【物欲乙女日記(焼酎編)】法施行とともに知る、芋焼酎の奥深さよ | RBB TODAY
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【物欲乙女日記(焼酎編)】法施行とともに知る、芋焼酎の奥深さよ

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東京・千代田区の「酒文化研究所」にお邪魔しました!
  • 東京・千代田区の「酒文化研究所」にお邪魔しました!
  • 蔵書はすべて酒関係のものばかり
  • 酒飲みの先輩である山田室長に深々と一礼!
  • 行政、製造方法などあらゆる側面から酒文化を考察する研究所なのです
  • 山田室長の流れるようなトークにも酔いしれます
  • 夏場の山田室長はバーベキュー奉行になるそうです
  • 会議室篭城のお供は芋焼酎に決定!
  • 「オフィスで飲む芋焼酎」を考え器を多数用意
 酒、それはワタシの命の水…というわけで、自他共に認める酒好きのニシオカです。明け方の酒場で、お酒の表記がうんたらかんたらという話を小耳に挟みました。聞けば、なにかの法律で酒の原材料に関する表記が変わるとか。酔っているので意味がわからなかったのですが、「酒文化研究所」の山田室長が「教えてあげる」とのこと。さっそく飲んでいない時にお邪魔して、酒好き談義に花を咲かせてまいりました!

●米(コメ)トレーサビリティ法とは?

 こんにちはー! お酒大好きニシオカです。
「いらっしゃい。いやあ、ほんとにお酒好きそうな感じですね(笑)」
 お褒めの言葉と受け取っておきます。ところで、お酒の研究って何をやるんですか?
「お酒は暮らしに密着した文化でもあるでしょう。いろんな面から、お酒と人、社会のいい関係を考えて普及させようじゃないかというのがミッションなんですよ」
 ワタシもいい関係を保っていますよ! ときに、お酒の表示が変わるとか?
「正確に言うと、原材料の米に関する表記方法が変わるんですよ」

 山田室長いわく、今年の7月1日から「米トレーサビリティ法」が施行され、米を原料とした加工食品(ミソなど一部は除外)について、原産国の表示が義務付けられたとのこと。これにより、製造過程で米(米麹)が使われている酒類に関しても、表示の一部が変化するのだそう。日本酒は当然ながら、多くの焼酎でも原料に米(米麹)が使われており、「国産米」「外国産米(タイ米/中国米など)」といった表示が義務付けられます。

 ワタシ焼酎好きですが、どこの米かなんて気にしてませんでしたよ。
「見る前に飲んじゃうから(笑)。市場には徐々に新しい表示のものが出回っているから、今度は飲む前に見てみては?」
 飲む前に見ます! でもこれ、飲む側に影響あるんですかね?
「ウチのモニターさん399人のアンケートでは、『国産米を使った酒を選ぶ』という人が約4割、『味がよければこだわらない』という人も約2.6割で、反応はそれぞれですね」
 ワタシもそんなにこだわらないかな? 
「焼酎メーカー側は、これまで通り品質のよい外国産米を使用するところもあれば、国産米に切り替えたり、そもそも原料に米を使わない事をアピールするところが出てきたりしてます」
 米を使わない焼酎? それ知らなかった。

●芋100%の全量芋焼酎の秘密

「この法改正で表示が詳しくなると、これまで気にしていなかったお酒の原材料が注目される流れになるかもしれません。米を使わない焼酎が存在していることとかね。たとえば芋焼酎でも、芋+米麹もあれば、芋+芋麹もあるんですよ」
 “お芋の麹”というのがあるんですね。
「芋+米麹の芋焼酎は、蒸して甘くなったサツマイモを糖に変えて、その糖をアルコールにする過程で米麹を使います。芋+芋麹の焼酎は、ここで芋麹を使って芋100%の焼酎である“全量芋焼酎”にする。これは割と新しい技術で、芋に麹カビを生やすのが難しいなど、なかなか本格的に商品化されませんでした。この10年で技術が確立され、今では全国区の商品として出回っていますよ」

 ということは、ワタシも知らずに飲んでいたり? 山田室長いわく、“全量芋焼酎”は芋の蒸し加減や新鮮度など工程によって味は変化するもの。作り手の意図が反映されやすいお酒でもあるので、現在全国区に流通しているものは、もともと南九州を中心に飲まれていたものより、すっきりと仕上げられているのだそう。
 
「南九州ではお湯割りなどで飲まれることが多いんですが、首都圏などでは焼酎といえばロックが主流でしょう。より飲みやすくアレンジされていますね」
 そういえば、ワタシも焼酎はロック派ですねえ。
「そうだ、焼酎ロックのおいしい飲み方は知ってます?」

 おっと、それもまた耳寄り情報。山田室長いわく、「ロックグラスに大きめの氷」があればOKとのこと。そっと芋焼酎を注ぎ、まずはストレートに近いお味で。次にゆっくりと氷を溶かしながら水割りに近い味を楽しめば、あますところなくその魅力を堪能できるのだとか。

「こうして飲むと、温度の差も楽しめるんですよ。昔実験したんですが、大降りのロックアイスに、シングル(30ml)をそそぐと、だいたい4分でお酒の温度が1度まで下がる。急速に解けるのは最初の4~5分だから、最初の一口はあまり冷えてなくて、ストレートで飲んだときのような本来の味がします」
 そしてだんだん、水割りに近くなっていくと。
「そうですね。もし、冷たいものを早く飲みたいなら氷に直接かけるといいですよ。ストレートに近いものなら氷にあてず、グラスのふちにかけて流し込む感じで」
 室長、ここに“実物を使った指導”はないんですか?
「やりたいのは山々なんだけど……あなた取材中でしょうが(笑)」

 そんなわけで帰社しましたが、知識は蓄えたのに“実践”がなく不完全燃焼。しかし、原稿を仕上げるには“実践”なくして無理! 夜になったのをいいことに、酒屋で全量芋焼酎を購入→会議室に篭城。

 レクチャー通りロックグラスに二種類の注ぎ方を……ああ、おいしい。最初の一杯めはストレートに近い感じから楽しんで、二杯めからは冷たいのをぐっと流し込むとイイカンジです。うおー、夏だなあ! このほわっと甘い感じと口当たりの良さがたまらん。でもね……記事にするにはもう一杯必要かな。うーん、ちょっと注ぐ量が多くなったけどいいか。なにせ1ビンあるし。いやーでもこの冷たいのをぐっといくのも……あ、●●ちゃん、ちょっと会議室来ない? 色校チェック中? 10分だけだしここで見ればいいじゃない。とりあえず座るだけでいいから、ね?

 ……気づくと、朝一番に出勤した同僚が、グラス片手に眠りこけていたワタシを必死で揺すっていました。でもなんだろう、このすがすがしい目覚め。こうしてワタシは日々お酒で“再生”を繰り返しているのですね。
《RBB TODAY》
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