【美容家電特集】新規参入のシャープ その戦略と商品(前編) | RBB TODAY
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【美容家電特集】新規参入のシャープ その戦略と商品(前編)

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プラズマクラスター機器事業部 健康美容事業推進センター所長 六車智子氏
  • プラズマクラスター機器事業部 健康美容事業推進センター所長 六車智子氏
  • ドライヤー IB-HD92
  • チャーム IB-CH12 充電スタンド(左)と本体(手前)、ミスト IB-MT12(中央)
  • チャームは超小型・軽量。胸元にクリッピングして装着できる。USBによる充電も可能。
  • スチーマー IB-ST72(左)、デスクトップモイスチャー IB-HU32(右)
  • ベッドサイドモイスチャー IB-BS12
 シャープは9月に、プラズマクラスターの技術をドライヤー、ミスト、スチーマーといった美容家電に応用した、新しい家電シリーズを発表した。国内では、この市場においてパナソニックのナノイーブランドが有名だ。しかし、先行するナノイー製品がマイナスイオンを発生させるだけなのに対し、シャープのプラズマクラスターはプラスイオンも発生させることが特徴となっている。美容家電市場でも両雄の対決が繰り広げられることになるのか、同社に参入目的や市場戦略などを聞いた。

■エステと化粧品の間を埋める美容家電

 取材に応じてくれたのは、PCI・LED照明事業推進本部 プラズマクラスター機器事業部 健康美容事業推進センター 所長 六車智子氏だ。六車氏は、もともとヘルシオを開発した調理器の事業部で新規事業の開発を担当していた。そこで、プラズマクラスターを応用したドライヤー製品の開発を手掛けた功績を買われ、現在の部署に製品ごと異動してきたという。

 PCI・LED照明事業推進本部は、健康や環境を考えた製品開発を軸とする部署で、ヘルシオのような健康調理器具、プラズマクラスターの空気清浄機、いやし効果のある桜色LEDなどを手掛けている。シャープがプラズマクラスターを応用し、美容家電市場に参入した背景について、六車氏は、「プラズマクラスターは、その除菌効果や保湿効果を空気清浄機といった製品に応用し、病院、ホテル、タクシーなどでの採用実績など定評があります。しかし、さまざまな効果の検証をしているうち、肌や髪の毛のケアにも有効であることがわかってきました。それを肌荒れ防止や静電気対策に利用できれば、コモディティ化の進んだドライヤーや美容機器に高い付加価値をつけられるのではないかと考えたのが発端です」と語る。そして、空気ケアで認知や実績が進んだプラズマクラスターを、より人体に近いところで役立てることでその可能性を広げ、「プラズマクラスターの技術を事業の太い柱にしたい(六車氏)」との思いから、美容家電への参入を決めたという。

 ただ、美容家電市場においては後発組といえるシャープに勝算はあるのだろうか。「先行するメーカーや美容業界の市場を奪おうなんて大それたことは考えていません(笑)」と、控えめな前置きをしつつも、六車氏は市場戦略について次のように説明する。

 まず、プラズマクラスターを応用した美容家電シリーズのラインナップだが、ドライヤー、リビングやデスクに置くモイスチャー、肌や髪の毛の集中ケアに適したスチーマ―、寝ながら美顔、健康管理に使えるベッドサイドモイスチャー、そして、携帯可能なチャームとミストとなっている。これらの商品によるケアは、化粧品と、美容院やエステの中間に位置するもので、エステ業界や化粧品業界とはうまく共存できるという。

 「化粧品は毎日利用するものですが、その分単価はそれほどでもありません。エステなどは月に1回から数回の利用が一般的ですが、1回の料金は高額になります。美容家電は、効果と費用面で、両者の間を埋めるものだと思っています。それに、エステも美容家電も化粧品も、どれかをやればどれかが要らないという関係にはありません。逆に普段使っている化粧品を変えずに、美容家電がその効果を上げたり長持ちさせてくれる。エステの効果を後押ししてくれる、といった同社製品のポイントは多くの女性に受け入れてもらえると思います」

(後編に続く)
《中尾 真二》
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