【東京モーターショー11】スマホナビを車載モニターに表示して操作可能に | RBB TODAY
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【東京モーターショー11】スマホナビを車載モニターに表示して操作可能に

エンタープライズ 企業
クラリオンのスマートフォン連携システム
  • クラリオンのスマートフォン連携システム
  • ナビゲーションのハードウェアは国内で販売されている者が ベースだった
  • スマートフォンはNOKIAのSymbian OS端末
 クラリオンは東京モーターショー2011に日立グループとして出展、次世代製品のスマートフォン連携システムを展示しデモをおこなった。

 ナビのハードウェア自体は日本の市場で発売しているものがベース。スマートフォンの端末はノキア製で、同社が提唱する車載モニター/スマートフォン連携フレームワークの「Terminal Mode(ターミナルモード:商標はMirrorLink)」を利用している。クラリオンは2010年6月にノキアと提携を発表し、スマートフォンインターフェースの開発を共同でおこない、ノキア端末向けのアプリストア「Ovi Store」を活用した車載機器向けアプリケーションサービス事業を構築することを明らかにしている。

 WVGAの解像度を持つ車載モニターの左端スペースには、電話やオーディオなどの操作アイコンが常時表示され、こちらはスマートフォン側の画面にはない独自メニューだ。それ以外はスマートフォンの描画をそのまま車載モニターに表示し、車載モニターのタッチパネルにより操作が可能となっている。

 ノキアは、このターミナルモードをアウディ、BMW、ダイムラー、フォルクスワーゲンなど欧州の自動車メーカーなどが名を連ねる「Consumer Electronics for Automotive(CE4A)」に対して標準化を積極的に働きかけている。CE4Aは携帯機器とECUとのインターフェースの標準化を進めるために組織されたコンソーシアムだ。

 ターミナルモードの規格が提唱された当初は、Symbian OS(とMeeGo)端末での運用が念頭に置かれており、実際に会場に展示された端末もSymbianのスマートフォンだった。しかし、急転直下のマイクロソフトとの提携によりノキアがWindows Phone端末の供給を本格化させれば、「Windows Phoneでもターミナルモードは利用できるようになるだろう」(説明員)とのこと。

 展示されたデモでは、スマートフォン側でオーディオ機能やナビゲーションの計算、描画まですべてをこなしており、反応速度や描画速度は端末の性能に依存するようだ。クラリオンでは、ノキア以外にもiPhoneやAndroid端末での車載器連携も開発を進めているとのこと。車速パルスなどの自律センサー情報をスマートフォン側のナビにマッチングさせる技術や、ECU情報の活用など車載器メーカーの強みを生かした高精度なスマートフォンナビゲーションを実現しようとしている。

 なお今回のモーターショーでは、デンソーがスマートフォンと車載器の連携サービスとして北米で展開する「Entune(エンチューン)」の日本版ともいえる「アルペジオ」を披露・発表している。

 ただ、国内では、AVNの売れ筋モデルで10万円台前半で推移しており、価格が落ちてきたとはいえ依然として高額かつ旨みのある市場。見た目では本格AVNとほとんど変わらず、通信を含めた機能面ではスタンドアローンナビを凌ぎながらも価格の安いスマートフォン連携ナビは、PND以上にAVNとの棲み分けが難しい。単にハードを売るというやりかたにとどまらない、新たなビジネスモデルを確立できるかどうか、メーカーの舵取りが問われそうだ。


《北島友和》
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