【インタビュー】ドライブネットで広がったPNDの可能性…三洋電機・松島淳人氏 | RBB TODAY
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【インタビュー】ドライブネットで広がったPNDの可能性…三洋電機・松島淳人氏

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三洋電機コンシューマーエレクトロニクス 車載機器事業部 事業統括部 ポータブル開発部 松島淳人氏
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NTTドコモが提供する移動体向けサービス「ドコモ ドライブネット」を初めて採用した三洋電気のPND『NV-SP200DT』。地図更新やプローブ、さまざまな情報提供など、従来のゴリラとは一線を画した商品コンセプトで通信ナビの市場に打って出た。

このトップブランド同士のコラボレーションに当初から携わった三洋電機のキーマンに話を聞く。インタビューに答えていただいたのは車載機器事業部事業統括部ポータブル開発部、松島淳人氏だ。


◆「新しいナビゲーションの世界を作っていかなければ」

----:SP200DTの特徴について、まずお聞かせください。

松島:SP200DTは5V型の液晶と8GBのSSDを搭載しており、ひとことで説明すると、NV-LB60DT相当のハードウェアに通信機能を加え、「Myストッカー」や「Gアプリ」対応など上位モデルのSBシリーズと同等の機能を追加したモデルといえます。

----:Gアプリに、通信を利用できる機能を用意することはないのでしょうか。

松島:Gアプリは三洋独自のアプリケーションでして、現状の仕様では、通信との連携はありません。一方、「ドコモ ドライブネット」は情報サービスのために3Gを使っており、ドコモ側で提供されているサービスですからGアプリとは別物です。現状はSDカード経由でGアプリをダウンロードしていますが、(いずれは)通信でダウンロードできたり、通信を使った独自サービスなどを提供できればと考えています。

----:NTTドコモのドライブネットを導入したきっかけは。

松島:およそ2年前ですね。ドコモさんから「クルマ向けのサービスを一緒にやりたい」とお声かけいただいたことがきっかけです。ケータイナビなども登場している中で、オンラインコンテンツを利用した新しいナビゲーションの世界を作っていかなければならない時代になっている、ということを感じていた矢先でした。

----:サンヨーは2008年の秋に日産のテレマティクス「カーウイングス」に対応したゴリラを発表していましたね。

松島:当時は、携帯電話のBluetoothを利用して通信していました。ドコモのご担当者にはそのゴリラもチェックしていただいていたそうです。そんな経緯もあり、「ゴリラでドコモのサービスを使いたい」、と話を持ちかけてくれました。

----:私はカーウイングス対応ゴリラが登場した当時、「通信モジュール入れたらいいのでは」と言っていたのですが、そのときはあの筐体に収めるにはBluetoothでいっぱいだということを聞きました。それとモジュールをいれるということは、通信契約などお店の問題など複雑なことが絡む。ユーザーの携帯電話を使ったほうが賢明、という答えが返ってきました。


◆月額840円で地図更新から渋滞情報、最新POIを提供

松島:今回のSP200DTでは、そういった契約に絡む課題をクリアできたと思っています。基本的には、ハードウェアについては当社が責任を持つということになっています。買われた方は、ドコモと契約を済まさないと使えない。料金は、サービス料の315円に加えて、ドライブネット20万パケットまで定額の525円、合計840円で利用できます。この月額料金で、渋滞情報や最新POI、地図更新といった様々な機能を利用できます。

----:利用者にとって、ドライブネットの機能でもっとも魅力的なのはやはり地図更新ですしょう。

松島:ドライブネットは地図更新機能も含めてドコモ側のサービスとしておこなっています。オンラインでの地図更新は任意の地点または目的地設定時には目的地周辺5km四方のデータをダウンロードしますが、通信容量としては少ないので、ダウンロードに要する時間もごくわずかです。

----:ルート案内の途上でダウンロードしないと言うことですね。

松島:ナビはまず目的地に迷わずたどり着くことが目的ですので、やはり目的地周辺の地図を最優先させ、(更新データがある時は更新を行う)オンライン地図更新に対応させました。もっと広範囲の更新、ゴリラプラスでは都道府県ごとに更新を行いますが、その時、地図データはPCからSDカード経由でゴリラプラスにインストールしていただく方法をとっています。利用料には、このSDカードへのダウンロードも含まれています。

----:月額840円のドライブネットプランを選んだ場合、20万パケットが利用限度で、その契約のままではそれ以上の通信はできないとのことですが、普段使いで使い切ってしまうことはないのでしょうか。

松島:当社の検証事例によりますと、プローブや主要な情報提供など通信機能を利用して毎日2.5時間ドライブして1週間で5万パケット程度です。週末の1泊2日ロングドライブでもやはり5万パケットほどです。プローブはパケット代がかかるとよく言われますが、業務などよほどヘビーな通信をしない限り、20万パケットを消費しきると言うことはありません。

