【ひとりでいけるもん!Vol.2】男ひとりで乗るシースルー観覧車 | RBB TODAY

【ひとりでいけるもん!Vol.2】男ひとりで乗るシースルー観覧車

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最近のお台場といえば、ガンダムですが……、
  • 最近のお台場といえば、ガンダムですが……、
  • 観覧車も忘れてはなりません!
  • 64台のゴンドラの中で4台だけシースルーのゴンドラがあります。
  • 普通のゴンドラは待ち時間がないけれど、シースルーは15分待ちでした。
  • 360度丸見えがシースルーのよさ! スマホで自分の声を録音してみました。
  • 東京タワーにレインボーブリッジ。この景色を独り占め!
  • 記念撮影した写真は一枚1000円。ひとりでは少々高い。
  • ゴンドラ内で録音した音を聞く。自分がすごく楽しそうで行ってよかったと思う。
 スマホを持って出かければ、ひとりでも怖くない! と自分に強く言い聞かせ、ひとりでは行かない場所に行ってみるこの連載。第2回の今回は「観覧車」にひとりで乗ってみようと思う。

 それもただの観覧車ではなく、シースルーの観覧車だ。本来観覧車のゴンドラといえば、赤や青とカラフルだけれど、お台場にある観覧車は64台のゴンドラうち4つだけシースルーなのだ。全国的に見てもシースルーのゴンドラは決して多くない。骨組みを除けば全て透明。前後左右はもちろん上下だって自由に見渡せるのだ。

 以前からお台場に行く度に乗ってみたいと思っていたのだけれど、特にこのシースルーのゴンドラには毎回カップルが乗っていて、なんだか気が引けて乗れずにいた。しかし今の私にはスマホがある。きっとひとりでも問題なく楽しく乗れるはずだ。

■お台場=カップル

 晴れた休日の昼下がり、ひとりお台場へとやって来た。駅から出るといきなり見える観覧車と手をつなぐカップル。同じようなインパクトで目に入った。今年に入り「ダイバーシティ東京」が開業して、デートスポットとして最適なのだろう。一応、私もダイバーシティ東京でガンダムを拝んだ後に、一歩一歩力強く歩みを進め、観覧車へと向かった。

 子供の頃から観覧車が好きで、よく母にせがんで乗せてもらっていた。だんだんと建物が小さくなる様がたまらなく良いのだ。しかし、大きくなるに連れ、そんな機会はなくなり、上京してからは観覧車は完全に下から見るだけのものになっていた。乗りたいけれどひとりでは何だか恥かしくて乗れないのだ。誘う相手がいなのだからしかたがない。だから今日こそはと心に決めている。その結果の強い足取りなのだ。

 観覧車の下にやって来ると、ちょうどシースルーのゴンドラが見えた。カップルが乗っている。シースルーだからよく見える。チケット売り場に行くと係りの人に「ひとりですか?」と聞かれた。はい、と照れながら答え、待ち時間を見ると、普通のゴンドラは0分だったけれど、シースルーは15分待ち。私はどうせ乗るのならば、待ち時間はあっても今までの人生で一度も乗ったことがないシースルーと決めている。いくつになっても初体験というものは人をワクワクさせるのだ。ただ目の前のカップルは「どっちに乗る?」と春風のような会話を繰り広げていた。それを聞いて急に冷たい海風がただただ身にしみ始めた。

 チケットを買い、階段を上ると次は記念撮影だった。全員もれなく撮影され、乗車後に販売されるそうだ。ここでも「ひとりですか?」と聞かれる。2回目だ。照れながら「はい」と答え、やっぱり照れながらひとり記念撮影をした。後で確認したらピースの指が若干前かがみになっていた。ひとりという場違いからの自信のなさがピースの指にまで反映されている。もう全然ピースではなくバールの形態模写に近い。

 スマホでTwitterを見ながら15分という待ち時間を過ごした。なんとなく「観覧車」で検索すると「透明な観覧車に乗ってる!」というツイートがあった。3分前のツイート。いま乗っているのだ。「!」を見るとやはり楽しいのだろう。このツイートを見てひとりという寂しさが消え、当初のワクワクが舞い戻ってきた。何せ人生初のシースルー観覧車。スマホが私に暖かい追い風をもたらしたのだ。

■暖かい追い風、冷たい海風

 チケットを渡す時に「ひとりですか?」とまた聞かれた。3回目である。ちなみにこの観覧車には「大観覧車伝説」なるものがあり、頂上でキスをすると2人は結ばれるそうだ。ひとりで乗ると良縁に結ばれるみたいなのはなかった。ひとりへの風当たりが海風以上に強く冷たい。先のスマホによる暖かい追い風と冷たい海風でそのうち雨でも降り出すのではと思ったほどだ。

 いよいよシースルーのゴンドラがやってきて、係りの人に導かれ、乗り込む。「ひとりですか?」とまた聞かれた。4回目。もうなれたものである。「ええ」と笑顔で答えた。追い風が勝ったのだ。ドアが閉められ、いよいよシースルーを堪能である。と、ここで気が付いたのだけれど、下から見た時に「カップルが乗っている」と分かったように、今は逆に下の人に「ひとりで乗っている」と分かるわけだ。そのためか、下の辺りは妙にむずむずと恥かしかった。

 ただし上に行くに従い、景色はよくなり、透明な床を見ると、心臓がキューと小さくなる感じがして、それが逆に楽しかった。遠くに東京タワーが見え、その手前にはレインボーブリッジが見える。何もかもが小さい。高いところから東京を見ていると「ひとりであることなんて小さなことだ」と思えるようになるから不思議だ。

■録音で記憶は楽しいものに!

 さらにひとりということは、この景色を独り占めできているのだ。考え方を変えればとても贅沢なこと。独占欲の強い私としてはむしろひとりはいいことなのだ。そんな風に満足しながらゴンドラを降りると、乗る前に撮った記念写真が並んでいた。多くのカップルと家族連れの記念写真が並ぶ中、私ひとりの記念写真。急に現実が来た。恥ずかしいし、寂しいのだ。係りの人が1000円です! と言う。高いので買わなかったけれど、500円なら買うのにな〜と帰りの電車の中で思った。いや、待てと思う。カップルで行けばひとり500円ではないか。ひとりだから高いのだ。現実という冷たく強い風が勢いを取り戻していた。

 これで終わればひとり観覧車はツラい、で終わりそうだけれど、今回はゴンドラの中でスマホを使い、自分の声を録音していた。それを喫茶店に入り聞いてみると「高い!」「楽しい!」「あ、屋形船!」とすべてに「!」が付く、発言を私はしていた。楽しかったのだ。ゴンドラの中には現実はない。それほど楽しげな声だった。これを聞いているうちに暖かい追い風を感じ、また行きたいと思った。スマホは楽しい思い出だけを保存してくれるのだ。ひとりごとが多いタイプでよかったと思ったのも今回が初めてだった。

ひとりシースルー観覧車
オススメ:★★★
ハードル:★★★
ゴンドラ内の楽しさ:★★★★★
《地主恵亮 》

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