第14回組込みシステム開発技術展のインテルのブース内に、パイオニアが展示しているのが「フローティングビジョン」だ。 「フローティングビジョン」自体はモニターの手前数センチメートルの空中に像を結ぶ映像表示技術で、すでにパイオニアからPC用のUSB接続の「浮遊映像表示モニター フローティングビジョン FV-01」として商品化されているので、ご存知の方もいるだろう。 今回の展示では、このフローティングビジョンにセンサー技術とインテルアーキテクチャを組み合わせた、組込み用途向けの2種類のUIの提案が行われている。 1つめは、浮遊映像に触れるような感覚で操作するユーザーインターフェイスだ。 クルマのダッシュボードを模したデモ筐体には、左にカーナビの地図画面、中央にフローティングビジョン、右にメーター画面が表示されている。 ここで、中央に浮かぶ「ルート検索アイコン」の浮遊映像を手のひらで左のカーナビ画面のほうに押しやると、浮遊映像がカーナビ画面に飛び込む(ように見えるアニメーションが表示される)。カーナビ画面側でも、浮遊映像と同じ「ルート検索アイコン」が飛び込んできたようなアニメーションが表示された後、ルート検索が開始される。 デモでは、表示されているアイコンに応じて呼び出される機能が異なり、また同じアイコンでも、左のカーナビ画面と右のメーター画面のどちらに押しやるかでも、呼び出される機能が異なるなど、さまざまな工夫が凝らされていた。 当然、触感があるわけではないが、目の前にある映像を自分の手で動かしたように錯覚させるため、新鮮な操作感覚が味わえる。 もう1つはFeliCaと組み合わせたユーザーインターフェイスだ。フローティングビジョンの手前にある台の上にFeliCa対応の携帯電話を置くと、「気球」の浮遊映像が携帯電話の中に飛び込む(ように見えるアニメーションが表示される)。携帯電話にはFeliCa経由でURLなどの情報が取り込まれるという仕組みだ。 携帯電話の中に“何か”が取り込まれたことを示す直感的なインターフェイスであり、とても面白いと感じた。