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【インタビュー】最新規格「11ac」が生み出す価値……企業無線LAN構築のポイントとは?

エンタープライズ ハードウェア
アルバネットワークス シニアテクニカルコンサルタント 池田豊氏
  • アルバネットワークス シニアテクニカルコンサルタント 池田豊氏
  • アルバの11ac対応アクセスポイント。右が屋外用の270シリーズ
  • MicroSoft Lyncとの親和性を示すデモ。アプリケーションごとにトラフィックを最適に調整し、輻輳状態でも利用可能に(右のPC)。制御していない左のPCではコマ落ちなどが頻発
  • 60台のクライアントを収納した場合の比較。安定した接続に自信をみせる
  • アプリケーションを識別し、細かい制御が可能
  • Microsoft Lyncとの親和性が高く、UC環境構築に強み
――アルバネットワークスの無線LAN環境で実現できる具体的なメリットを教えてください

 アルバでは、独自のDPI(Deep Packet Inspection)技術を用いてL7レベルも含め1500以上のアプリケーションを識別、可視化、制御しています。単一のアプリケーションごとではなく、アプリケーションカテゴリのようなものを設けることもできます。例えば、ビットトレントやPeer to Peer系のアプリケーションなどは会社のポリシーでNGとした場合、すぐにそのパケットは破棄するといった処理が可能です。また、最近では1ユーザーが複数デバイスを持っていることが当たり前になっています。そこで、ラップトップ、スマホ、タブレットを持っている場合、タブレットとスマホからはSNSへの書き込みを禁止し、ラップトップからは許可するなど制御をかけないこともできます。

 さらに、トラフィックの制御もユーザーやデバイスごとに行うことが可能で、無線空間を効率的に使っていただけるような提案を行っています。現状はある程度スタティックにしか制御できませんが、いずれはもっと動的な制御も可能にする予定です。

 ユニファイドコミュニケーション(UC)が注目されていますが、マイクロソフトが提供するコミュニケーションシステム「MicroSoft Lync」と親和性が高いという特徴もあります。Lyncのパケットは、細かく分けると「Voice」「Video」「デスクトップ共有」「ファイル転送」「インスタントメッセージ」の5つが存在します。これらはすべて暗号化されており、他社の場合では「Lyncのパケット」ということで丸ごとの処理しかできません。アルバの製品は、Lyncのパケットを細かく識別してより高度な制御を行うことができる技術を唯一保持しており、各パケットを見分けてしかるべき優先順位をつけてパケットを処理することが可能です。これによって無駄なファイル転送やインスタントメッセージのパケットがあった時など、処理の優先度を下げてやることで、輻輳状態のタフな環境でもビデオや音声が途切れないで使える、といったことが起きるわけです。

 さらに、アプリケーションごとのトラフィック状況、ユーザーの無線環境をリアルタイムで確認することができることによって、トラブルの際に何がボトルネックになっているのかが容易に判別でき、トラブルシューティングがきちんと提供できることも強みです。無線でLyncのようなサービスを使うことに消極的なシステムインテグレータの方もいらっしゃいますが、アルバの製品であれば安定して利用できることをもっと知っていただきたい。エンドユーザーも、モビリティが向上すれば、こうしたUC製品の効果をより体感できると考えています。

――11ac対応としては世界初の屋外用アクセスポイントも発表されました。どういった特徴やニーズがあるのでしょうか

 これまでの屋外用機器と違って、専用のアームにスライドインするだけで簡単な設置が可能になっており、細かい金具などが不要になっています。見た目も景観への影響を最小限にするように工夫しており、IP66/67相当の保護性能も実現しました。今のところ、公共の場所や大学、病院やショッピングセンターなど、やはり多くの人が集まる場所での引き合いが多くなっています。

 少し大きな話になりますが、将来的には、11ac対応の屋外用アクセスポイントでメッシュネットワークを構築し、バックホールを作ることができるのではないかと考えています。11acでバックホールが作れれば、十分な実行スループットを確保することが可能になるはずです。

――本日はありがとうございました。
《白石 雄太》
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