【WTP2012】電磁ノイズの多い場所や電波の通らない水中でも通信可能! 可視光によるユニークな通信事例 | RBB TODAY
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【WTP2012】電磁ノイズの多い場所や電波の通らない水中でも通信可能! 可視光によるユニークな通信事例

ブロードバンド テクノロジー
新しい通信方式として、可視光通信のユニークな実例が多数展示されていたアウトスタンディングテクノロジーのブース
  • 新しい通信方式として、可視光通信のユニークな実例が多数展示されていたアウトスタンディングテクノロジーのブース
  • 携帯型可視光トランシーバー「IVLCトランシーバーTR01」。上側に送信用LED光源、下側に相手側の光信号を受ける受光素子がある
  • ヘルメットに「IVLCトランシーバーTR01」を取り付け、現場での音声通信を可能にした
  • 照明を発信源として兼用した「コミュライト」と呼ばれるシステム。一見すると、何の変哲もないライトにみえるが、照明の光にIDを重畳してある
  • 上からコミュライトの光を受けると、重工側の端末経由でアプリケーションが起動する。美術館の展示物の説明などに利用できる
  • 関西電力と共同開発した可視光通信の試作システム。対面に発信/受光システムを配置。通信距離は4mほどで、無線LAN並みの通信速度(4.5Mbps)が出せる
  • 天井に照明装置を設置し、机上に置かれた受光装置で光信号を受ける。無線LAN並みの通信速度なので、インターネットの接続もストレスがない
  • 天井に配置された発信側の装置。照明と兼用されており、ほとんど違和感がない
 「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2012」では、さまざまな通信方式によるコミニュケーションの実例が紹介されていた。特にユニークだったのが、アウトスタンディングテクノロジーのブースで紹介されていた可視光通信の事例だ。

 可視光通信は、LED光(波長360~830nm)をベースに、信号を重畳して通信する空間通信技術だ。最大のメリットは、金属加工など電磁ノイズが氾濫する場所や、病院のように法規制で通信できない場所でもワイヤレス通信を実現できること。また電波が通りづらい水中でも通信できるため、ダイバー間での会話も可能になる。さらに既存の通信と異なる点は、光を媒体とするため、通信が目に見えるという点だろう。視覚的な情報アクセスが行えるため、アミューズメントや美術館などの展示案内への応用も効くのだ。

 その一方で、いくつかデメリットもある。通信距離がそれほど長くないことや、一定時間の間、光が遮られると通信が遮断してしまうという点だ。しかし、そういった弱点を差し引いても、従来不可能だった場所での通信ができる点は大きなアドバンテージになるだろう。

 可視化通信の基本的な仕組みは、音声・映像などのさまざまなデータを、電気信号から光信号に変換するというものだ。変換信号は、変調されてベースとなるLED光の搬送波に重畳され、LED送信モジュールから発信される。その信号を受信モジュールのセンサーで受け、OE変換(光→電気)することにより電気信号に変えて復調するという流れだ。展示ブースでは、可視光通信のユニークな実例が多数展示され、来場者の関心もかなり高かったようだ。たとえば携帯型可視光トランシーバー「IVLCトランシーバーTR01」をヘルメットなどの作業用具に取り付けて、トンネルや工場などの現場で音声通信を可能にする例が示されていた。また照明を発信源として兼用できる点も面白い。「コミュライト」と呼ばれるシステムでは、照明光にIDを重畳しておき、光を受けるとアプリケーションが起動する仕組みだ。例えば、美術館などで、照明の下に受光端末を持っていけば、展示品の説明を音声で流すことも可能となる。

 また同社と関西電力が共同開発した可視光通信の試作システムも公開されていた。変電所などでは、電磁波の影響で電子機器が誤動作しないように無線LANの使用を控えている。そこでアウトスタンディングテクノロジーの技術を導入し、可視光通信によってフォトカプラーのように利用するというものだ。高出力な白色LEDを光源とし、通信距離4mで4.5Mbpsという高速データ伝送を実現したという。ブースのデモでは、前述のように2拠点で対向通信するケースや、天井に照明装置(親機)を設置し、机上に置かれた受光装置(子機)で光信号を受けて、インターネットに接続する事例も紹介されていた。

 このほかにも液晶ディスプレイのバックライトを利用し、その光に音声信号を乗せることで、受光側のスピーカ―からサウンドを流すサイネージのデモも行われていた。とにかく光さえあれば、それで通信が可能になるという発想は目からウロコもの。こういった通信方式が今後いろいろな分野で浸透していきそうだ。
《井上猛雄》
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