デジタル機器の処理性能の向上とブロードバンド(高速大容量通信)接続の普及による、放送コンテンツ、IPTV(InternetProtocol Television)やVoD(Video on Demand)などの映像配信サービスの増加を背景に、一般の家庭でも膨大な数のコンテンツを扱えるようになってきた。このような状況のなか、番組表やリスト表示といった従来のユーザーインタフェースでは、目的のコンテンツにたどり着けない、あるいは膨大なページめくりが必要であるといった課題が見えてきている。
一般に主観評価に基づく統計的な解析手法としてはコンジョイント分析が用いられるが、 多種多様なTV番組データを対象とした場合、 高精度化には大量の被験者データが必要であった。そこで、項目応答理論(IRT:Item Response Theory)を用いた新たなアンケート調査手法を適用することで、ひとり当たりの設問数を抑えながら、効率よくコンテンツ間の関連性の強さを表す評価データを取得した。IRTは、TOEFL(Testof English as a Foreign Language)などの能力テストで用いられる手法であり、被験者間の個人差などに起因するばらつきをなくすことで異なる被験者による回答を、同一尺度上で比較評価することを可能にするものである。