【CEATEC JAPAN 2010(Vol.13)】実空間と仮想空間をつなげる「Mobile AR技術 Ver.2」 | RBB TODAY

【CEATEC JAPAN 2010(Vol.13)】実空間と仮想空間をつなげる「Mobile AR技術 Ver.2」

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ARマーカーに携帯電話をかざすことで、画面上にオブジェクトが表示される
  • ARマーカーに携帯電話をかざすことで、画面上にオブジェクトが表示される
  • 携帯画面上に表示されたテーブル(画面中央)とテレビ(画面下)のAR
  • NTTドコモ 移動機開発部 要素技術開発担当 太田学氏
  • NTTドコモ 移動機開発部 要素技術開発担当主査 森永康夫氏
  • 「今回の『Mobile AR』は、ネットワーク連携によって、自宅などの幅広い環境においてもARを応用できるように改善したことが大きなポイントになります」
  • 「『ブラウザ連携』により、従来の通販サイトでは判断できなかった商品のサイズや形状が、自分の部屋に居ながらにして、さまざまな角度から感覚的に確認できるようになります」
  • 「ブラウザ連携」の仕組み。通販サイトの商品を選ぶと、その商品とマーカーがヒモづけられる。次に携帯電話でマーカーを見ると、実物大の商品が映し出される。
  • 「バーチャルリアリティ(VR)連携」により、PCと携帯電話でバーチャル空間を共有。PCから仮想空間上に各種オブジェクトを配置することで、現実空間でもARのオブジェクトが表示される
 「CEATEC JAPAN 2010」では、7月に登場したNTTドコモの先端技術「Mobile AR技術」に関する新しい応用事例も参考出展として紹介される予定だ。AR(Augmented Reality:拡張現実感)とは、現実空間の中に仮想空間を重ね合わせることができる技術。Mobile ARでは、これを発展させ、携帯電話のカメラを通じて、拡張されたさまざまな現実を見えるようにしている。

 では、今回の「Mobile AR技術 Ver.2」は、以前の技術とどのような点で異なるのだろうか? 「前回は、携帯電話単体の機能としてARを適用していました。しかし今回は、ネットワーク連携によって、自宅などの幅広い環境においてもARを応用できるように改善したことが大きなポイントになります」とNTTドコモの太田学氏(移動機開発部 要素技術開発担当)は語る。

 具体的な展示としては2つのデモが用意される予定だ。1つは「ブラウザ連携」という観点から、携帯電話やPC上のブラウザとAR技術を連携させるもの。架空の通販サイトにある商品を選ぶと、携帯電話にその商品情報がダウンロードされる。そして、マーカーに携帯電話をかざすと、携帯電話の画面上に商品(オブジェクト)が映し出されるという仕組みだ。単に商品が映し出されるだけでなく、マーカーと携帯電話の距離によって大きさが変わったり、携帯電話のかざし方によっては商品が現れる角度も変化するため、あたかもその場にオブジェクトが現れたかのように見える。

 同社の森永康夫氏(移動機開発部 要素技術開発担当主査)は「これにより、従来の通販サイトでは判断できなかった商品のサイズや形状が、自分の部屋に居ながらにして、さまざまな角度から感覚的に確認できるようになります」と説明する。

 今回のデモでは展示会場の制約上、本物の家具を設置することができない。そのためミニチュアサイズの家具類が用意され、その中でMobile ARのデモが行われる。そこではミニチュアの間取り空間にマーカーを置いて、携帯電話でかざして見ることで、架空の通販サイトで選択したテレビやピアノ、ソファなどの家具が現れる。「実際に家具を部屋のどこに置けば良いのか?」「他の家具と比べて色味やバランスがよいかどうか?」といったことなどを、現実空間に重ねて確認できるという。

 もう一方のデモは「バーチャルリアリティ(VR)連携」と呼ばれる技術。具体的には、PCの中に実在の場所を模した仮想空間を用意しておき、その仮想空間を操作するツールによって、ユーザー自身が仮想空間上に各種オブジェクトを配置することができる。同時に実空間にも、それらのオブジェクトの情報がヒモづけられる。そこで、実際にその場所で携帯電話をかざすと、PC上で設定したオブジェクトが表示されるのだ。すなわち、携帯電話を媒体とし、PC上の仮想空間と現実空間のリンクを実現する技術だといえる。

 「たとえばPC上で渋谷の仮想空間をつくり、ユーザーが何かオブジェクトを配置すれば、リアルな渋谷の街にそれらを反映することができるようになるでしょう」と森永氏は言う。実際のデモでは、CEATEC JAPANの会場をPC上で仮想的につくり、そこに「宝箱」や「お化け」などのオブジェクトを置く。実際の会場にて、携帯電話でそれらを探しオブジェクトをクリックすると、宝箱が開くなどのイベントが発生するという。このように仮想空間と現実空間を組み合わせたエンタテインメント性に富んだゲームや、自分だけのオリジナル観光マップなどをつくって、他のユーザーに配布することもできるだろう。

 今後は、さらにネットワーク連携によって、AR技術の現実空間への利用が拡大していくだろう。いままで想像できなかった空間での遊びやビジネスにも展開され、携帯電話というデバイスが担う役割も変化してくるはずだ。
《井上猛雄》

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