【松本人志インタビュー】「僕は“商業”M。その方が楽だった」 | RBB TODAY
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【松本人志インタビュー】「僕は“商業”M。その方が楽だった」

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松本人志監督/写真:鴇田 崇
  • 松本人志監督/写真:鴇田 崇
  • 松本人志監督/写真:鴇田 崇
  • 松本人志監督/写真:鴇田 崇
  • 松本人志監督/写真:鴇田 崇
  • 『R100』 (C) 吉本興業株式会社
  • 『R100』 (C) 吉本興業株式会社
  • 『R100』 (C) 吉本興業株式会社
  • 『R100』 (C) 吉本興業株式会社
 2007年『大日本人』、2009年『しんぼる』、2011年『さや侍』――唯一無二の価値観で観客を翻弄する作品を発表し続けている松本人志監督、その第4作目となる『R100』が本日公開を迎える。すでに第38回トロント映画祭で喝采を浴び、ニューヨーク、ロサンゼルスなど北米での公開も決定するなど、日本だけではなく、海外で高い評価を獲得している『R100』。日本映画界を象徴する豪華キャストを誘い、レーティング突破を意味しているだろうタイトルと、松本監督が興味を抱く“SとM”のテーマで、何を描いたか? 本人に話を聞いた。

 今回の映画のテーマである“SとM”には、もともと関心が強かった。なぜならば、お笑いという職業に関係してくる思考で、松本監督には日常的なモノだったからだ。「世間一般的にはわりと僕がMで浜田(雅功)がSって感じ、ですよね。僕自身も自分でそういうことをよく言うんですけど、そもそも僕はMじゃなかったなあと思うんですよ。おそらくお笑いをやっていく上で、浜田がSで僕がMになっていったほうが笑いを獲りやすいというか、楽だったんでしょうね。だから、そういう意味では、本当に商業Mだなあと自分では思いますね」。

 そのM面を体現する役割が、大森南朋扮する主人公の片山貴文。都内有名家具店に勤務、家庭がありながら、彼は謎のクラブ「ボンデージ」に入会してしまう。それは、さまざまなタイプの女王様たちが片山の日常生活の中に突然現れ、彼をこれまで味わったことのない世界へと誘ってゆくシステム。すなわち、店内ではなく、日常生活を送っていると、女王様が突然現れるというサプライズ感満載のサービスだ。

 「ただ、実際にSMプレイとしては、ほとんど本当にあるプレイだと思いますね」と松本監督は説明する。「水攻め、つば攻め、ムチ、ロウソク――さすがに寿司はないか(笑)。ただ、この寿司は、僕が過去に『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM』という作品の中でやったものなんですね。あれは笑いを獲るためにやっていて、完全コメディーなんですけど、あえてこの映画に持ってきて、演者や演出が変われば同じことをやっていても全然見方が変わってくる、ということをやってみたかったということはあるんですよねえ」。そういえば監督第2作の『しんぼる』でも、寿司をアイテムとして扱っていた。“SとM”というテーマ同様、寿司についても何か特別な想いが……!? 「あ! そうですねえ。いや、寿司に対しては……それほどこだわりはないですけど(笑)」。

 前述の映画祭で、海外の有力メディアでの評判は上々だ。ワイルドでクレイジー、マッドネスというワードが紙面を踊り、ジョン・ウォーターズやデヴィッド・リンチと並べて激賞する媒体もあったという。常識を超えた摩訶不思議な世界観ゆえに、本人を前にして掲げた主題を(野暮は承知で)思わず尋ねてしまったが、松本監督は「ただ、メチャクチャをやりたかった」と謙遜を込めて(?)語るのみだ。実に公開後の反響が楽しみな一作。

 『R100』で「ただ、メチャクチャをやりたかった」松本監督は本作で想いを出し切ったそうで、過去最高の自信作になったとも断言する。「映画を撮っていると、監督としてはどうでもええシーンが絶対出てくるんですね。それはストーリーをつなぐだけのシーンだけだったりするので、正直退屈なシーンが毎回あるものなんですよね。でも今回はそういうシーンがほぼなくて、全シーン見せ場になったような気がしていて、自分でもけっこう驚いているとこなんですよね」。松本監督の挑戦を受け止める覚悟は、いいか?
《鴇田 崇》
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