのではないかと述べた。

 ピーダーセン氏は、資源を消費し廃棄物を出すだけの企業から、再生可能エネルギーやリサイクルを活用した持続可能な企業形態として、インターフェイス社やレゴといった事例を挙げ、環境性能や取り組みは新興国との価格競争に勝つ重要な要素であるとし、ミマキエンジニアリングの取り組みには期待したいと述べた。

 里田氏は、スマホ時代の屋外看板の価値を考えているという。ヒットではデジタルメディアの広告や看板も開発しているが、長期間、必ずそこに表示されている屋外看板が有効な場面は多いという。同社が実施したアンケートでも、看板と企業イメージの結びつきは強く、デザインがきれいな看板は企業イメージを良くするという結果がでている。また、耐候性に優れた屋外看板について、オリンピックの会場での露出、首都高ジャック広告などへの可能性を示唆した。

 中国の都市開発では、海外の著名デザイナーや建築家による意匠の凝ったビルが増えている。また、2020年に向けて新しい都市計画も進んでおり、日本には海外からの観光客や訪問者がさらに増え、多様な言語や文化に向けた建物や看板が現れてくるのだろうか。
《中尾真二》

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