【Interop Tokyo 2011(Vol.2)】情報通信関連の専門イベント開幕迫る!その見どころは? | RBB TODAY
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【Interop Tokyo 2011(Vol.2)】情報通信関連の専門イベント開幕迫る!その見どころは?

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株式会社ナノオプト・メディア F2Fフォーラムカンパニー 取締役 F2Fフォーラムカンパニープレジデント 大嶋康彰氏
  • 株式会社ナノオプト・メディア F2Fフォーラムカンパニー 取締役 F2Fフォーラムカンパニープレジデント 大嶋康彰氏
 いよいよ6月7日(展示会は8日)から10日まで開催される「Interop Tokyo 2011」。最先端の情報通信関連の専門イベントとして、今年も約14万人の来場者が見込まれる一大イベントだ。今年のInterop Tokyoは、ディザスタリカバリ、クラウド、データセンター、IPv4枯渇/IPv6移行、グリーンITといった、企業の課題解決につながるテーマが中心となっている。その見どころについて、運営会社である株式会社ナノオプト・メディアの大嶋康彰氏に話を聞いた。

――IPv4枯渇が現実となった今年、「IPv6移行」をテーマとしたデモンストレーションは注目されますね。

IPアドレス枯渇はインターネット業界が抱える最大の課題の1つです。今年のInterop Tokyoでは、基調講演のオープニングに、IPv6をテーマとしてアカマイ様にご登壇いただきますし、エデュケーショナルコンファレンスや、展示会場内で行われる無料のクラスルーム等でも、IPv6関連セッションを用意しています。出展各社も各ブースでアピールしていくようですし、会場内にはIPv6パビリオンコーナーも開設する予定です。デモンストレーションネットワーク「ShowNet」は、以前からIPv6に対応しており、今年もIPv6ネットワークの接続性を出展社と来場者にご提供すると同時に、技術者の皆様には、IPv6ネットワークの運用・構築方法を、より実稼動している状態をご覧いただきます。ちょうど展示会初日の8日は、グローバル規模のIPv6トライアルイベント「World IPv6 Day」と重なり、当日はInterop Tokyoとしての参加が決定しています。

――震災後ということで、「データセンター」「クラウドコンピューティング」も来場者の関心が高そうです。

今年の展示会場は、クラウドやデータセンターに関するソリューションや製品がかなりの割合を占めてくるでしょう。しかし企業の社内システムの作り方や考え方は、3月11日の東日本大震災の前と後ではがらりと変わってきていますので、「ディザスタリカバリ」や「ビジネスコンティニュイティ(事業継続性)」については、出展各社がより注力してくるでしょう。ShowNetでも、これは震災前から企画していたのですが、例えば大阪と東京にデータセンターを置く等、仮想分散環境を会場内でデモンストレーションする予定です。

――Interop Tokyoは今年で18年目を迎えますが、他のイベントとの最大の違い、特徴は何でしょうか?

世界主要都市で開催されている「Interop」は、「相互接続性(INTEROPerability)」を基軸としてネットワークがつながるかつながらないかを議論する場としてスタートしました。今年はラスベガス、東京、ムンバイ、ニューヨークの4都市によるワールドツアーです。“最先端の技術を使いながら出展社や来場者に安定したネットワークを供給する”、というのはある意味、矛盾した挑戦ですが、今後のネットワーク構築の“手本”にしてもらいという思いのもと、この精神は開催当初から変わらず「ShowNet」で続いています。ShowNetは過去に、ADSLの大規模な動的デモンストレーションを日本で初めて行ったことでも知られています。当時、ADSLサービスを始めようとしていた企業と学術会のエンジニアが集結し、どういった技術を使って構築するかの実験の場となりました。今年のShowNetは、IPv6やデータセンターの分散環境等、近未来というよりもリアリティに近いところのデモンストレーションになりますが、やはり実験性は持っていて、そこには学術的な観点も加えられます。Interop Tokyoは、商用イベントとしてだけではなく、産学連携の色合いもこの18年間色褪せていない点も、大きな特徴です。各社の最先端の機器を組み合わせて実稼動する様子を皆様に見てもらうために、ShowNetでは入念な事前テストが行われます。今年も、6月8日からのたった3日間のデモンストレーションに向け、協力企業やエンジニアが5月27日から幕張に缶詰になります。

――「産学連携」はどのようなところで行われていますか?

主催者である「Interop Tokyo 2011実行委員会」は、慶應義塾大学の村井純教授(環境情報学部)に委員長をお願いしています。Interop Tokyoは1994年の開催当初から、村井教授率いるインターネットに関する研究プロジェクト「WIDEプロジェクト」と親密な協力関係で運用されています。コンファレスの企画は、東京大学大学院の江崎浩教授(情報理工学系研究科)が議長となり、学術会と産業界のそれぞれから選出されたで委員の方々が相互の意見を交わしながら、プログラムを構成しています。

――同時開催される3つのイベントの位置付けと、見どころについて教えてください。

インターネットやネットワークという基盤がInterop Tokyoにあって、その次に出てきたのが「IMC Tokyo」です。これは、竹中平蔵氏が総務大臣であった頃、「放送と通信の連携/融合」が叫ばれ始めた時にスタートしました。今後のメディアがネットワーク、インターネットと交わることで、どう変わっていくかを見ることができるイベントとして、今年で6回目を迎えます。今年は7月24日のアナログ完全停波を目前に控えていることから、基調講演では、総務省の方にご登壇いただき、今度の電波政策等について語っていただきます。IMC Tokyoの1つの応用分野として、ディスプレイに注目したのが「デジタルサイネージジャパン」です。6月9日のデジタルサイネージコンソーシアム様による特別講演では、今回の大震災でデジタルサイネージがどのような対応を行ったか、そして今後どのような課題があるかがテーマです。有事に緊急の情報に切り替わったり、ディスプレイの輝度調整で省エネ効果を高める等、デジタルサイネージの役割と運用方法のバランスが今後カギになってくると見られています。もう1つの「Interweb」は、Interop Tokyoの特別企画として今年初めて開催されるイベントです。W3Cに協賛していただき、「Webテクノロジー/デザイン」の側面から相互接続性を議論する場となるようなコンファレンスを用意しています。

――最後に、来場者へのメッセージをお願いします

今回は国際的な取り組みも強化し、インドとつないだ国際会議を初日に行います。インドの最新のICT動向や政策、日本企業にとっての可能性等を啓蒙できるセミナーにしたいと思っています。また公式Webサイトには、今年新たに、IPv6やクラウド、データセンターといったキーワードから関係する出展ブースやセミナーを一覧で見ることができるページもご用意しましたので、特定の分野にご興味のある方はWebサイトを事前にチェックしてご来場いただくと便利です。今年のInterop Tokyo 2011は、電力にも細心の注意を払い、東電管内の消費状況を見ながら、状況によってはShowNetで省エネモード稼動を行うといった新たな運用にもチャレンジします。ShowNetについてはツアーも開催しますのでぜひご利用ください。
《RBB TODAY》
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