【インタビュー】スマホユーザーを確実に捉えサービス拡充……ワイヤレスゲート | RBB TODAY
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【インタビュー】スマホユーザーを確実に捉えサービス拡充……ワイヤレスゲート

ブロードバンド 回線・サービス
RBB TODAYが実施した「モバイルアワード 2011」においてワイヤレスゲートが公衆無線LAN部門にて、3年連続で1位を獲得
  • RBB TODAYが実施した「モバイルアワード 2011」においてワイヤレスゲートが公衆無線LAN部門にて、3年連続で1位を獲得
  • 代表取締役CEO 工学博士 池田武弘氏
  • 取締役COO 原田実氏
 RBB TODAYが実施した「モバイルアワード 2011」において「ワイヤレスゲート」が公衆無線LAN部門にて、3年連続で1位を獲得した。スマートフォンの本格普及に伴い、携帯電話キャリア各社も独自に無線LANサービス提供を積極展開するなか、どのように優位性を発揮したのか。また今後の展開として、どのようなビジネスを考えているのか。ワイヤレスゲート 代表取締役CEO 工学博士 池田武弘氏、同取締役COO 原田実氏に話を聞いた。

――無線LAN部門1位を獲得しましたが、個別に見ていくと「スピードの部」と「サポートの部」でそれぞれ1位を獲得されています。

池田:当社はMVNOなので、スピードの部についてはライバル各社と横並びと考えていますが、「サポートの部」での1位はとても嬉しいですね。当社のサービスは、どちらかというと「公衆無線LANを積極的に使いたい」というユーザー層にご利用いただいているので、そうした層から高い評価がいただけたことは、大きな励みになります。

―― 2011年3月に、会社名を「トリプレットゲート」からサービス名と同じ「ワイヤレスゲート」へ変更されました。

池田:サービス名が前面に出る機会が増え、お客様の間にも「ワイヤレスゲート」という名前が浸透してきたのを受け、会社名を変更しました。サービス名と会社名を同じにすることで、会社のほうにも、より親しみを感じていただけるのではないかと考えています。
―― MVNO事業者の場合、同業他社と同じ回線事業者のインフラを利用するため、差別化が難しいと思うのですが、御社はどのようにして優位性を打ち出しているのでしょうか?
池田:当社が注力しているのは、ユーザーサポートとプラン設定です。サポートについては電話、メールのほか、FAXによる受付も行っており、常に迅速な対応を心がけています。プラン設定については、現在はスマートフォンユーザーをターゲットに、どのサービスエリアをどの携帯キャリアのユーザー様に向けてご提供していくのが効果的かを徹底的にリサーチした上で、プランを3つに分けてご提供しています。たとえばNTTドコモでは、ユーザーに「Mzone」という公衆無線LANサービスを提供していますが、Mzoneはマクドナルドがカバーエリアに入っていません。しかし、マクドナルドで無線LANを利用したいというお客様が多いので、当社では「モバイルポイント+プラス」というプランをご提供しています。NTTドコモのユーザーも、月額380円をプラスすることで、マクドナルドでも快適に無線LANが利用できるようになります。それぞれのプランについての、わかりやすいパンフレットも作成して、お客様にメリットを理解していただけるような工夫もしています。

―― 携帯キャリア各社の無線LANカバーエリアをかなり綿密にリサーチされているのですね。しかし、6月にはKDDIの「au Wi-Fi SPOT」が登場するなど、状況はどんどん変わっています。

池田:現在ご提供している3つのプランは2010年11月に設定したものですが、その当時から、携帯キャリアが自社のユーザーに向けた公衆無線LANエリアを充実させてくるだろうという予測はありました。したがって、そうした動きもある程度は折込み済みです。とは言え、各携帯キャリアのカバーエリアのリサーチは絶えず行っており、隙間を見つけては、タスキ掛けのようにして、3つのプランに最適な形で反映させています。

―― 御社のサービス利用者のうち、スマートフォンのユーザー数はどれぐらいの割合でしょうか?

原田:お客様がどのような端末でアクセスしているかを正確に把握することはできませんが、半数近くに上っていると考えられます。

―― スマートフォンユーザーの多くは、自宅でも3Gで接続しているという話を聞きます。外出先でも3Gで接続しているユーザーが多いのではないでしょうか。そうしたユーザーに向けて、公衆無線LANの利用を促進させるような施策は何かお考えでしょうか?

池田:公衆無線LAN利用の敷居を下げる意味で、現在、当社ではAndroid向けの接続アプリ「WGConnect for Android」を提供しています。当社のお客様は、もともとリテラシの高い方が多く、接続アプリを利用しなくても(OSの設定を行うことで)サービスを利用されています。しかしスマートフォンの普及により、リテラシの高くないお客様にも快適に利用していただく必要があると考え、接続アプリをリリースしました。今後は「接続アプリを使えばもっと面白い」というアプローチを考えています。詳しいことはまだ言えませんが、接続アプリを使うモチベーションを向上させるような“仕掛け”を用意した、新しい接続アプリの準備も進めています。

―― 最近ではタブレット型端末が普及し始めています。スマートフォンだけでなく、こうした新しいデバイスに向けた新たなサービスなどの予定はありますか?

池田:タブレット型端末に限らず、無線LAN接続可能な端末の登場は歓迎しています。しかし、タブレットに特化したサービスというものは、現在のところ考えていません。現状では、タブレット型端末はビジネス用途の性格が強いと考えています。当社はコンシューマに向けサービスを展開していることもあり、現時点ではスマートフォンをメインのターゲットにしてサービスを拡充していきます。

―― ビジネス用途というお話が出たところで、法人向けのサービスの予定はありますか?

池田:良いサービスを良い価格レンジで提供していくというのが当社の基本理念です。法人向けサービスを提供するとなると、相応のサポート体制を構築しなければならず、そうしたコストがコンシューマ向けのサービスに影響を与えかねないため、現在の会社規模で進めて行くには、法人向けのサービスは現実的ではありません。

―― コンシューマ向けといえば、携帯型ゲーム機のユーザーの取り込みなどはいかがでしょうか?

池田:実はゲーム機ユーザーの取り込みは、これまでに何度か試みたことがあります。このユーザー層を取り込めれば良いのは分かっているのですが、携帯型ゲーム機用のゲームソフトは、アドホックでの対戦機能が良く出来ているため、インターネット越しに対戦するというユーザーが、なかなか増えません。ゲームソフト開発会社に直接アプローチしてネット越しの対戦機能を強化してもらうという方法も考えたのですが、ゲーム機メーカーとの兼ね合いもあり、難しいというのが実情です。

原田:ゲーム機については、次の市場として開拓できたらいいな、と考えています。

―― 2010年2月に、中国でのローミングを開始されましたが、海外ローミング展開の今後の予定は何かありますか?

池田:海外ローミングについての状況は、大きく動こうとしています。

原田:詳しいことはまだ言えない段階なのですが、かなりグローバルな展開を考えています。時期としては2011年末あるいは2012年初頭にかけて発表できるものと思います。

―― 利用者数はどのように推移していますか?

池田:具体的な利用者数については差し控えますが、おかげさまで、純増率は毎年向上しています。

原田:母集団が増えてもなお純増率が向上しているということは、純増数そのものも毎年増加しているということです(笑)。

池田:ヨドバシカメラの店頭でご加入いただくお客様も増えていますが、当社HPからお申し込みいただくお客様も増えています。「ワイヤレスゲート」という名前が世の中に浸透してきたため、マーケティングにも選択の余地が広がっていますね。
《RBB TODAY》
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