----:プローブはドライブネットのユーザーで提供しあう、ということになっていますが、ドライブネットは「スマートループ」と呼ばれるテレマサービスを擁するパイオニアにも提供しています。ということは、スマートループの情報はドライブネットに提供されると言うことになるのでしょうか。

松島:プローブはドコモ側のサービスですので、当社からはお答えできませんが、多くのユーザーでプローブをシェアすればお客様のメリットが増えると言うことは間違いありません。プローブも重要ですが、VICSサービスもビーコン相当のサービスが提供できますので、従来のFM-VICS搭載機よりも渋滞回避という点では利便性は向上しています。また、FMのようなアンテナの配線が不要ですので、取り付けのハードルも低くなるでしょう。

----:ドライブネットプランは月額840円で20万パケット打ち止め、ドライブネットプランフルは使い放題で下限上限5985円というプランですが、この2つの通信プランを用意した理由は。

松島:物販の世界でビジネスをしてきた当社としては、販売店にもお客様にも「リーズナブルだね」と思われるようなサービスを提供する努力をしなければなりません。地図更新があり、渋滞情報があり、そして様々な情報コンテンツがある。これらを提供して月額840円であれば納得していただけるだろう、という決断でした。他社からも通信対応のPNDが登場していますが、ゴリラプラスの強みは、小型軽量なボディと家電量販店やカー用品店でも購入できる商品であると言うことです。

----:通信契約は ドコモショップでおこなうというのが基本なのでしょうか。

松島:そうですね。カー用品店で購入されるような場合はドコモショップでの契約が基本になります。ドコモショップに持ち込むのが面倒とか、近くにショップがない、という場合はインターネットでの契約も可能です。家電量販店では携帯電話のも販売しているところがほとんどですから、即FOMAカードをお渡しできます。カー用品店でも本体購入時に通信契約も同時にできるよう、キャリアとの代理店契約も含めて検討しています。


◆カー用品店・家電量販店双方で買えるという販路の優位性を活かす

----:通信ナビと言えばパイオニアの『エアーナビ』や、携帯電話サービスからスピンオフしたナビタイムジャパンの『カーナビタイム』などが登場していますが。これら他社製品とはどういった部分で差別化されていますか。

松島:ドコモの強力なインフラとサービスはもちろんゴリラプラスの強みです。またデザインも差別化して2色展開とし、本体の価格も市場価格で5万円以内にとどめるなどリーズナブルな価格で高度な通信機能を利用できる、というナビゲーションとしての“総合力”が強みです。また、家電量販店からカー用品店まで、店頭で製品を見てから買えるというのもゴリラプラスの魅力ではないでしょうか。

----:ドライブネットが利用できるゴリラプラスは非通信タイプのゴリラと比較して、機能の数も大幅に増えていますが、ユーザーインターフェースの面で工夫された部分はどこにあるのでしょう。

松島:お客様が操作している際に、“通信していますよ”とアピールさせる画面づくりを心がけています。通信を利用する機能については背景を白にし、それ以外については黒背景としています。白いボタンの部分は、ドライブネットの機能を使っているというのを分からせるよう、あえて色で区別しています。

そうやって色分けすること、ゴリラプラスがローカルに持っているPOIと混乱させないための工夫でもあります。それ以外の基本的な操作の手順は、従来のゴリラのUIに準拠していいます。通信機能を利用する/しないに関わらず普通に使う分には、説明書を詳しく読まずとも迷わず使っていただけると思います。

----:デザイン的なこだわりも先ほど述べていましたが、ゴリラプラスは従来のゴリラとはテイストが若干異なっていますね。

松島:通信モジュールを内蔵しているということで電波の感度を確保するために右側面を突き出すようしてアンテナを設置するとともに、電源状態や通信を示すLEDを配置してデザイン上のアクセントとしています。最初は感度が取れず苦労しましたが、製品版では十分なレベルに達しています。

松島:携帯電話キャリアナンバーワンのドコモと、PNDシェアナンバーワンの当社との取り組みということで、一番最初にドライブネットに対応した事例として画期的な商品になったと自負しています。ゴリラの使いやすさはそのままに、ドライブネットの通信機能でナビの利便性は大きく向上しました。若い方からシニアまで、幅広い層にアピールできる製品を目指して作り上げましたので量販店やカー用品店でゴリラプラスの魅力を感じ取っていただきたいですね。

《聞き手 会田肇/三浦和也》

【サンヨー ゴリラプラス SP200DT インタビュー】ドライブネットで広がったPNDの可能性…開発者

《まとめ・構成 北島友和@レスポンス》
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